宇宙世紀ガンダムシリーズで登場する「バリア」を紹介したいと思います。
ガンダムにおいてバリアとは防御兵装の一つであり、シールドとは違い非実体型の防御壁としてビームや実弾などから機体を保護する役割を持っています。また多くの場合、一部を覆うのではなく機体全体を防御出来るのもシールドとの違いでもあります。
今回は歴代ガンダムで登場したバリアの種類・特徴、劇中でのエピソードなどを紹介、また一部の特殊なバリアも併せて紹介したいと思います。
歴代ガンダムで登場するバリアまとめ
歴代ガンダムで登場したバリアの種類や特徴、エピソードもあわせて紹介したいと思います。
耐ビームコーティング
搭載機:
ガンダムNT-1(シールド)、百式、キュベレイ、フルアーマZZガンダム
モビルスーツやモビルアーマ、シールドなどの表面に施された耐ビーム兵器防御用のコーティング。
対ビーム効果を発揮する塗装を何重にも重ね塗りをしたもので数秒間であればビームの直撃にも耐えられる。
なお、ビームと接触後3秒間経つと溶けると言われており、ビームバリアとしては簡易版Iフィールドと言ったところである。
ガンダムNT-1
チョバムアーマーの構造を流用したシールドに耐ビームコーティングが施されている。なお劇中では未登場となっている。
百式
対ビーム処置を施されており、本機の金色の装甲は「エマルジョン塗装」という合成樹脂で塗装されたもの。劇中ではビームを弾く様なシーンはみられない。
フルアーマZZガンダム
劇中ではアストナージがグレミー軍との戦闘を前にして「フルアーマZZガンダム」にビームコーティングの処置を施した。
クィンマンサ戦では敵の拡散メガ粒子砲に耐えながら突進、プルツーの救出に成功している。ただ、一部のプラモデルの資料には「Iフィールド」を搭載しているという情報も存在する。
Iフィールド
搭載機:
ビグザム、ノイエジール、ガンダム試作3号機デンドロビウム、νガンダム、ユニコーンガンダム、IIネオジオング、ラフレシア、V2アサルトガンダム、V2アサルトバスターガンダム
「Iフィールド・ジェネレーター」によって機体周囲に発生させるビーム専用バリア。敵機が放ったメガ粒子砲を逸らす事でビームから機体を保護する役割を持つ。
「Iフィールド」とはミノフスキー粒子が規則的に整列した状態の事を言いビーム兵器にも利用されている。そういったビーム兵器の原理を逆に利用し異なるIフィールドの間に作用する斥力(お互いにしりぞけ合う様に働く力)でビームから防御する。
膨大なエネルギーを必要とする事から出力に余裕のある機種に搭載されている事が多い。
モビルスーツ、モビルアーマー共に幅広い機種で搭載されており、劇中では最も登場機会の多い「バリア」のひとつとなっている。
ビグザム
機動兵器で初めて「Iフィールドジェネレーター」を搭載した機体。
劇中では宇宙要塞ソロモンにおいて出撃し、機体周囲に展開されたIフィールドで「ジム」のビームスプレーガンを弾くなど圧倒的な力を見せていたが、後にゼロレンジからの攻撃であればダメージを受けてしまうという弱点を見抜かれアムロ・レイの「ガンダム」によって撃墜される。
ガンダム試作3号機デンドロビウム
オーキスの左側面に装備されている。開発にはジオン公国の技術が流用されているが内蔵が可能なほど小型化されていないため外付けする形となった。
劇中ではデラーズフリートの「ノイエジール」のビームを弾き戦闘を優位に進めていたが、相手のクローアームでIフィールド発生器が破壊された事により一転して苦戦を強いられる事になった。
νガンダム
複数のフィンファンネルから展開される防御フィールド。
フィンファンネルの開放型メガ粒子加速帯を利用しており、最低4基展開する事で四面体のバリアが形成され全方位から自機を防御する事が可能になっている。
劇中では「αアジール」のファンネルから放たれたビームを弾くシーンが存在する。ちなみに敵機のファンネルがバリア内に侵入しようとするとサイコウェーブが逆流し敵パイロットの意識に干渉する。
ビームバリアー (ミノフスキーバリアー)
搭載機:
Ξガンダム、ガイア・ギアα
Ξガンダムの機体各部に搭載されたバリア。ビームだけでなく実体弾や大気圏突入時の熱から機体を防御する事が可能。
大気圏内の高速飛行の際には進行方向にバリアを展開する事で機体全体が発光する様な状態になる。この際、空気による干渉を軽減させマッハ2に迫る速度で飛行する事が可能となっている。
本機にはこれ以外にも「サンド・バレル」という防御兵装はあるものの50パーセントの防御効果しか見込めないため、「ビームバリアー」ほどの信頼性はない。
なお、宇宙世紀0105年にはモビルスーツ以外にも戦艦や各施設にもバリアーが設置されている。
ガイア・ギアα
出典元:twitter.com/gundam_ace1
小説「ガイア・ギア」においては「ミノフスキーバリアー」が正式な名称だが、ビームバリアーとも呼ばれている。
ミノフスキー粒子を機体の周囲に放出し、バリアを形成。
Ξガンダムの「ビームバリアー」同様にバリアに接触する事でビームの防御以外にもミサイルなどの実体弾やファンネルを破壊する事が可能。
また大気圏内の飛行時の摩擦を軽減させる事も可能で、マッハを超える際には全身をバリアで覆う。
ラストバトルでは戦闘により発生した電磁波とミノフスキー粒子が衝突し光を発している。
サイコフィールド
サイコフィールドを発生させた機体:
Zガンダム、ZZガンダム、ザクIII改、ゲーマルク、キュベレイ、νガンダム、リ・ガズィ、ユニコーンガンダム、その他
ニュータイプの思念によって発生させた特殊な能力。
バイオセンサーやサイコフレームなどパイロットの脳波を増幅する「サイコミュ装置」を搭載した機種に高いニュータイプ能力を持つパイロットが搭乗した際に発生するケースが多い。
劇中ではニュータイプ能力を持ったパイロットが窮地に追い詰められた状況で発生する場面が目立つ事から”ニュータイプの切り札”的な扱いになっているが、非ニュータイプの「チェーン・アギ」がサイコフレームの試料を所持して「リ・ガズィ」に搭乗した際にも発生している事から、必ずしもニュータイプだけの特権とは言い難い部分もある。
機体周辺に形成されたサイコフィールドはビーム以外にも敵機のあらゆる攻撃を無効化してしまう。
ちなみにサイコフィールドの発生による「バリア」は一つの現象に過ぎず、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」では地球に落下しようとする小惑星アクシズをνガンダムから発生したサイコフィールドで押し返すという様な現象も起こっている。
また「機動戦士Zガンダム」ではZガンダムのビームサーベルが巨大化して敵機を切り裂くなど機体の出力を上げてしまうというチートぶりも発揮した。
Zガンダム
物語終盤、目の前で次々と死んでいく仲間に対する悲しみ、ヤザンの残虐ぶりに怒りを露わにしたカミーユが覚醒。赤いサイコフィールドがZガンダムを包みこんだ。
ヤザンが搭乗するハンブラビは逃げながらビームを放つも無効化、出力が大幅に増大したビームサーベルで敵機を真っ二つに切り裂いた。
キュベレイ
ジュドーとの最終決戦でZZガンダムが撃った大出力のハイメガキャノンを受け止めた際に発生。
キュベレイの機体周囲だけでなく、パイロットのハマーン・カーン自身も赤いオーラを纏っていた。ハイメガキャノンの威力は凄まじかったが、キュベレイは機体の一部が損傷しただけで済んでいる。
ザクIII改
ドーベンウルフ隊の罠に掛かり身動きできなくなったザクIII改だったが、5機相手に鬼神の如き戦いで善戦。
相手の放ったビームキャノンを全て跳ね返した後、マシュマー・セロは「ハマーン様、万歳!!」と言い残し敵機を1機巻き添えにして爆発の中に消えていった。
ユニコーンガンダム
ミネバ・ザビが演説中のメガラニカに放たれたコロニーレーザーを防ぐべく、バナージ・リンクスの強い想いによりユニコーンガンダムのサイコフレームが結晶化。
ユニコーンとバンシィの2機のサイコフィールドによってコロニーレーザーからメガラニカを守っている。
歴代ガンダムに登場するバリアの感想
宇宙世紀ガンダムシリーズで登場するバリアを紹介しました。
ビームコーティングに関しては機体にコーティングしているだけなのでゲームなどに登場するビームコーティングみたいにビームを綺麗に弾く事が出来るのかは疑問な所があります。
ガンダムで目にする機会が多いバリアといえば「Iフィールド」と「サイコフィールド」だと思いますが、特にνガンダムのフィンファンネルから形成される四面体のバリアがカッコいいと思いました。
機体に搭載された発生器からバリアが展開されるのではなく、ファンネルから遠隔でバリアを展開するのが面白いですが、映像作品ではνガンダムのみの離れ業となっているので貴重なシーンだと思います。
メガ粒子を展開させるという意味では「ビームシールド」もIフィールドに近い防御兵装のなのかも知れません。
サイコフィールドに関しては今回紹介した以外にも「αアジール」のメガ粒子砲を弾いた「リ・ガズィ」や、量産型キュベレイのファンネルを防御した「ゲーマルク」などのエピソードも存在します。
ちなみにサイコフィールドのみが唯一、バリア発生器がなくパイロットの意思に反応して展開するランダム要素の強い現象となっています。
主に終盤の展開で見る機会が多くバリア以外にもビームサーベルやハイメガキャノンなどの出力増大、巨大な惑星を押し戻すなどの攻守共にチートっぷりを発揮しています。