宇宙世紀ガンダムシリーズに登場した歴代のサブフライトシステム(SFS)を紹介します。
サブフライトシステムといえばモビルスーツを載せて空中移動する兵器として数多くの作品に登場しています。また空中移動できないモビルスーツの行動範囲を広げる便利なメカという印象も強いです。
今回はテレビアニメ、劇場版に登場した全てのサブフライトシステムの特徴・活躍を紹介したいと思います。
サブフライトシステム(SFS)とは
サブフライトシステムとはモビルスーツの空中機動をサポートする支援機の事です。
一年戦争(機動戦士ガンダム)の頃にはまだその存在が確立されていませんでしたが、グリプス戦争(機動戦士Zガンダム)で定義が確率され以降の作品でも数多く登場するようになりました。
重力のある大気圏内において自力で飛行できるモビルスーツは少ないですが、SFSを使用する事により行動範囲を飛躍的に向上し、戦術的・戦略的にも柔軟性が生まれる様になりました。
モビルスーツからコントロールするため基本的には無人飛行なのですが、コクピットが用意されている機種も存在し有人機として運用出来る機種も存在します。
またSFS専用機だけではなく、サブフライトの機能を併せ持ったサポートメカも劇中には数多く登場しています。
歴代のサブフライトシステムまとめ
歴代の作品に登場したサブフライトシステム(SFS)をまとめてみました。
ちなみにGファイター、メガライダー、フライングアーマー、アインラッド、ツインラッドはサブフライトシステムを兼用するサポートメカとなっています。
機動戦士ガンダム (一年戦争)
Gファイター
地球連邦軍が開発したサポートメカ。GパーツA(前半部分)とBパーツ(後半部分)とコアファイターが合体した形態。
ホワイトベース隊には2機配備されていた。ビームキャノンとミサイルランチャーを装備する。ちなみにスレッガー機はビグザムとの戦いで大破している。
サブフライトシステム(SFS)としても機能し、上部にガンダムを載せて戦う事も可能。
ドダイYS
ジオン公国軍が開発したSFS。
元々は要塞爆撃機として開発されていたが、モビルスーツの移動を補助するサブフライトシステムに転用された。フラットヘッド型で機体上部にモビルスーツを載せるだけでなく、貨物を載せて運ぶ事も可能。
武装は8連装ミサイルランチャーを装備するが、空対空の戦闘能力はほぼ持っていない。
機体上部で吸入した空気を下面に噴射するため滑走なしで離着陸する事ができる。
劇中ではグフを載せて移動するシーンが多い。またGファイターに乗ったガンダムに全滅させられる描画も見られた。
機動戦士ガンダム 第08MS小隊 (一年戦争)
ドダイII
ジオン公国軍が開発したSFS。
ドダイYSの後期型、もしくは後継機とされる。モビルスーツとの併用を前提に再設計されたため、従来のミサイルランチャーが廃止。
ジェットエンジンを大型化した事で推進力がアップし輸送能力と航続距離が上がっている。
劇中では第4話でモビルアーマ アプサラスのミノフスキークラフトによる飛行試験のため目的地まで2機がワイヤーで吊り下げて輸送するシーンがある。
「その他の登場作品」
機動戦士ガンダムUC (OVA)
機動戦士Ζガンダム (グリプス戦役)
フライングアーマー
エゥーゴがガンダムMk-IIの規格に合わせて開発した大気圏突入用のSFS。
ジャブローにある地球連邦軍の拠点を侵攻するために急務で開発された。
大気圏突入時に自由落下や無防備になってしまうバリュートの欠点を補っている。また大気圏内ではサブフライトシステムとして空中移動も可能。
Zガンダム劇場版ではティターンズから奪取したという設定になっている。
機動戦士ガンダムZZの劇中ではエル・ビアンノが搭乗するガンダムMk-llが大気圏突入を行なっているシーンがある。
「その他の登場作品」
機動戦士ガンダムZZ
ドダイ改
エゥーゴが開発したドダイYSの改良型。グリプス戦役、第一次ネオジオン抗争ではエゥーゴとカラバが運用した。
MSは最大2機を横並びで搭載する事が可能。
ドダイYSの様に直立姿勢ではなくモビルスーツの片手で機体を保持しヒザを着いて搭乗する。モビルスーツから操縦するため基本的には無人ではあるが、有人タイプも存在する。
劇中ではカミーユ・ビダンのガンダムMk-ll、アムロ・レイのリックディアスなどが搭乗。
またティターンズに奪われてロザミア・バダムのギャプランに使用された事もある。
機動戦士ガンダムZZの第35話ではハヤト・コバヤシが有人機に搭乗。ジュドー達を支援するものの、ラカン・ダカランのザクIIIの攻撃を受けて撃墜死した。
「その他の登場作品」
機動戦士ガンダムZZ
ベースジャバー
地球連邦軍が開発したSFS。最大速度はマッハ0.83。グリプス戦役でティターンズが大気圏内で使用した。
機体上面に2機のモビルスーツを搭乗させる事が可能。
機種の下部にメガ粒子砲を装備しており、劇中ではガンダムMk-llへ攻撃するシーンもある。MS操縦の無人飛行の他に有人飛行もできる。
第一次ネオジオン抗争ではアフリカの「青の部隊」も使用。機動戦士ガンダムZZの第35話ではラカン・ダカランが短時間ではあるが潜水を行なっている。
「その他の登場作品」
機動戦士ガンダムZZ
シャクルズ
エゥーゴが開発した宇宙戦用のSFS。
グリプス戦争時の搭乗したドダイ改やベースジャバーに比べて小型であるため搭乗できるモビルスーツは1機に限られる。
操縦はモビルスーツ側から行われるため無人機である。
武装はバルカン砲を装備している。
ゲター
宇宙用SFSでグリプス戦争時の連邦軍で採用された制式機。大戦中はティターンズが非武装の無人機として使用した。
小型ではあるもののモビルスーツを2機搭乗する事が可能。エゥーゴのシャクルズと比較すると航続能力に長けている反面、機動性に欠ける。
劇中ではボリノークサマーンが機体上部に搭乗した状態で戦闘するシーンがある。
「その他の登場作品」
機動戦士ガンダムZZ
機動戦士ガンダムΖΖ (第一次ネオジオン抗争)
メガライダー
第一次ネオジオン抗争においてエゥーゴがモビルスーツのサポート、戦力強化を図るために実戦導入した超大型火器。
機種にはメガバズーカランチャーを装備している。
またSFSとしても機能し、本体中央部にモビルスーツが腰掛けて搭乗する。MSは2機搭乗可能だが、劇中では左右のエンジンブロックに乗り無理矢理4機搭乗した事もあった。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア (第二次ネオジオン抗争)
89式ベースジャバー
地球連邦軍が開発した宇宙用SFS。第二次ネオジオン抗争では連邦軍とロンドベルが使用。
ティターンズが使用したSFS「ゲター」の後継機とされ、UC0089年にロールアウトした。強力な推力を持つブースターが搭載されており、MSの移動範囲を3倍に伸ばすとされている。
「その他の登場作品」
機動戦士ガンダムUC、機動戦士ガンダムNT
「ブースター・ベッド」
89式ベースジャバー用のブースターを双胴型に繋げた無人の長距離輸送機。
月面のマスドライバーから射出、月の重力を加速度で振り切るために使用された。劇中ではロールアウトしたばかりのνガンダムを運搬する際に使用されている。
シャクルズ (ネオジオン)
ネオジオン軍が開発した宇宙用のSFS。
第二次ネオジオン抗争期にロンドベルが使用していた89式ベースジャバーに比べて機動力に優れているがMSは1機のみの搭乗となる。
通常はMS側から操縦するため無地ではあるが、コクピットが存在するため有人機として運用が可能。エゥーゴのシャクルズと名前が同じなのは生産設備を流用したためとされる。
「その他の登場作品」
機動戦士ガンダムUC
機動戦士ガンダムUC (ラプラス事件)
94式ベースジャバー
筒状の大型ブースターを左右に繋げた双胴型のSFS。
大型ブースターはジョイントで切り離しが可能。劇中ではこの大型ブースターをフルアーマーユニコーンガンダムの背面に増設されている。
・94式ベースジャバーの全貌 (プラモデル)
機動戦士ガンダム 閃光ハサウェイ (マフティー動乱)
ギャルセゾン
マフティーが使用するSFS。モビルスーツ2機を従列に搭乗する事が可能。
武装は機銃とビームガン、メガ粒子砲を装備しており他のSFSに比べても火力が高めである。劇中ではΞガンダム受領の際にロケットブースターを装備して海上から打ち上げられている。
ケッサリア
地球連邦軍が開発したSFS。
マフティーが使用するギャルセゾンと違い、こちらはMSを並列に2機搭乗させる事が可能。またコクピットは複数名搭乗可能で、後部にはキャビン、下部には車両の搭載が可能である。
武装はビームガン、3種類のミサイルが発射可能なマルチミサイルコンテナを装備。
機動戦士Vガンダム (ザンスカール戦争)
セッター
アナハイム・エレクトロニクスが開発したSFSでリガミリティアが使用している。UC0100年前後には既に実戦配備されていた。
モビルスーツの小型化の過渡期の頃に設計されており、20m級、15m級の両方のMSに対応する。左右に2機搭乗可能だが、箱乗りで4機搭乗した事もあった。またミノフスキークラフトを搭載し、後部にはジェットエンジンも2基搭載されている。
ザンネック・ベース(ザンネック)
ベスパが開発したサイコミュ搭載モビルスーツ「ザンネック」の運用に用いられたSFS。
ミノフスキークラフトを搭載により高速移動する事が可能で、さらに大気圏の突入も出来た。またビームシールドも搭載されているため防御力にも優れている。
このサブフライトシステムのサポートにより大型化したザンネックを宇宙、大気圏内の両方で幅広く移動をする事が可能であった。
アインラッド
ザンスカール帝国が開発した車輪型のMSサポートメカ。
SFSとして機能をする事も可能で、タイヤの中にMSが入る事で運用する。汎用性が高く、地上に限らず様々な場所で運用された。
武装はビームキャノンとミサイルを装備。
ツインラッド
ザンスカール帝国が開発した車輪型のモビルスーツのサポートメカ。アインラッドを横に2基並べて接続した様な形態である。モビルスーツも2機搭乗する事が可能。
武装はアインラッドの装備2基分と格闘用のカッターを内蔵する。
歴代のサブフライトシステムの感想
作品別に登場したサブフライトシステムを紹介しました。
ちなみに個人的にはグリプス戦争、第一次ネオジオン戦争あたりがデザインや活躍も含めて一番印象に残っています。この時代の作品がサブフライトシステムの中で最も活躍したシーンが多く、記憶に残る話が多いです。
印象が強いのはハヤトのドダイ改ですね。コロニー落としが敢行されるダブリンでジュドー達がZZガンダムに変形する際にラカンからの攻撃を守って最期は「聞こえる・・・カツ・・・」と言って死んでいく姿がとても記憶に残っています。
一年戦争とグリプス戦役でアムロやカミーユと共に戦ってきたハヤトがまさかこのタイミングでいなくなるのかと信じられませんでした。アストナージやオデロと同じく意外過ぎる展開でした。
これ以外だとシャクルズも強く印象に残っています。Zガンダムの第49話でエマがヤザンと戦いガンダムMk-llが中破してアーガマに一時帰艦、アストナージがエマに言った”少し休んでください”の言葉虚しく、すぐにエマが出撃。この時ガンダムMk-llはシャクルズに搭乗していたのを覚えています。
その後、レコアのパラスアテネと死闘を繰り広げて致命傷を負ってしまう事もセットで印象的です。