宇宙世紀ガンダムシリーズに登場した歴代の陸上戦艦・陸戦艇を紹介したいと思います。
陸上戦艦・陸戦艇といえばその名の通り地上戦に特化した艦船であり、特に陸上での白兵戦が多数展開された一年戦争では戦線での司令基地として大きな役割を果たしました。
今回は初期のガンダム作品で活躍し、後の時代でも個性的な戦い方で死闘を繰り広げた陸上戦艦・陸戦艇の特徴や活躍などをまとめてみました。
歴代ガンダムの陸上戦艦・陸戦艇まとめ
宇宙世紀ガンダムシリーズで登場した陸上戦艦・陸戦艇の特徴や活躍・スペックなどを紹介したいと思います。
ビッグトレー
出典元:https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im1281742
登場作品:機動戦士ガンダム、機動戦士ガンダム 第08MS小隊、機動戦士ガンダムMSIGLOO2 重力戦線
所属:地球連邦軍
MS搭載:不可能
全高 | 85m |
全長 | 215m |
全幅 | 134m |
推進機関 | 熱核ジェット・エンジン (ホバークラフト方式) |
武装 | 艦首大型砲 3連装砲 |
一年戦争時に地球連邦軍によって運用された陸上戦艦。
一年戦争より前に連邦軍基地の防衛能力を強化するために開発されており、随伴車両の修理設備も設置されている。
武装面では高火力を有しており、威力・射程に優れた大口径の主砲や多数の連装砲を搭載。
その反面、小口径砲や対空砲を装備していない事もあってか対モビルスーツ戦や対空防衛能力には乏しい仕様となっている。
MS搭載能力は持たないものの、小型航空機用の飛行甲板が設置されているため垂直離着陸機(VTOL機)やヘリ、ドラゴン・フライなどの連絡機などを運用する事が可能である。
劇中では「機動戦士ガンダム」第23話のオデッサ作戦において数隻投入され、「第29話」のジャブロー攻防戦でも戦線に参加した。
「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」では極東方面で艦首の連装砲がメガ粒子砲に換装されたタイプが配備され、ジオン軍のモビルアーマー「アプサラスIII」との交戦するも大型メガ粒子砲でブリッジを吹き飛ばされ「イーサン・ライヤー」大佐をはじめとする乗組員が死亡している。
「MS IGLOO 2 重力戦線」の第3話では同じく陸上戦艦である「ヘビィ・フォーク」と陸上戦艦第4打撃部隊を編成し支援攻撃でジオンのトーチカ陣地を壊滅させた。
なお一部作品では海を移動するシーンも確認されている。
ヘビィ・フォーク
出典元:https://w.atwiki.jp/battle-operation/pages/2665.html
登場作品:機動戦士ガンダムMSIGLOO2 重力戦線
所属:地球連邦軍
MS搭載:可能
全高 | 66m |
全長 | 210m |
全幅 | 107m |
推進機関 | 熱核ジェット・エンジン (ホバークラフト方式) |
武装 | 3連装砲、対空砲 |
移動司令基地である「ビッグトレー」に対して砲撃に特化した攻撃型の陸上戦艦。
ビッグトレーと同じく推進には熱核ジェットエンジンを搭載したホバークラフトを用いている。
また、艦尾には艦橋と格納庫ハッチを搭載し、艦首中央と左右には3連装砲を1基づつ装備しているため前方に対する攻撃力が高いのが特徴である。
その他、対空砲も実装されているため上空の敵機に対して弾幕を張る事も可能になっている。
重力戦線第3話「オデッサ!鉄の嵐」の劇中ではオデッサ作戦でジオン軍のエリアやトーチカなどに対し砲撃するも、その際に発生した煙幕によって味方部隊にも損害を与えてしまっている。
ギャロップ
登場作品:機動戦士ガンダム
所属:ジオン公国軍
MS搭載:可能
全高 | 34.3m(アンテナ含む) |
全長 | 48m |
全幅 | 44.7m |
推進機関 | 熱核ジェット・エンジン (ホバークラフト方式) |
最高速度 | 232km/h |
武装 | メガ粒子砲、機関砲、その他 |
一年戦争時にジオン公国軍によって運用されていた大型陸戦艇。
ホバークラフトと左右に搭載された熱核ジェットエンジンによって巨体ながらも高速に移動する事が可能となっている。
メインエンジンは4基存在、劇中ではガンダムによって破壊され双発になってしまったものの機首には制動用の噴射口と機体後部に補助用のエンジンが4基搭載されているため動力には支障はなかった。
艦体の前方にモビルスーツ用の格納庫があり整備が可能。非戦闘時には航行ブリッジに管制されるが、戦闘時には脱出艇を兼ねる左右の戦闘ブリッジに移動し指揮を執る。また、甲板上部にはアンテナと監視塔があり索敵を行う事が出来る。
戦闘力に関しては火力・装甲面で高いとは言えず、艦体前部の機関砲と後部の主砲を搭載するが、主砲に関しては構造的に正面への発射が不可能になっている。
ちなみに艦体後部は物資運搬用のキャンピングトレーラーである「カーゴ」を連結・牽引する事が可能である。
戦闘時には被弾時の引火・誘爆を想定し切り離して安全な場所に退避させられる事が多い。
ダブデ
登場作品:機動戦士ガンダム、機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線
所属:ジオン公国軍
MS搭載:不可能
全高 | 44m |
全長 | 109m |
全幅 | 93m |
武装 | 2連装大型砲、2連装機関砲 |
一年戦争時のジオン軍の陸戦用艦艇で前線の移動基地として開発された。
2基のキャタピラーと高速エンジンの搭載によって地上でも高速に移動する事が可能になっている。
ブリッジが上部前方に張り出しており、ミノフスキー粒子散布下においても視界を保ちながら作戦を遂行出来る設計となっている。
また艦橋後部には飛行甲板があり回転翼式の連絡機などの離着陸が行えるが、モビルスーツの運用能力は持たない。
主砲として搭載されている「2連装大型砲」は実弾説とビーム兵器説があり、発射する際には4基のダンパーで車体を固定。
だが「機動戦士ガンダム MS IGLOO2」の劇中ではガンタンク相手に移動しながら砲撃するシーンが存在している。
「機動戦士ガンダム」第25話のオデッサの戦いでは数隻参加、「マ・クベ」の司令乗艦として機能、さらに格納庫に設置されたミサイル発射台から「水爆ミサイル」を発射している。
ザク・タンカー
登場作品:機動戦士ガンダムZZ
所属:旧ジオン公国軍残党勢力
MS搭載:可能
武装 | ビームキャノン |
旧ジオン軍の残党勢力「青の部隊」を始めとするアフリカ解放戦線部隊が運用する局地用輸送戦車。
同部隊が拠点を置いている砂漠にて運用されており、キャリア部にモビルスーツを搭載する事が可能。
搭載兵器はコクピットの横に設置されたメガ粒子砲で戦艦クラスの破壊力を持っている。また搭載MSが武装としての役割を担う事もある。
「ザク・タンカー」という名称は艦体前部のコクピットの形状が「ザク」の頭部に似ている事から名付けられたとされている。
アドラステア級戦艦
登場作品:機動戦士Vガンダム
所属:ザンスカール帝国
MS搭載:可能
全長 | 426m |
武装 | 大型2連装メガ粒子砲 3連装メガ粒子砲 2連装メガ粒子砲 対空ビーム砲 対艦ミサイルランチャー |
巨大なタイヤが搭載された陸上走行が可能な戦艦。
陸上戦艦ではあるが地上だけではなく宇宙での運用を視野に開発されている万能タイプである。巨大なタイヤが4基搭載され、地上走行時には左右のタイヤが合体しバイクを彷彿とさせる形態になる。
他の戦艦とは違いモビルスーツを射出するカタパルトはなく、船体下部の中央に設置されたハッチから発進する仕様となっている。
タイヤ部分は耐久性が高く、リガミリティアと共に作戦行動を取っていた連邦軍のMS「ジャベリン」のショットランサーの直撃を受けるも無傷であった。
劇中では同じくタイヤを搭載している巡洋艦「リシテア」と共にモトラッド艦隊を編成し地球へ降下、巨体と重量を活かし全てを踏み潰す「地球浄化作戦」を実行している。
またエンジェルハイロゥ攻防戦でも戦線に参加したが「V2ガンダム」の光の翼によってブリッジを真っ二つにされ、残るアドラステアも「リーンホースJr.」ビームラムを使った特攻で撃沈されている。
リシテア級巡洋艦
登場作品:機動戦士Vガンダム
所属:ザンスカール帝国
MS搭載:可能
全長 | 227m |
武装 | 大型2連装メガ粒子砲、連装メガ粒子砲、6連装ミサイルランチャー |
アドラステアと共に地球浄化作戦を遂行するために開発された巡洋艦クラスのバイク戦艦。
モビルスーツ発進用のカタパルトは非搭載となっており、アドラステア同様にハッチから直接発進する構造になっている。また宇宙航行や大気圏内飛行時にはタイヤ部分を開いて飛行形態になる事も共通している。
戦艦クラスであるアドラステアに比べると火力では劣っているが、機動力には優れていた。
歴代ガンダムの陸上戦艦・陸戦艇の感想
宇宙世紀ガンダムシリーズで登場した陸上戦艦・陸戦艇を紹介しました。
陸上戦艦といえば一年戦争時には連邦・ジオン共に地上軍の主力を張るぐらいの活躍をしていたのですが、後のガンダム作品ではあまり見かける事は無くなってしまいました。
陸上戦艦といえば第08MS小隊の最後でビッグ・トレーがアプサラスIIIと戦ったシーンが印象的です。
主砲を撃つもアプサラスには命中せずに、逆に大型メガ粒子砲によってブリッジごと吹き飛んでしまいましたが、最後は「総員退避ー!!」とアナウンスされている中で「イーサン・ライヤー」が「間に合うものか・・・」とセリフを残して散っていったシーンが記憶にあります。
一年戦争終了後はモビルスーツをはじめとする機動兵器の推進エンジンの技術が進歩した事や装甲素材の軽量化による燃費の向上によって滞空時間が伸びた事、これに加えてドダイやベースジャバーなどのサブフライトシステム(SFS)の活用で長時間の空中戦が可能になった事で従来の様な陸上戦が少なくなった点が挙げられると思います。
後年になりモビルスーツやオプション兵器の開発技術が上がった事で大気圏内の戦いの舞台は陸上戦から空中戦がメインになったという事ですね。
「機動戦士Vガンダム」のバイク戦艦に関してはザンスカール帝国の「地上浄化作戦」で巨体と重量を生かしてあらゆるものを踏み潰すという明確な目標がある中で開発されていますし、空中戦や宇宙戦も視野に入れて設計されているので、一年戦争の頃の陸上戦艦・陸戦艇とは根本的にコンセプトが違うという事になります。