ガンダムシリーズで登場する実弾兵器「ジャイアント・バズ」を紹介したいと思います。
ドムの武器としての印象が強いジャイアントバズですが、一年戦争の時代においては最も強力な実弾兵器として様々なモビルスーツで採用されています。
今回はジャイアントバズを装備した機種や活躍シーンなどをまとめてみました。
ジャイアントバズまとめ
ジャイアントバズとは
ジャイアントバズとは「ハニーウォール&ライセオン社」が開発・製造したジオン系のモビルスーツが装備する大型の実弾兵器。
ガンダムのオプション装備である「ハイパーバズーカー」やザクが装備する「ザクバズーカ」と同じくロケット弾を発射する兵器である。
一年戦争においては「ドム」で正式に採用され、後に宇宙用に開発された「リックドム」の装備として登場している。
ジャイアントバズの開発経緯
宇宙世紀0079年3月11日、第2次地球降下作戦を遂行したジオン公国軍は地球連邦軍の拠点「キャリフォルニアベース」を攻略した直後に連邦軍の戦艦用の360ミリ弾頭を多数発見。
生産ラインの復旧に伴い、この弾頭が発射可能な装備として「ジャイアント・バズ(ジャイアント・バズーカ)」が開発された。
ジャイアントバズの性能
発射弾頭はロケット弾で口径360ミリ、装弾数は最大10発。
これまでに開発していたザクバズーカなどの兵器を大型化した兵器だが、一年戦争の時代においてMSが装備する実弾兵器としては最大の威力を持つ兵器となっている。
ガンダムやゲルググが装備する「ビームライフル」には及ばないものの、射撃テストでは巡洋艦クラスの艦艇を一撃で大破させるほどの威力を持っていた。
ジャイアントバズの改良兵器
「ケンプファー」や「リック・ドムII」が装備する「ジャイアントバズII」は従来のものに比べ砲の形状と弾頭が改良されており、対艦攻撃でより有効になっている。
ラケーテン・バズ
「ケンプファー」や「リック・ドムII」が装備していた「ジャイアントバズ」の給弾方式を改良した実弾兵器。
シリーズの劇中では「機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー」に登場している「ドムトローペン」などが装備しており、装弾数は5発と少なくなったものの速射性に優れており、砲身に搭載されたレーザーデバイスにより近距離では誘導が可能になっている。
ジャイアントバズの活躍シーン
ガンダムシリーズのジャイアントバズ(ジャイアントバズーカ)の活躍シーンを紹介したいと思います。
黒い三連星のホワイトベース襲撃
機動戦士ガンダム 第24話「追撃!トリプルド・ム 」より。
オデッサ作戦においてドムに搭乗した黒い3連星がホワイトベースを襲撃。
ホバリングで移動しばがら陽動攻撃を仕掛け、アムロやセイラが乗ったGアーマーにバズーカを直撃させた他、ミデア輸送機を撃墜するなどの活躍を見せた。
ジャイアントバズで撃墜されるミデア。
Gアーマーに弾頭が直撃したシーン。
リック・ドム12機出撃
機動戦士ガンダム 第33話「コンスコン強襲」より。
サイド6から出てきたホワイトベースをコンスコン部隊が待ち伏せで強襲。リックドム12機でホワイトベース隊に襲いかかるもリックドムのジャイアントバズはガンダムに一発も当たらず全滅してしまう。
続く第34話「宿命の出会い」でもリックドムでホワイトベースに再度強襲を仕掛けるが、ニュータイプに覚醒したアムロ・レイの前に攻撃を回避され全滅している。
ジャイアントバズの砲身を投げるリックドム。
ジャイアントバズを装備するグフ
機動戦士ガンダムでグフがジャイアントバズを装備する珍しいシーン。
ジャイアントバズはドムの代名詞の様な武器だがこの様に他のモビルスーツも装備する事も多い。
ジムコマンドと戦うリックドムII
機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 第2話「茶色の瞳に映るもの」より。
サイド6の付近で連邦軍とジオン軍が交戦状態になり「リックドムII」が「ジムコマンドGS」を撃墜するシーンが存在する。
ちなみにこの戦いに乗じてジオン軍の「バーナード・ワイズマン(バーニィー)」が民間船に偽装し強襲用MS「ケンプファー」の部品と共にサイド6に潜入している。
0083では星の屑作戦やガンダム試作3号機デンドロビウムとの戦いでリックドムIIがバズーカを使う場面がある。
ルビコン作戦のケンプファー
機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 第4話「河を渡って木立を抜けて」より。
サイド6に潜伏していたジオン公国軍のサイクロプス隊は連邦軍のニュータイプ用MS「ガンダムNT-1」の奪取作戦「ルビコン作戦」を開始。
コロニー内を駆け抜ける「ケンプファー」だったが、連邦軍はグレイファントムから「スカーレット隊」を出撃させ交戦状態に突入。
劇中ではケンプファーがジャイアントバズを使ってスカーレット隊のMSを撃墜するシーンが存在する。
ジムコマンドをロックオンするミーシャ。
ジムコマンド目掛けてジャイアントバズIIを発射するケンプファー。ちなみにジムは一撃で撃墜された模様。
ジャイアントバズIIの弾頭が連邦軍のテストパイロット「クリスチーナ・マッケンジー(クリス)」が搭乗した直後のガンダムNT-1に命中したシーン。
チョバムアーマーを装備していた事もありダメージを受ける事はなかった。新型ガンダムの防御力を証明した場面でもある。
ガンダム試作2号機の追跡中
トリントン基地でデラーズフリートにガンダム試作2号機を強奪された連邦軍はMS部隊を率いてガトーを追跡。
連邦のパイロット「ディック・アレン」中尉は2号機を搭載したコムサイを発見したものの、直後に「ドムトローペン」が強襲。コクピットに「ラケーテンバズ」の直撃を受け死亡する。
ちなみにアレンが搭乗していたモビルスーツはハイパーバズーカを装備する「パワードジム」である。
ザクIIとジャイアントバズ
機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリーではF2型の「ザクII」がジャイアントバズIIを装備する様子が描かれている。
統合整備計画前の機体だが「ケンプファー」と同タイプのバズーカを装備している。
ジャブロー攻略戦
機動戦士Zガンダム 第12話「ジャブローの風」より。
地球連邦軍、ティターンズの地下基地「ジャブロー」にてティターンズとエゥーゴが戦う場面。ザクタンクやガンキャノンと共に「グフ飛行試験型」が登場しジャイアントバズを装備するシーンが描かれている。
青の部隊のゲルググ&ドワッジ
機動戦士ガンダムZZ 第31話「青の部隊(後)」より。
一年戦争の終結後も旧ジオン軍の残存勢力として活動していた「デザート・ロンメル」中佐が率いる「青の部隊」とガンダムチームとの戦闘シーン。
この戦いで登場した青い「ゲルググ」や「ドワッジ改」はジャイアントバズを装備、「ジュドー・アーシタ」達と戦いを繰り広げるも最新鋭機には及ばずだった。
ジャイアントバズを装備する青いゲルググ。
第27話「リィナの血(前)」でもジャイアントバズを装備したドワッジが登場しガンダムチームと市街地戦を繰り広げた。
ジャイアントバズを装備した機種一覧
ジャイアントバズやラケーテンバズを装備したモビルスーツを紹介したいと思います。
MS-09 ドム
登場作品:機動戦士ガンダム
搭乗者:ガイア、マッシュ、オルテガ、その他
一年戦争におけるジオン軍の地上戦用MSとしては最高性能を持つ機体。脚部に搭載されたジェットエンジンによるホバー走行は最高時速381km/hを誇る。
MS-09R リックドム
登場作品:機動戦士ガンダム
搭乗者:バタシャム、フランシィ、ドズル・ザビ、その他
地上用ドムを改修した宇宙戦仕様機。終盤に「ゲルググ」が登場するまでは主力機として活躍した。
YMS-09 プロトタイプドム
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:TV版 機動戦士ガンダム ストーリーブック2
搭乗者:フレデリック・クランベリー
ドムのプロトタイプで2機が製造。キャリフォルニアベースでテストが実施され、1号機ではジャイアント・バズの試射テストが行われている。
YMS-09D ドム・トロピカルテストタイプ
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:MSV
搭乗者: クラウデン・マリン、ロイ・グリンウッド
熱帯地帯などの局地戦に特化するべく大型の冷却システムを搭載したMS。その他、砂漠戦に備えて防塵処理も強化されている。
YMS-09J ドム高速実験型
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:MSV-R
搭乗者:マサ・オーカー
ホバー走行の性能向上目的に開発されたMS。
1号機の稼働時間はノーマル機の90パーセントとなっているが、最大速度は50パーセント向上。2号機に至っては最高速度が140パーセント向上し、エアブレーキも搭載された。
MS-09 ドム(寒冷地仕様)
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:MSV-R
搭乗者:その他
足跡や機体を隠すためカモフラージュ用に人工雪を噴射する装置を搭載した機体。拡散ビーム砲はオミットされており、ジャイアントバズには専用のジャケットが取り付けられている。
MS-18E ケンプファー
登場作品:機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー
搭乗者:ミハイル・カミンスキー
一年戦争末期に登場した強襲用モビルスーツ。劇中ではサイド6のコロニー内で組み立てられルビコン作戦で実戦運用された。
素早く目的地に辿り着くために全身にスラスターやバーニアが搭載されており、数多くの実弾系兵装を持っている。
MS-07W グフ複合試験型
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:MSV-R
搭乗者:その他
脱出ポッドとして「リトル・ドップ」を収納可能にしたモビルスーツ。一年戦争後期にキャルフォルニアベースで連邦軍によって発見されている。
MS-07H グフ飛行試験型 (連邦軍仕様)
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:機動戦士Ζガンダム
搭乗者:地球連邦軍一般兵
地上用MSに飛行能力を持たせるべく開発された実験機。
ロケットバーニアの他、脚部に熱核ロケットエンジンが搭載されているが実験ではトラブルが多かったという。
MS-09R-2 リックドムII
登場作品:機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争、機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー
搭乗者:カリウス・オットー、ギー・ヘルムート、リリア・フローベールなど
リックドムのスラスターとジェネレータを強化した機体。
リックドムに比べ総推力が2倍以上になっており、ジャイアントバズの砲身や弾頭の形状が改良されている。
YMS-09R-2 プロトタイプ・リックドムII
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー(宇宙の蜉蝣2)
搭乗者:アナベル・ガトー
リックドムIIの試験機。終戦直後に逆上してチベ級に向かって発砲する「シーマ・ガラハウ」中佐を制止するべく「アナベル・ガトー」少佐が搭乗している。
MS-09F/TROP ドムトローペン
登場作品:機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー、機動戦士ガンダムUC
搭乗者: ゲイリー、アダムスキー
「ドム・トロピカルテストタイプ」のデータから陸専用に再設計されたMS。
冷却装置や防塵処理が強化され、ドムに比べ本体重量が2/3になっており機動性が向上している。主兵装として「ジャイアントバズII」を改良し速射性を高めた「ラケーテン・バズ」を装備する。
MS-09G ドワッジ
登場作品:機動戦士ガンダムZZ、機動戦士ガンダムUC
搭乗者: アマサ・ポーラ、ガデブ・ヤシン、その他
一年戦争中に開発されたドムシリーズの中でも最高のスペックを持つ機体。砂漠戦に特化している。
ジェットエンジンの強化による機動性の向上、冷却機能の強化や燃料タンクの増設による稼働時間の向上などトータルで性能が高いMS。
MS-09H ドワッジ改
登場作品:機動戦士ガンダムZZ
搭乗者:デザート・ロンメル
ドワッジに大型ブースターを搭載し推力を向上させた機体。
ノーマルのドワッジに比べて最高速度が20パーセント向上しており機動性がアップ。劇中では「デザート・ロンメル」中佐が搭乗し「ジュドー・アーシタ」の「Zガンダム」と戦いを繰り広げた。
ジャイアントバズの感想
宇宙世紀ガンダムシリーズの登場兵器「ジャイアントバズ」の活躍と装備機種を紹介しました。一年戦争時代では多くの機動兵器で採用され活躍した実弾兵器ですが、ジャイアントバズの様な大型の実弾兵器は時代が進むにつれて登場しなくなっていきました。
印象としてはデラーズ紛争やグリプス戦役の序盤までは実弾兵器が使用されているイメージがあります。ガンダムMk-IIのハイパーバズーカ、百式やリックディアスのクレイバズーカなどです。
グリプス戦役後半、第一次ネオジオン抗争ぐらいになるとジェネレータ出力のインフレに伴って強力なビーム兵器を搭載したモビルスーツなどが多く登場する様になるので、弾速が遅くて装弾数も少ないバズーカ系の実弾兵器は活躍の機会が減っていきました。
個人的に最も印象的な活躍シーンは0083の物語序盤でパワードジムに搭乗したアレン中尉がドムトローペンのジャイアントバズで戦死してしまった場面です。もしガンダム試作1号機の装甲だったら耐えられていたのか気になります。
ドムのジャイアントバズがGアーマーに直撃しても対してダメージを受けてなかったり、ケンプファーのジャイアントバズがチョバムアーマーを装備したガンダムNT-1のコクピット周辺に直撃したのにも関わらず無傷だったりしているのを見ると、高出力のビーム兵器以外ではガンダムを倒すのは至難の技なんだなと思います。