ドラゴンクエスト ダイの大冒険「アバンのしるし・ミナカトール編」をまとめてみました。
前々回の「ダイとバランの共闘・黒の核晶編」で物語も佳境に入り、前回の「バーンパレス・大魔王バーン死闘編」でついに大魔王と初対戦。
しかし結果はダイ達の惨敗。今回はバーンパレスの結界を破るための「最強の破邪呪文」と「アバンのしるし」を巡る試練がダイやポップ達に訪れます。
アバンのしるし・ミナカトール編 各話リスト
第60話「ダイとポップ」
第61話「勇者アバン」
第62話「破邪の洞窟」
第63話「聖なる継承」
第64話「決戦前夜」
第65話「暗黒のヒュンケル」
第66話「五色の光」
第67話「大破邪呪文の危機」
ダイとポップ
一縷の望み
魔王軍に捕まり処刑の時を待つヒュンケルとクロコダイン。そこにミストバーンが現れた。
「お前達ほどの戦士を失うのは惜しい、特にヒュンケル」
そう言ったミストバーンは暗黒闘気を差し出しこう言った。
「暗黒闘気を受け入れ私の配下に入れ」
だがヒュンケルは否定しなかった。
彼のの脳裏にはかつて見せたエイミの悲痛な叫びが蘇ったのだ。
ヒュンケル「クロコダインよ、もし俺を友と思うのなら何が起こっても信じてくれ」
自分自身の戦い
傷ついた体を癒し、深い眠りから覚めたダイ。
廊下を歩いているとみんなが作戦会議をしていた。
「まだみんなが俺を戦わせようとしている・・・。」
大魔王の圧倒的な力の前に何も出来なかったトラウマを引きずっていたダイは森の砦を飛び出し遠くに逃げ出してしまった。
ダイが居ない事に気付いたレオナ達はみんなと共に捜索する。
ルーラで辿り着いた場所・・・ここはテラン王国、ダイとバランが初めて会った場所だった。
ダイ「どうしたら・・・どうしたらいいんだ・・・」
ポップ「とりあえずゆっくり泣いててもいいぜ」
ダイ「ポップ・・・」
ポップ「付き合ってやるよ。月夜の散歩もたまにはいいもんだ」
ダイとデルムリン島から一緒に冒険していたポップ。ルーラでダイには行けてポップに行けない場所はない。
ダイを責める事は出来なかった。ダイは良くやった・・・そう言葉を投げかけるポップだが、ダイは自分が許せなかった。
ダイが居なくてももう一度大魔王と戦うというポップ。
今までは強い敵と戦うのが怖かった、でもダイ達と出会った事で変わった。あのポップが再度大魔王に立ち向かおうとしている・・・。
アバン先生の仇、家族の平和、今はそれだけではない・・・自分自身のためにポップは戦おうとしていた。
ポップ「自分の事は自分で決めな、俺は戦う」
ダイ「ポップ・・・」
ポップ「そして俺は信じている・・・お前が本物の勇者かどうかなんて関係ねえ!!お前がダイだから信じているんだ!!!!」
ポップ「勇者がなんだ!!!竜騎士がどうした!!!!俺にとってダイはダイだ!!!!」
そう言って去っていくポップ。親友の熱いメッセージがダイの心にも届いた。
ダイ「ちょっと頭を冷やして来たんだ、心配させちゃったみたいでごめん」
このまま世界を踏み躙ろうとするバーンを放っておく事は出来ない。
誰にも負けないのはその気持ちだけ。そんな俺でも良かったらついて来て欲しい。
そう抱負を語るダイにみんなの士気が高まった。
15年前の思い出
アバンとフローラ
女王フローラもアバンの印を持っていた。だがレオナこそ5人目のアバンの使徒に相応しいと思っていたフローラは彼女にこの印を譲る。
そしてレオナは決意する、どんな試練でも立ち向かうと。
ミナカトールは最強の破邪呪文。バーンパレスの結界を消すため彼女達には新たな挑戦が待ち受けていた。
伝説の勇者アバンがまだカール騎士団の一員だった頃の話。
圧倒的な魔王ハドラーのモンスター軍団を前に人々は為す術もなく人々は恐怖に震えていた。
そんな魔王軍の侵略に対し敢然と立ち向かう王国があった。
そして病床の国王に代わってカール王国を率いているのは王女フローラだった。
王女フローラのボディガードをすっぽかしてお料理教室をしていた事に怒りをぶつける騎士団長のロカ。
ロカはマァムの父親、だがこの頃は全く結婚する気配見られない。
アバンも自分の強さ表にだす事はなかったためロカとしても何でこんなのが騎士団に入ったのか?と疑問に思っていた。
カール王国に攻め入ったハドラー。この絶対絶命のピンチにあの男が動き出す。
アバン「トドメだ!!メラゾーマ!!!!」
ハドラー「中々やるが・・・所詮は人間の力!!魔王の呪文に比べればまだまだ幼稚!!!」
アバン「イオナズンまで使えるのか!!?」
今避けたらフローラ達に当たる・・・アバンが盾になろうとしたその時だった。
ロカがハドラーの片腕を切り落とした。これで極大呪文が使えなくなったハドラー。
アバンストラッシュでハドラーにトドメを刺すアバン。ハドラーは去ったものの命は尽きていなかった。
この時のアバンストラッシュはまだ未完成、この戦いを経てアバンは今の力ではハドラーに勝つのは難しいと実感する。
アバン旅立ちの日、フローラからは「カールのお守り」、アバンからは「アバンのしるし」を互いに交換し合った二人。
ロカと共に旅立ったアバンはその後、アバン流刀殺法を完成させ魔王ハドラーを討つのであった。
(フローラの回想シーン終わり)
それぞれの光
アバンのしるしと最強の破邪呪文
レオナに破邪の洞窟に行かせたくないダイ。危険な目に合わせたくなかった。
「女の子だって自分の信じるもののためなら命を賭けて戦う」とエイミ。
レオナがアバンの使徒になるという事はあの恐ろしい大魔王バーンに向かっていかなければいけないという事。
「ごめんねダイ君。でも少しでもみんな共にありたいと思う姫様の気持ちも分かってあげて」
マァム「そんな事言ったら、大魔王と戦っている女の子はもういるんですけど?ダ・イ」
ポップ「ひひひ、おめえは計算外だとよ」
ポップがこの後どうなったかはご想像にお任せします。
「アバンのしるし」に使われている輝聖石には人間の心の力を感知して増幅する力があるという。
マァムが心配している人を想うと「アバンのしるし」が輝いた。マァムの持つ「慈愛」の心に輝聖石が反応したのだ。
この様子を扉越しに見ていたポップも同じく「アバンのしるし」が光るか試してみたが・・・全く光らない・・・。
この後、彼は「アバンのしるし」を巡って大きな壁にぶち当たるのであった。
何度やっても光らない「アバンのしるし」。
ポップは思ったマァムやヒュンケルとは違い、ダイと自分はアバン先生の修行の途中で印を授かったから・・・アバンの使徒を名乗る資格がないのでは・・・と。
破邪の洞窟に潜入したレオナ達。階が深くなるほど敵が強くなるのがこの洞窟の特徴。
早速スライムが現れるがフローラがチェーンクロスで一層する。
ダイの「アバンのしるし」事が気になるポップ、だが修行の最中で印が光る事に気づく。
ダイのは光るのになぜ自分だけ・・・。
ポップは徐々に焦りを見せ始めた。
メルル「この階・・・あまり長くいると危険な気がするんです・・・」
メルルの予知通りに突然足場が崩れ出し下の階へと落ちる4人。
ノヴァと修行をするダイは新たな必殺技を閃く。
その技とはアバンストラッシュのAタイプ「アロー」とBタイプ「ブレイク」を組み合わせたアバンストラッシュ「クロス」。
軽く放ったとはいえ、オーラーブレードを全開にしたノヴァの剣をへし折った。
遂にミナカトールのある25階に辿り着いた4人。だが強力なモンスターが登場。
マァムやフローラがモンスターを退治。その間にレオナは儀式を行う事になった。
それにしてもギガンテスやシルバーデビルなど強力なモンスターを一撃で倒すマァムが凄すぎます。
「ミナカトールを求める者よ、汝の魂を示せ」
破邪の力を必要とする大義を求められたレオナ
レオナ「信じているからよ、今まで生まれ育った大地を国をそして、そこに生きる全ての人々を!!!!」
レオナ「悪を倒すためではなく、私達の受け継いできたものが決して間違っていない事を証明するために力が欲しい!!!!」
「アバンのしるし」が光る・・・「正義」の心はレオナにあった。
辺りが白い光が包み込まれる。
レオナ「ミナカトール!!!!」
破邪の洞窟にある邪気を呪文で打ち消し4人は脱出する。
一方、ポップは未だに「アバンのしるし」を光らせるために必死に足掻いていた。
ポップ「同じ仮免扱いとはいえダイの親父は竜騎士、レオナはパプニカの王女、マァムの両親はアバン先生とパーティを組んでいた戦士と僧侶、ヒュンケルはガキの頃から善悪の指導を受けた戦闘のプロ・・・、俺だけが!!俺だけが皆んなと違う!!!!違うんだ!!!!!」
ダイだけでなく、ポップもこれまでにない壁にぶち当たっていた。
どうしようもなくなったポップは師匠のマトリフの元へ駆けつけた。相談した所で何も解決しない事はポップにも分かっていた。
だがマトリフは嬉しかった。ポップの悩みは見当が付かなかったが、その次元まで辿り着いたのかと。
マトリフ「これは俺からの最後のアドバイスだ、自分を信じろ」
弱っちい武器屋の息子だからこそアバンに憧れてここまで頑張ってこれた。お前は強い、俺の自慢の弟子。ポップにそう言葉をかけたマトリフ。
破邪の洞窟からレオナ達が戻り決起集会を行なわれていた。
結構楽勝というレオナにマァムとメルルはタジタジ。
だがポップはその輪の中に加われないでいた。
ポップ「そうさ・・・王家の姫様だって努力してたんだ。俺なんかその十倍くらいやって見せなきゃ!!」
気を落としていたポップだが、マトリフとの会話やレオナ達を見て元気が復活した様子。
エイミの気持ち、マァムの気持ち
森の砦にロンベルク達がやってきた。
どうやらダイの剣が修復できた模様。しかも鞘には魔法剣の威力を高めるための仕掛けが組み込まれていた。
ダイの剣やヒュンケルの鎧の魔槍だけではない、ポップやマァム、クロコダインの新武器まで用意されていた。
マァムがヒュンケルの武器を手にしようとした時だった。突然ヒュンケルの武器は自分が届けたいと言い出すエイミ。
そして彼女はヒュンケルに対する想いを語り出す・・・。
エイミがヒュンケルの事を好きだった事を初めて知るマァム。
エイミの想いの強さに動揺を隠せなかった。
これにはマァムも今までにない複雑な心境だったが、ポップの武器を手にするなりその場を足速に去って行った。
気が強いけど奥ゆかしい所があるマァム、意外とストレートに愛情表現するエイミの対照的な姿が垣間見れるシーンです。
ダイ「レオナどうしよ・・・」
レオナ「急展開ね、燃えるわ!!」
この言葉でずっこけるダイ。
レオナ「大体マァムは自分の魅力に対する自覚が無さすぎたのよね」
レオナ「人間的に成長するいい機会だ思うわ」
ダイ「目つきとセリフが全然合ってないよ・・・」
このシーンは原作でもかなり印象に残っているシーンです。
森の中を駆けるマァム。
マァム「知らなかった・・・エイミさんがヒュンケルの事を・・・」
マァム「じゃあ、私は・・・私の気持ちはどうなるの・・・」
「アバンのしるし」をなんとか光らせたい・・・という想いで瞑想するポップ。だがあの人にだけはこの事を知られたくなかった。自分の弱い所を見せたくなかった。
そこに武器を届けに来てくれたマァムが現れる。
マァム「ポップ・・・ちょっと相談があるの・・・いいかしら?」
ポップ「なんだよ?」
マァム「ヒュンケルの事なんだけど・・・」
ヒュンケルの事を男性として好きなのかわからない、今まで男の人の事をそんな風に見た事がなかった。
でもエイミがヒュンケルの事を好きと知って凄くドキドキしている・・・これは嫉妬なのか・・・それとも戸惑っているだけなのか・・・と打ち明けるマァム。
ポップ「てめえに分からない事が俺に分かる訳ねえだろ!!このバカ!!!!」
ポップ「てめえがヒュンケルの事を好きだろうが何だろうが俺には関係ねえ!!!!」
マァムの事が好きなポップ。印が光らない苛立ち・・・そしてマァムのヒュンケルへの気持ち。
ここで色んな感情が爆発してしまう。
マァム「ごめんねポップ・・・戦いを明日に控えて必死に特訓していたあなたの気持ちも忘れて・・・私あなたにしかこんな話が出来ない気がしたから・・・」
マァム「ごめんなさい!!」
そういって走り去るマァム。
ポップ「バカは俺だ・・・あいつは俺を信じて相談しに来たのに、あんな最低な事を言っちまって・・・」
ポップ「こんな小さな心の持ち主だから小さ石ひとつ光らせれねえんだよ・・・ちくしょう・・・ちくしょう!!!!!」
決戦前夜
敵か味方か区別が付かないのでチウは獣王遊撃隊の隊員に番号付きのバッジを配布。
だがおかしい・・・10匹のハズのが11匹。
なんとブロキーナ老師ことビーストくんが紛れ込んでいた。
チウ「わざわざ変装しなくても・・・」
ビーストくん「人知れず弟子を助ける所がかっこいいんだもん」
そして皆んなと同じバッジを欲しがるビーストくんであった。
メルルから「夢見の実」貰ったダイ。ダイは夢の中で初めて亡き母の姿を見た。
ダイ「母さん悲しまないで、俺自分で決めたんだ。この戦いに全てを賭けるって」
ダイ「絶対に負けないよ」
決戦への覚悟を決めるダイ達。
ヒュンケルとクロコダインを救出してミナカトールでバーンパレスの結界を解く・・・。
次にトライすればいいという考えでは絶対に負けるという事を念に置いた。
覚醒するポップ
暗黒のヒュンケル
ミストバーンが差し出した暗黒闘気を飲み干したヒュンケル。まるで別人の様に変貌してしまった。
ヒュンケルにクロコダインの処刑をさせるミストバーン。ヒュンケルの光の闘気が暗黒闘気に飲み込まれようとしていた。
姿こそ変わってもヒュンケルは光の闘気で暗黒闘気に打ち勝とうとしていた。
暗黒闘気を完全に抑え込んだヒュンケル。
ヒュンケル「いい気分で目覚めたよ、ミストバーン」
ヒュンケル「今ならお前の首でも簡単に落とせそうな気がする。まるで・・・花を摘むようにな」
ミストバーンの強力な暗黒闘気を抑え込んだ事でヒュンケルの暗黒闘気がさらにパワーアップした。
突如、地下から飛び出したダイ達。
マァムは信じていた、暗黒闘気に飲み込まれていくヒュンケルを身を案じるも、彼なら必ず乗り越えてくれると。
ヒュンケルの「アバンのしるし」が光った。彼の心の光は「闘志」。
ポップ「最低な奴だ・・・俺って今一瞬ヒュンケルの石が光らない事を期待してしまった・・・」
未だに一度も印が光らないポップには心の余裕がなくなっていた。
因縁の二人
ロン・ベルクとミストバーンの一騎打ちの戦い。
100年近く前、ロン・ベルクは大魔王の最強の武器「光魔の杖」を作り献上していた。大魔王は知っていた、ロン・ベルクは魔界随一の名工だけでなく剣の達人であることも。
だが、バーンの引き留めも虚しくロン・ベルクは大魔宮を離れる事を決意。自身が納得する最高傑作を探究したかったのだ。
主人であるバーンの顔に泥を塗った事を許せなかったミストバーンはロン・ベルクを強襲。
だが、ロン・ベルクは最初の一撃だけは避けなかった。バーンに恥をかかせた事を自覚していたからだ。
ロン・ベルク「だが、これ以上を望むなら俺も黙ってはいない!!」
(ミストバーンの回想終わり)
ポップの勇気
ロン・ベルクが修復した鎧の魔槍を届けに来たエイミ。
ヒュンケル「一度俺から奪った武器を君から渡してくれるのか?」
エイミ「あなたが死ぬよりいいわ。どうせ無くても戦うのでしょう?」
「喜んで死にに行く様な真似はやめて」
エイミの言葉が「もう一度這いつくばってでも生きてみよう」とヒュンケルを変えた。
ミナカトールの説明をするレオナ。
レオナから始まり、ダイ、ヒュンケル、マァム、そして・・・ポップへと思いを繋いでいく・・・。
ポップ「もし・・・もしもだけど・・・ちゃんと5つの光が揃わなかったら・・・どうなっちまうんだ・・・?」
もし5つの光が揃わなかったらレオナのみの魔法力でミナカトールを使う事になり、バーンパレスの結界を解くまでには至らない・・・。
本番を控えてどうしても不安になるポップ。
ダイの「アバンのしるし」が光った。
その後、ヒュンケル、マァムと順番が終わり、いよいよポップの出番がやってきた。
ぶっつけ本番で「アバンのしるし」が光る事に賭けたポップ。
だが、やはり・・・光らない・・・。
ポップ「やっぱり・・・やっぱり・・・だめだった・・・」
ポップ「だめなんだよ・・・姫さん・・・何度どうやっても俺のアバンのしるしは光らねえ・・・」
ポップ「焦って猛特訓して試してみたけど・・・やっぱり光らねえ・・・」
ポップ「アバン先生・・・なんで俺みたいな半端者にこいつをくれちまったんだ・・・」
一度逃げたらもう二度と光らないと言うレオナ。
メルル「(どうしてポップさんには出来ないの・・・?あんなに優しくてあんなに立派な心の持ち主なのに・・・)」
ポップを説得するダイ達。
ポップ「だったら!!これを他の奴に渡してやらせりゃいいじゃないか!!俺は・・・お前達とは違うんだ!!!!」
メルル「(ポップさん・・・)」
ポップ「勇気、闘志、正義、愛、他に何がある!!?俺にしかねえ心の力・・・そんなものあんのかよ!!!」
ポップ「頼むよ姫さん!!俺のせいで皆んなが死んだら耐えられねえ・・・」
ヒュンケル「雑念を捨てろポップ。俺の様に一度悪に染まった者でさえこの印は光ったんだ。正義のためだけに邁進して来たお前に出来ぬ筈がない」
ダイ「そうだよ、俺に最後の勇気を与えてくれたのはポップじゃないか」
マァム「ポップ、私も信じているわ、あなたにも必ず出来るって!」
マァム「だって私、あなたの心の強さを知っているもの。どんなに窮地に陥っても立ち上がるあなたを私、誰よりも尊敬している!」
ポップ「俺は・・・俺は・・・お前に尊敬なんかされても、全然嬉しくはねえんだよ!!!!!」
マァム「どうして・・・どうして・・・そんな言い方をするの・・・?私は・・・私の素直な気持ちを言っただけなのに・・・!!」
メルル「(それは・・・ポップさんがマァムが好きだから・・・)」
メルル「(なのに・・・マァムさんのポップさんへの気持ちが尊敬だと言われて・・・何か・・・何か私にしてあげられる事はないの・・・)」
メルル「!!!!この邪悪な力はなに・・・どこ!!?どこにいるの!!!?」
破邪の呪文を使うために陣形を組んでいることに気づいたザボエラ・・・。そして一人だけ印が光っていない事にも気づいたザボエラはポップを抹殺しようとする。
ザボエラ「我が魔法力を吸ったこの毒牙の鎖は光弾となって敵を貫く。急所を外してもひと擦りで死に至るほどの猛毒が回るのじゃ」
邪悪な力の塊・・・ザボエラの位置に気づくメルル。
魔法円を離れるポップ。
ポップ「俺はな・・・これ以上、俺のせいで皆んなが傷つくのを見ていられねえんだよ!!」
ポップ「軽蔑するなら勝手にしてくれ!!!!!」
ザボエラ「今じゃーーーー!!!!!」
ザボエラが放った光弾がポップを襲う。
その瞬間、ポップを庇って光弾受けるメルル・・・。
ポップ「メ・・・メルル!!!!」
ポップ「誰か!!?ホイミを!!!」
マァム「私がやるわ!!」
メルル「私なんかのために・・・せっかくの魔法円を無駄にしないで・・・必ず・・・ポップさんが5つめの星になりますから・・・」
ポップ「メルル・・・なぜだ・・・なぜなんだよ、どうしてこんな無茶をしたんだ・・・!!」
メルル「ポップさんが・・・苦しんでいたから・・・何か力になれたらって・・・その時・・・この武器がポップさんを狙って・・・私しか気づいていなかった・・・」
ポップ「だからって・・・俺の代わりにくらうことはねえだろうが・・・!!こんな最低の奴のために・・・どうしてあんたが死ななきゃなんねえんだよ!!!!」
レオナ「バカ!!この鈍感!!メルルはね、誰よりも君のことを信じているの!!」
レオナ「彼女はね・・・君が好きなのよ!!!!」
メルル「ひどい・・・姫様・・・いつか・・・自分で言うつもりだったのに・・・」
レオナ「メルル・・・」
メルル「うそ・・・うそです・・・きっと一生言えなかった・・・私、勇気がないから・・・」
メルル「ポップさんずっと好きでした・・・初めて会った時からずっと・・・いつもお調子者みたいに振る舞っているけど本当は心の強い人・・・」
メルル「どんなに苦しくても、怖くても・・・最後の最後に必ず乗り越えてしまう・・・引っ込み思案の私にとってポップさんはずっと憧れの人でした・・・」
メルル「ポップさんのそばにいたくてついて来たのに結局自分の気持ちを伝えられなかった・・・言えば今の関係さえも壊れてしまいそうで・・・それが怖くて・・・そんな弱い自分が嫌いでした・・・」
メルル「でも褒めて下さい・・・私、初めてポップさんの役に立てたんです・・・」
ポップ「メルル・・・!!」
メルル「ポップさん・・・私の最期のお願いを聞いて・・・答えの分かっている・・・意地悪なお願い・・・」
メルル「あなたの・・・好きな人の名前を言って・・・。知っています・・・その人は誰か、私でない事も・・・でも・・・あなたの口から聞きたいんです・・・そして・・・私を諦めさせて・・・」
メルル「そうすれば今度生まれ変わった時に・・・ポップさんみたいな勇気のある人になれるかもしれない・・・」
ポップ「ごめんよ・・・メルル・・・俺は・・・俺は・・・」
ポップ「マァムが好きなんだよ!!!!!!!!」
突然の告白に衝撃が走るマァム。
ポップ「アバンのしるしが・・・光った!!!!」
ポップ「どうして・・・どうして印が・・・!!?」
ポップ「まさか・・・!!そうか・・・俺の力は勇気だったんだ!!」
レオナ「ダイ君じゃなかったんだわ・・・勇気の魂の力を持っていたのはポップ君・・・!!」
ポップ「俺もメルルと同じだった・・・マァムやみんなの仲間はずれになるのが怖くて・・・」
ポップ「メルル見てくれ・・・俺の印も・・・」
既に意識がなくなっていたメルル・・・。
ポップ「だめだ・・・メルル・・・!!目を開けてくれ!!!死んじゃ・・・」
ポップ「こんな俺なんかのために・・・!!!!死なないでくれーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」
ポップの魔法力で毒牙の鎖が消滅。
エイミ「魔法使いのポップくんが回復エネルギーを使っているわ・・・!!」
エイミ「まるで・・・まるで・・・賢者だわ!!!!」
ダイの大冒険の中でも超が付くほど印象的で有名なシーンです。
マトリフが以前言っていた「この壁を乗り越えた時・・・お前は俺の手の届かないところに行っちまうんだろうな・・・」というセリフがありましたが、この時のためのフラグだったのだと思わされます。今回の出来事でポップは色んな意味で成長しました。
ダイの大冒険の中でも最もカッコいい生き方をしているキャラクターではないでしょうか?
アバンのしるし・ミナカトール編の感想
前々回、前回と続いて今回の物語もかなり面白かったです。ダイとポップには心の試練が訪れ、レオナも5人目のアバンの使徒としての試練が待ち受けていました。
ダイ達は大魔王に勝つために試練を乗り越え、力や技だけでなく心も大きく成長した今回。
前回でバランが死の直前で語った「私には力と技はあった。だが心がなかった・・・」のフラグが今回で回収された形になったのではと思います。
見どころと言えば、「アバンのしるし」を光らせるために必死にもがくポップ。ヒュンケルに対する恋心を初めて意識するマァム。それと命をかけてポップを救ったメルルだと思います。
ポップに関しては「アバンのしるし」が光らない理由を生まれや育ちのせいにしたり、大好きなマァムにだけは強く当たったり、ヒュンケルの印が光らない事を一瞬期待したり・・・と人間らしさがこれまで以上に出ていたと思います。
ポップを庇い、勇気を覚醒させたメルルの悲しきヒロインっぷりは見応えがありました。
エイミのヒュンケルに対する想い強さに圧倒されていたとはいえ、マァムの恋愛感情を描くシーンは初めてだったので新鮮でした。今後はポップとマァムの行方にも注目です。
今回はダイ、ポップ、マァム、メルルのこれまでになかった一面が見れました。
次回はいよいよバーンパレスに再潜入、それぞれの信念や想いが巡った戦いが繰り広げられます。