宇宙世紀ガンダムシリーズに登場するガザシリーズを紹介したいと思います。
汎用量産機でありながらも可変機構を備えたガザシリーズですが、ネオジオン軍の主力機として活躍した機体としては初期のモビルスーツになります。
今回はガザシリーズのバリエーションや、それぞれの特徴をまとめてみました。
ガザシリーズのバリエーションまとめ
宇宙世紀ガンダムシリーズに登場したガザシリーズのMSを紹介したいと思います。
ガザA
出典元:hobby.dengeki.com
登場作品:「A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-」
アクシズで開発されたシリーズ初のMS。作業用だが一部の機体では武装化され移動砲台として活躍したものも存在する。
設計は一年戦争末期に開発されたモビルポッド「オッゴ」を参考にしており、胴体両端のドラムフレームなどは踏襲されている。
後のガザシリーズのモビルアーマー(MA)形態の原型となった機体でアクシズの他、火星のジオン残党組織でも生産・運用されている。
なお、Web企画「A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-」では非可変機として設定されている。
型式番号 | AMX-001 / MMT-1 |
ガザM
出典元:hobby.dengeki.com
登場作品:「A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-」
一年戦争後に火星に逃げ延びたジオン残党組織「ジオンマーズ」が「ガザA」をベースに水中用に開発した機体。
同じく火星に逃げのびた「レジオン軍」の地下氷河秘密基地に潜入し、建造されている「ガンダムTR-6[インレ]」の奪還・破壊する「輝ける星作戦」のために製造された。
水中戦に特化しており頭部のセンサーは専用のパーツに換装。胴体には「アッグ」用のミサイルランチャーを装備。MS形態はオミットされているためMA形態のみの運用となっている。
また、両肩のドラムフレームには「ガザD」の物を改良したバインダーとクローアームが接続され、大型ミサイルと水中用の推進器を実装する。
型式番号 | AMX-003M |
ガザB
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:「ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム」
ガザAに続く形でアクシズで開発されていたモビルスーツ。型式番号AMX-002はモビルアーマー「ノイエ・ジール」と重複している。
武装や可変機構の存在については現在まで明らかにされていない。
なお、「ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム」ではMA形態に変形する事が確認されている。
型式番号 | AMX-002 / MMT-2 |
ガザタイプ試作型
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:「機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像」
アクシズで開発された作業のモビルスーツ。単純な構造と機動性や運動性の高さが評価され戦闘用ガザシリーズの原型となった。
非戦闘型の機体のためかフレームが剥き出しになっており、マニュピレーターも物資運搬用のものが搭載されている。
ちなみに宇宙での機動試験は後の「ガザの嵐隊」のメンバーである「パンパ・リダ」「ワイム、ビアン」が務めている。
ガザC
出典元:gundam.fandom.com
登場作品:「機動戦士Ζガンダム」「機動戦士ガンダムΖΖ」
アクシズが開発したガザシリーズでは初の戦闘用となる可変量産型モビルスーツ。
ちなみにグリプス戦役末期に地球連邦軍とアクシズが協定を結んだ事で、地球連邦軍により「MMT-1」の型式番号が付与されている。
コクピットは頭部に設置され十字架のモールドが入った広角モノアイを装備。
本機はエゥーゴやティターンズよりも先に開発された可変機であるものの、第2世代MSよりも前の技術で開発されており、元が作業用の機体という事もあってか構造が単純で脆弱である。
また後続距離が短い問題点もあり、機動性も同時期の機体の中では低い部類に入る。
グリプス戦役中には300機ほど投入され、「機動戦士Zガンダム」の劇中では一斉射撃によりティターンズのMS相手に成果を挙げている。
ナックルバスター
ガザC(MA形態)
ガザC(ハマーン・カーン専用機)
ガザC(袖付き仕様機)
出典元:gunpla-beginning.com
型式番号 | AMX-003 / MMT-1 / MMT-3 |
全高 | 22.5m / 10.9m (MA形態) |
頭頂高 | 18.3m |
全長 | 21.2m / 21.22m (MA形態) |
全幅 | 10.4m / 10.43m (MA形態) |
本体重量 | 40.8t |
全備重量 | 72.5t |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
ジェネレーター出力 | 1720kw |
総推力 | 79200kg |
その他 | 姿勢制御バーニア×4 |
センサー有効半径 | 10600m |
武装 | ナックル・バスター、ビームガン、ビームサーベル |
搭乗者 | ハマーン・カーン、グレミー・トト |
ガザC II
出典元:www.mandarake.co.jp
登場作品:「MOBILE SUIT in ACTION ジオンの星」
「ガザC」のナックル・バスターの代わりに、両腕のシールドにビーム砲を装備した試作機。
ビーム兵器の変更に伴い、ジェネレーター出力はガザCより若干向上している。ちなみに生産数は5機が確認されるのみで少ない。
型式番号 | AMX-003B |
全高 | 24.7m |
頭頂高 | 17m |
本体重量 | 34.8t |
全備重量 | 66.4t |
装甲材質 | チタン合金 + ガンダリウム合金 |
ジェネレーター出力 | 1970kw |
総推力 | 83800kg |
センサー有効半径 | 10600m |
その他 | 姿勢制御バーニア×12 |
武装 | ビーム砲、ビームサーベル |
搭乗者 | デューク・デュバルマ |
ガザC改
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:「ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム」
テロ組織「カラード」が入手した「ガザC」を改修した機体。作中で「ガザC」と呼ばれている。
MA形態ではコクピットが機種に移動。また機種のビーム砲が旋回可能なためMS形態でも使用可能である。
基本武装には変更はないものの、近接格闘能力の向上や武装の換装により幅広い作戦に対応が可能となっている。
型式番号 | AMX-003S |
全高 | 18.5m |
頭頂高 | 18.5m |
本体重量 | 29.2t |
全備重量 | 75.2t |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
ジェネレーター出力 | 2020kw |
総推力 | 100059kg |
センサー有効半径 | 9989m |
武装 | ナックルバスター、ビーム砲、ビームサーベル |
ガ・スタン
出典元:twitter.com/MSQ1700700TR6
登場作品:「B-CLUB」
旧式化した「ガザC」を砲撃戦に特化させるべく改修、右肩に大型メガ粒子砲を搭載した機体。
作中ではアクシズの兵器試験場で試射を行う場面が存在する。
ガザD
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:「機動戦士ガンダムΖΖ」「機動戦士ガンダムUC」
ネオジオン軍が「ガザC」の直系の機体として開発した可変モビルスーツ。
ガザCでは不得意だった近接格闘能力、モビルアーマー形態での推力、ジェネレーター出力の向上など、総合的に性能が向上している。
また、ガザCと共通部品が多い事もあり、生産ラインを転用する事で生産力の高さも得られた。
コクピットは頭部から胸部に移設、MA形態時の機種にモノアイが移設されるなど一部の機体構造の見直しが行われた事により構造上の弱点も克服した。
宇宙世紀0088年の第一次ネオジオン抗争では「ガザの嵐隊」の先行量産機が3機登場、「ファ・ユイリィ」が乗る「Zガンダム」を追い詰めるも、パイロットが「ジュドー・アーシタ」に変わると形勢が逆転し全機撃墜されている。
その後も抗争末期まで投入されており、宇宙世紀0096年のラプラス事変においてはネオジオン残党軍「袖付き」が運用し、機体色がモスグリーンに変更されている。
ナックルバスター
脚部クロー内のメガ粒子砲
ミサイルランチャー
ビームサーベル(肩バインダー)
ガザD (MA形態)
ガザD (袖付き仕様)
出典元:gunpla-beginning.com
ガザD (袖付き仕様)のナックルバスター
ガザD (袖付き仕様 / MA形態)
型式番号 | AMX-006 |
全高 | 23.66m |
頭頂高 | 17.00m |
全長 | 16.1m (MA形態) |
本体重量 | 28.7t |
全備重量 | 68.4t |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
ジェネレーター出力 | 2140kw |
総推力 | 98200kg |
センサー有効半径 | 10800m |
その他 | 姿勢制御用バーニア×12 |
武装 | ナックルバスター、メガ粒子砲、ミサイル・ランチャー、ビームサーベル |
搭乗者 | ガザの嵐隊 |
ガザ・マリナー
出典元:twitter.com/mechabotheads
登場作品:「機動戦士ガンダムZZ(予定)」
「ガザD」の水陸両用型。
「機動戦士ガンダムZZ」に登場予定であったが、デザイン画のみに留まった幻の機体。なお劇中では本機に代わり「ザク・マリナー」が登場している。
バリュートで大気圏に突入可能という設定だが、ストーリー上で単独での大気圏突入能力が不要になった事により廃止。
水中戦ではカプールの随伴機として登場予定だった。
ガザE
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:「ガンダム・センチネル」「機動戦士ΖガンダムIII A New Translation -星の鼓動は愛-」
「ガザD」の強化発展型である次期量産機として提案された2案のうちの一つ。ちなみにもう一つの案は後の「ガ・ゾウム」である。
航行能力に優れており、SFS(サブ・フライト・システム)としての運用も可能なためMA形態時には他のMSを上面に配して航行が可能になっている。
両肩にはビームカノンとウェポンユニットが装備されているものの、SFSとしての運用を優先した事もありナックルバスターは非装備。また近接格闘戦も想定されていない。
仕様ためか、「ガザC」「ガザD」とのパーツ互換性が少ないため、生産コストはガザCの約2倍となっている事から製造数は少なめとなっている。
第一次ネオジオン抗争ではハマーン軍の機体として登場するも、モウサ激突時に全機失われている。
型式番号 | AMX-007 (MMT-3) |
全高 | 7.20m (MA時) |
頭頂高 | 16.3m |
全長 | 27.36m (MA時) |
全幅 | 17.14m (MA時) |
本体重量 | 34.8t |
全備重量 | 68.2t |
ジェネレーター出力 | 2280kw |
総推力 | 59300kg |
その他 | 姿勢制御バーニア |
センサー有効半径 | 11690m |
武装 | ビームカノン、バインダー武装ポッド、ビームサーベル |
搭乗者 | ネオ・ジオン兵士 |
ガ・ゾウム
出典元:gundam.fandom.com
登場作品:「機動戦士ガンダムZZ」「機動戦士ガンダムUC」「機動戦士ムーンガンダム」
「ガザD」の強化発展型として航行能力が高い「ガザE」とは別に開発された、対MS戦闘を重視した機体。ロールアウトした段階で「ガ・ゾウム」に命名されている。
MS形態では対艦攻撃用の爆撃機として設計されているため火力や機動性に優れている。
変形機構が全体的に見直されているため、機体構造がこれまでのガザシリーズとは大きく異なるのも特徴。
シールドは廃止された代わりに、タイプごとに換装可能なウェポン・ユニットを装備。
第一次ネオジオン抗争では「ゴットン・ゴー」の乗機としてガンダムチームと交戦。
ラプラス事変では袖付きの機体として登場しており、メインカメラがボックスタイプの物に変更されている。
ガ・ゾウム(MA形態)
出典元:gundam.fandom.com
型式番号 | AMX-008 |
全高 | 18.56m |
頭頂高 | 18.0m |
全長 | 17.42m (MA形態) |
本体重量 | 31.6t |
全備重量 | 58.2t |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
ジェネレーター出力 | 1840kw |
総推力 | 92280kg |
センサー有効半径 | 11200m |
その他 | 姿勢制御バーニア×18 |
武装 | ハイパーナックルバスター、ミサイルポッド、ビームサーベ、80mmバルカン砲 |
搭乗者 | ゴットン・ゴー、ネル・マーセン |
ガ・ゾウム (ガンナータイプ)
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:「プラモデル 1/144 ガ・ゾウム 組み立て説明書」
「ガ・ゾウム」の後期型を超遠距離射撃仕様にした形態。
両肩のミサイルランチャーを狙撃用のビームランチャーとレドームに換装し、ナックルバスターは連射が可能になっている。
MA形態時にはナックルバスターはレドームがある側に装備する。
型式番号 | AMX-008B |
ガ・ゾウム (マリンタイプ)
出典元:hobby.dengeki.com/
登場作品:「A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ -くろうさぎのみた夢-」
「ガ・ゾウム」の水中仕様。ティターンズ残党と火星独立ジオン軍の合同作戦で活躍した。
宇宙世紀0091年の火星でレジオン軍の氷河地下秘密基地で開発されていた「ガンダムTR-6[インレ]」の奪還作戦「輝ける星作戦」ではインレの操縦が可能なティターンズの強化人間を送り込むために投入されている。
水中型への改修にあたっては、協力関係にあったアクシズが開発していたパーツを流用。
また、コクピットを含む胴体ブロックに関してはガザMと規格を統一する事により水密性を強化している。
両腕部にはハイゴッグやカプールにも搭載されている伸縮式のフレキシブルアーム&ヒート式アイアン・ネイルに換装する事で近接格闘戦に対応。
ティターンズ仕様では、バーザムと同じブレードアンテナとティターンズ&ジオンのエンブレムで区別されている。
ガ・ゾウム (マリンタイプ) MA形態
出典元:hobby.dengeki.com/
ガ・ゾウム (マリンタイプ・ティターンズ残党機仕様)
出典元:gunpla-beginning.com
型式番号 | AMX-008M |
ガザG
出典元:moon-gundam.net
登場作品:「機動戦士ムーンガンダム」「機動戦士ガンダムMS大全集」
ガザシリーズでは元々、リニアシート・全天周囲モニターが導入されているが、本機は新兵でも直感的に操縦しやすい様に改良されている。
中距離支援機としての役割が担える他に、MA形態ではサブ・フライト・システムや爆撃機として能力を発揮。
また、ガザシリーズの生産ラインを流用する事で開発されているため、整備性や生産力に優れているのも特徴。
「機動戦士ムーンガンダム」の作中ではリュース艦隊に配備されており主力機としてムーン・ムーンの制圧に加わった。
型式番号 | AMX-020 |
全高 | 約25.0m (MS形態) |
頭頂高 | 16.0m (MS形態) |
全長 | 約22.0m (MA形態) |
全幅 | 約18.0m (MA形態) |
全備重量 | 約80.0t |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
ジェネレーター出力 | 2140kw |
武装 | ナックルバスター、シールド兼9連ミサイルランチャー、頭部2連バルカン砲、ビームサーベル |
搭乗者 | リナート・リヒト、その他 |
ガザW
出典元:gundamlog.com
登場作品:「ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム」
ネオジオン軍が開発した可変モビルスーツ。
宇宙世紀0090年が舞台である「ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム」の作中ではアラハス隊がサイド2に立ち寄った際に初登場。
「エルデスコ・バイエ」の乗機としてコロニー内の防衛部隊を殲滅させた他、カラード好戦派として穏健派の「ザクIII後期型」と交戦している。
型式番号 | AMX-016 |
ガザX
出典元:twitter.com/osg39
登場作品:「機動戦士Oガンダム 光のニュータイプ」
作中に登場する勢力であるスーパー・ジオンの主力可変モビルスーツ。
ナックル・バスターが主兵装。
型式番号 | NNT-01 |
ガザH
出典元:twitter.com/hirorin0015
登場作品:「Gの影忍」
ガザ・H (ハンニャ)。
漫画「Gの影忍」にするMS忍者で原型は「ガザD」だが、MS形態では般若の面そっくりの形相を見せる。
ガザ
出典元:twitter.com/system_a10
登場作品:「TYRANT SWORD Of NEOFALIA」
雑誌企画で登場したモビルスーツ。
宇宙世紀0087年にて「機動戦士Zガンダム」の設定にのとったパラレルワールドのアクシズで開発中とされている。
ガザシリーズの感想
ガザシリーズの種類や特徴を紹介しました。
個人的にガザシリーズで最も印象に残っているシーンといえば、「機動戦士Zガンダム」の終盤で百式がメガバズーカランチャーで多数のガザCを殲滅する場面です。
あの一撃でたぶん100機近くは失ったのでアクシズとしては相当な戦力減だったと思われます。
基本的にやられ役が多いため、あまり印象に残りづらいモビルスーツとも言えますし、機動力も同時期のティターンズの可変MSと比ベて低い傾向があります。
汎用量産機でありながらモビルアーマー形態に変形できて武装が充実している事が、ガザ系列の機体の利点だと思います。