宇宙世紀ガンダムシリーズに登場した輸送機を紹介したいと思います。
物資の補給やモビルスーツ運搬などにより前線で戦う兵士たちに戦力の支援を行う輸送機。
今回はシリーズで登場した各輸送機の特徴や活躍などをまとめてみました。
ガンダムシリーズの輸送機まとめ
宇宙世紀ガンダムシリーズに登場する輸送機を紹介したいと思います。ちなみに今回紹介する輸送機は大気圏内で運用可能な航空機(陸上機)であり、宇宙用の輸送艦などは除外しています。
ミデア
登場作品:「機動戦士ガンダム」「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」「機動戦士ガンダム サンダーボルト」、その他
地球連邦軍が保有する輸送機。初登場はテレビアニメ「機動戦士ガンダム」。一年戦争時には主力輸送機として各地に物資の輸送任務を担っている。
機体本体の下部にある脱着可能な輸送用コンテナを搭載。最大積載重量は160トンにもなり、補給任務において食料などの生活物資のほか、専用コンテナに換装する事でモビルスーツの輸送や空挺降下任務にも対応が可能になっている。
その他、5基のローターエンジンによる垂直離着陸が可能なVTOL機能を搭載する事により滑走路が存在しない場所への補給にも対応できる。
武装に関しては対空機銃のみとなっているため戦闘には適しておらず、輸送任務の際には護衛機が必要になっている。
また、生産時期や配備地区により仕様が異なっており、「機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争」「機動戦士ガンダム 0083 スターダストメモリー」では「ミデア後期型(ミデア改)」と呼ばれ、「機動戦士ガンダムUC(小説版)」ではローターによる垂直離陸機能を持たない「C-85」型が登場している。
「機動戦士ガンダム」の劇中では第9話で「マチルダ・アジャン」率いる補給部隊の主力機として登場し、ホワイトベースへの物資輸送や避難民の受け入れで活躍した。
第24話では黒い三連星のドムと交戦するガンダムを援護するため戦場に割り込むも、オルテガ機にコクピットを潰されマチルダが戦死している。
全高 | 15.9m |
全長 | 45.0m |
全幅 | 67.7m |
全備重量 | 245.0t |
ペイロード | 160.0t |
最高速度 | マッハ0.82 |
ミデア(08小隊バージョン)
ミデア後期型 (0080、0083バージョン)
ガンペリー
登場作品:「機動戦士ガンダム」「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」
地球連邦軍の試作輸送機。V作戦の一環として開発されており、同作戦で開発されたモビルスーツを支援する役割を担う。
ホワイトベース隊での運用データから輸送能力における実用性が評価された事で後に量産化された。関連機種として一年戦争後期に開発され索敵能力が追加された「強襲型ガンペリー」や火星独立ジオン軍の「グランペルリ(陸戦型ガンペリー)」が存在する。
機体本体に搭載された3基のローターで上昇し、4基のジェットエンジンで推進。
パイロット2名とコクピットの兵員室に12名が搭乗、機体下部に設置された貨物区画にはモビルスーツを2機搭載する事が可能になっている。
「機動戦士ガンダム」の劇中では第8話で初登場。その後の大西洋の戦いではミサイルを搭載し戦闘に加わるも、対潜ミサイル発射操作が不能。
「ミハル・ラトキエ」がコンテナへ降り予備発射装置でミサイルを発射するも爆風で機外へ吹き飛ばされ死亡している。
全高 | 12.8m |
全長 | 34.0m |
全幅 | 26.5m |
全備重量 | 185.0t |
ペイロード | 110.0t |
最高速度 | マッハ0.75 |
武装 | 大型ミサイル |
搭乗者 | ハヤト・コバヤシ、ジョブ・ジョン、カイ・シデン、イーグル・ロック 地球連邦軍一般兵 |
強襲型ガンペリー
出典元:gunpla-beginning.com
グランペルリ(陸戦型ガンペリー)
出典元:gunpla-beginning.com
ガンキャリー
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:「MS-X」
地球連邦軍の「FSWS計画」の一環で「ヘビーガンダム」の補助兵装として開発された輸送機。
「ガンダム」と比較すると重量があり機動性が低いヘビーガンダムを作戦地域まで輸送し、推進剤を節約する事により稼働時間を延長する目的で開発されている。
大気圏外でも運用が可能であるため行動範囲が広いのも利点である。
ドーラ
登場作品:「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」
ジオン公国軍の小型輸送機。兵員や物資の運搬を目的としている。
OVA「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」で登場しているが、設定では名称が無く「輸送機」とされていたが、小説版において正式に名前が設定されている。
小型機の「ドップ」「ルッグン」と同様の設計思想を持ち、機体底面に搭載された推進エンジンにより垂直離着陸が可能になっている。
主翼は折り畳む事が可能になっている他、機体中央部にはキャビンとカーゴブロックを内蔵し後部には物資搬入用のハッチが存在。
劇中では第2話で「アイナ・サハリン」が搭乗し兄である「ギニアス・サハリン」がいるジオン公国軍秘密基地に赴いている。
ファット・アンクル
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:「機動戦士ガンダム」「」機動戦士ガンダム 第08MS小隊」
ジオン公国軍の輸送機。機体の左右に搭載された大型のローターエンジンで垂直離着陸し2基のジェットエンジンで推進する。武装は連装機関砲のみで単独戦闘能力は持たない。
機体前方にあるハッチからモビルスーツを積載し、最大3機まで輸送する事が可能。
劇中の第17話ではランバ・ラル隊に「ザクII」を運搬し、第29話では「ズゴック」「ゾック」を1機ずつ搭載し潜水艦「マット・アングラー」の上部に着陸している。
OVA「機動戦士ガンダムUC」では機体左側にスライド式ドアが増設された「ファット・アンクル改」が登場し、「ザクI・スナイパータイプ」の飛行台として運用されている。
全高 | 21.2m |
全長 | 38.0m |
全幅 | 56.8m |
全備重量 | 195.0t |
ペイロード | 140.0t |
最高速度 | マッハ0.7 |
乗員人数 | 2名 |
ファット・アンクル改
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ガウ
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:「機動戦士ガンダム」
ジオン公国軍が開発したシリーズ最大のサイズを持つ大気圏内用の大型輸送機。攻撃能力を持つ事から「攻撃空母」とも呼ばれる。
熱核反応炉を搭載し、熱核ジェットエンジン18基を駆動するも、揚力だけで飛行する事は難しく下方にジェット噴射する事で飛行を支えている。
機動性は極めて低く、ジャブロー攻防戦の際には連邦軍の標的にされた事も。
陸上での長距離移動においてモビルスーツの運用を行うために開発されており、機体の胴体部に3機、ドップ戦闘機を両翼に各4機搭載する事が可能になっている。
また大気圏に突入した「コムサイ」の空中収容を行い、味方基地近辺に送り出す事も可能である。
武装は連装メガ粒子砲などのビーム兵器と、市街地に対する空爆を行うための爆弾を装備する。
「機動戦士ガンダム」の劇中では「ガルマ・ザビ」の旗艦として登場。第10話では「シャア・アズナブル」の謀略によりホワイトベース隊の待ち伏せ場所まで誘導された事により戦闘の末にガルマ機が撃沈している。
第25話のオデッサ作戦でも多数投入され、第30話でのジャブロー攻略戦では夜間爆撃を行なっている。
全高 | 72.4m |
全長 | 62.0m |
全幅 | 159.4m |
全備重量 | 980.0t |
動力源 | 熱核反応炉 |
推進機関 | 熱核ジェット・エンジン |
最高速度 | マッハ0.9 |
武装 | 連装メガ粒子砲、爆弾倉、対空機銃 |
乗員人数 | 34名 |
大型輸送機 (Zガンダム)
登場作品:「機動戦士Zガンダム」
地球連邦軍の後方支援用の輸送機。翼部に4基のエンジンを備えている。
ジャブロー基地に配備されており、ティターンズがジャブローを放棄して核爆発させようとした際に兵士の脱出に使用されている。
脱出しようとする兵士の中にはティターンズの「ジェリド・メサ」中尉も含まれており、輸送機にしがみ付いていた際に先に乗り込んでいた「マウアー・ファラオ」少尉によって救助されるシーンがある。
ガルダ
出典元:gundam.fandom.com
登場作品:「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダムZZ」「ガンダム・センチネル」「機動戦士ガンダムUC」
一年戦争後に地球連邦軍が建造した超大型輸送機で9800トンの最大積載量を持つシリーズ最大の航空機。
全面開放が可能な格納庫、水上離発着機能、宇宙往還機の打ち上げ・管制機能などの機能を持つほか、機首艦橋基部下にサブフライトシステム(SFS)用の小型ハッチと小型格納庫を持つ。
ミノフスキー核融合炉と複数の熱核ジェットエンジンを搭載している事から、大気圏上空をほぼ永続的に飛行する事が可能となっている。
従来のMS運用型の航空機ではモビルスーツを降下させるのみだったのに対し、ガルダ級では可変機やSFSを飛行状態で発進させる事ができるため柔軟な運用が可能になっている。
乗組員 | マーサ・ビスト・カーバイン、アルベルト・ビスト、ミネバ・ラオ・ザビ |
艦載機 | アンクシャ、デルタプラス |
アウドムラ
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダムZZ」
ガルダ級の超大型輸送機で元々は地球連邦軍の所属機。
ジャブロー降下作戦後にエゥーゴが「スードリ」と共に奪取した機体で、後に宇宙に上げるのが難しいMSと共にカラバに譲渡。以降はカラバの空中拠点として運用されている。
「機動戦士Zガンダム」の劇中では序盤から登場しており、「ハヤト・コバヤシ」の指揮のもとでキリマンジャロ攻略戦やダカールでの陽動作戦に参加している。
機体にはシャトル用のブースターが設置されており、劇中では「カミーユ・ビダン」「クワトロ・バジーナ」を宇宙に送り出している。
「機動戦士ガンダムZZ」においてもネオジオン軍によるダブリンへのコロニー落としの際に避難民を受け入れていたものの、「ラカン・ダカラン」の部隊の攻撃を受けブリッジクルーが全滅している。
その後、コントロール不能の中で徐々に降下して行くも、ガンダムチームが機内に乗り移り操縦を行なった事により不時着し避難民は無事生還した。
乗組員 | ハヤト・コバヤシ、カミーユ・ビダン、クワトロ・バジーナ、アムロ・レイ、ベルトーチカ・イルマ、その他クルー |
艦載機 | ジムII、ネモ、リック・ディアス、百式、零式、ガンダムMk-II、Zガンダム、ディジェ、ジムIII、シュツルム・ディアス(小説版)、ド・ダイ改 |
スードリ
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:「機動戦士Zガンダム」
地球連邦軍が保有するガルダ級の超大型輸送機。
ジャブロー基地で「アウドムラ」と共にエゥーゴが奪うも、テレビアニメ版「機動戦士Zガンダム」の劇中ではケネディ空港で連邦軍の「ブラン・ブルターク」少佐に制圧されている。
後にブランの指揮でアウドムラを追撃、ブランが戦死した後は「ベン・ウッダー」大尉が指揮を執るも、最終的にはアウドムラに特攻を行なった際に撃墜されている。
乗組員 | ブラン・ブルターク、ベン・ウッダー、ロザミア・バダム、フォウ・ムラサメ |
艦載機 | ハイザック、アッシマー、アクト・ザク、ギャプラン、ネモ(連邦軍ジムIIカラー)、マリン・ハイザック、サイコガンダム(機外に牽引)、ベースジャバー(サブフライトシステム) |
メロゥド
出典元:www.gundam-c.com
登場作品:「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダムZZ」
地球連邦軍が保有するガルダ級の超大型輸送機。色はグレー。
ティターンズの「ジェリド・メサ」中尉の指揮の下、キリマンジャロ攻略戦後にダカールへ向かう「アウドムラ」を追撃している。
その後、エゥーゴとカラバと交戦するも「アムロ・レイ」が操縦する「ディジェ」の攻撃を受けブリッジが破壊されている。
「機動戦士ガンダムZZ」ではネオジオン軍に接収されており「ラカン・ダカラン」の指揮の下でコロニーの落下が迫るダブリンにおいて避難する市民らを妨害している。
乗組員 | ジェリド・メサ(グリプス戦役)、ラカン・ダカラン(第一次ネオ・ジオン抗争) |
艦載機 | ハイザック、マラサイ、バーザム、アッシマー、バイアラン、ザクIII、ドライセン、ベースジャバー(サブフライトシステム) |
大型輸送機 (Vガンダム)
登場作品:「機動戦士Vガンダム」
地球連邦軍の大型のジェット輸送機。
連邦軍の大尉「ロベルト・ゴメス」が用意、ベスパの目を誤魔化すため外観は宇宙引越公社の機体を模している。
リガ・ミリティアの足として活躍してきた「カミオン」に変わって、「Vガンダム」の合体パーツの運搬をはじめとする新たな輸送手段として当面の間で活躍した。
カミオン隊を乗せて旧ベチエンの飛行場からアーティー・ジブラルタルへ移動しようとするも、離陸する際にベスパの襲撃に遭う。
ガッダール隊とトムリアット部隊に狙われるも「ウッソ・エヴィン」や合流したシュラク隊の活躍もあり事なきを得た。
アーティー・ジブラルタルへ移動中も敵の偵察機に発見されそうになるが、ウッソの陽動により無事目的地に到着している。
ガンダムシリーズに登場する輸送機の感想
宇宙世紀ガンダムシリーズで登場する航空機型の輸送機を紹介しました。
宇宙世紀シリーズに登場する輸送機は全体的にみると数が少ないですが、ジュピトリスの様な宇宙での運用を前提とした輸送艦であれば、その数は全く変わってきます。
また輸送機自体の武装も機関砲ぐらいで単独の戦闘能力が無いため、運用するにあたってはモビルスーツなどの機動兵器の護衛が重要になってくると思いますし、劇中においてもMSによる護衛シーンが多く目立ちます。
個人的には「アウドムラ」が一番印象があります。地球に降下したカミーユやシャア、アムロの活躍と共に躍動した場面や、ネオジオンのコロニー落としで避難民の救助で活躍したイメージが強いです。