マクロスシリーズの各作品で登場した敵組織と敵の主要キャラクターを紹介したいと思います。
宇宙の果てに生息する異星人と地球人が争う事の多いマクロスシリーズですが、作品によっては人類同士が争ったり、人が生み出したテクノロジーが人類にとって驚異になるケースもあります。
今回は「主人公サイドから見た敵」とそれに関わる主要なキャラクターをまとめてみました。
マクロスシリーズの敵組織・キャラまとめ
マクロスシリーズに登場する敵組織と主要な敵キャラの特徴などをまとめてみました。
ちなみに今回紹介する敵組織とは主人公サイドから見た敵(もしくはライバル)、人類側から見た敵としています。
ゼントラーディ軍 (超時空要塞マクロス)
「ゼントラーディ」とは約50万年前に繁栄した種族「プロトカルチャー」によって生み出された戦闘用の巨人種族である。
戦闘に特化した種族として行動や理念は全て軍事に直結しており、兵士・参謀・指揮官など役割に応じて身体能力や知能が与えられている。
2009年に監察軍を追っていたブリタイ艦隊が地球を発見、落着した「SDF-1マクロス」を発見するも突如「ブービートラップ」が発動しマクロスの主砲が自動的に発射。これにより地球人との全面戦争に突入していく。
その後、フォールド航行によって宇宙へ退避したマクロスと戦いを繰り広げるも「リン・ミンメイ」の歌にカルチャーショックを受け、地球人が持つ文化に感動を受けたブリタイ艦隊は地球人との和平を望む様になる。
一方で文化によって部隊が汚染される事を恐れた「ボドル・ザー」はボドル基幹艦隊を軸にマクロス艦隊・ブリタイ艦隊に総攻撃を決行。
だが、マクロス・ブリタイの両艦隊によって流された「ミンメイの歌」でカルチャーショックを受けたボドル・ザーはこの隙にバルキリーの侵入を許し主人公「一条輝」によって討たれてしまう。
ブリタイ・クリダニク
ゼントラーディ軍のボドル基幹艦隊に所属する第67グリマル級分岐艦隊司令官。
身長は10メートルを超えており単独でバルキリーと戦える程の戦闘力持つ。ゼントラーディ人の中では珍しく広い視野と戦略性に長けている。
戦いの中で地球人の持つ文化に魅了された事により戦争に対して葛藤するも、最終的には地球人との共闘を選択した。
エキセドル・フォルモ
ゼントラーディ軍の記録参謀で「ブリタイ・クリダニク」の補佐を務めている。他の軍人に比べると戦闘力は低いものの持ち前の知力で多くの作戦を立案していく。
ボドル・ザー
ボドル基幹艦隊の司令長官。劇場版には「ゴル・ボドルザー」という名前で登場する。
地球人の文化に関心を示すも自軍部隊への汚染を恐れた事によりブリタイもろとも地球人類を滅ぼそうとするが、最終的には「一条輝」が企画した「リン・ミンメイ」作戦によって倒されてしまう。
マルドゥーク軍 (超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-)
独裁者「マスター・イングス」の恐怖で支配された軍隊。
第一次星間大戦の終結から70年後の2080年に歌巫女(イミュレーター)の歌で「ゼントラーディ」「メルトランディ」の兵士を洗脳し地球に侵攻した異星人の部隊である。
侵攻当初は地球統合軍の「オペレーション・ミンメイ」の歌の効果によってカルチャーショックを受けていたが、歌巫女の歌によりゼントラーディ兵を戦闘に駆り立てた事で形成が逆転している。
マルドゥーク人の文明は「アルスの星」からもたらされたとされており、自らの文明を神聖視、異文明を下等文化として見ている。
また、異文明に汚染される事を嫌っているため、接触してきた異文明は容赦無く滅ぼそうとする。
フェフ
マルドゥーク軍の司令官。
イシュタルに特別な感情を抱いており彼女が地球の文化の良さを知った事で処分になる所を救出。自身もイングスによる独裁に嫌気が差した事から周囲の艦隊と共に反旗を翻した。
イシュタル
マルドゥーク歌巫女(イミュレーター)。
戦場を取材中だった主人公「神崎ヒビキ」と知り合った事により地球へ渡り地球人の文化の素晴らしさを知る。
マルドゥークの在り方に疑問を抱いた彼女は戦いを止めるべく戦場に歌を捧げていく。
イングス
「マスター・イングス」とも呼称されるマルドゥークの独裁者。
マルドゥークが他文化に染まる事を恐れており、それに従わない者はたとえ部下であっても容赦無く制裁を加える。
シャロン・アップル (マクロスプラス)
人工知能を搭載した「バーチャロイド・シンガー」。
性別が女性という以外は設定が存在しない事から自由自在な姿を空間投影する事が可能。
人格システムの不完全により相手の心を理解する能力がないため、マネージャ役の「ミュン・ファン・ローン」がリンクする事によって人の心を疑似的に再現している。
シャロンの人格覚醒を企む「マージ・グルドア」によって非合法のバイオニューロチップを組み込まれた事により不完全な状態で心が宿る様になった。
2040年3月に「マクロス・シティ」で行われた第一次星間大戦終結30周年記念式典において、ゲストとしてコンサートを行う予定だったが暴走。
マクロスの統合軍中枢コンピュータを乗っ取り会場に訪れた人々をマインドコントロールした。
さらにミュンの深層意識の中に存在する幼馴染の「イサム・ダイソン」と「ガルド・ゴア・ボーマン」との三角関係に決着を付けるべく彼らに自律型無人戦闘機「ゴーストX-9」を送り込んだ。
ガルド・ゴア・ボーマン
ゼントラーディ人と地球人のハーフ。劇中では「YF-21」に搭乗。
主人公「イサム・ダイソン」と「ミュン・ファン・ローン」の幼馴染だが、ゼントラーディの闘争本能によって二人との間に亀裂が生じる。イサムとはミュンを巡って火花を散らす。
イサムと同じく天才的なパイロットセンスを持っており、「YF-19」を駆るイサムとはかつての親友として葛藤がある中でドッグファイトを繰り広げたが、最期はシャロンが送り込んだ「ゴーストX-9」に体当たりして絶命する。
マージ・グルドア
シャロン・アップルを開発したエンジニア。ミュンの補佐役を務めており、本作の黒幕的な存在となる。
シャロンに対して狂信的なほど執着しており、人間と変わらない人工知能を完成させるべく暗躍する。
バロータ軍 (マクロス7)
「プロトデビルン」の中心的人物である「イワーノ・ゲペルニッチ」の総指揮により2045年に新マクロス級を7番艦「マクロス7」を始め移民船団を奇襲した軍隊。
プロトデビルンは生物が持つ「スピリチア」を生命エネルギーにしており、スピリチアを吸収された生物はプロトデビルンの配下とする事が出来るという恐ろしい能力を持っていた。
兵士の大多数は地球人やゼントラーディ人によって構成されており、特殊な装置を付けたヘルメットによって精神をコントロールされている。
その他、本国であるバロータ星由来の兵士も存在しており、ゲペルニッチの命令によりマクロス7の内部に侵入、人間が持つスピリチアの測定や回収も行なっている。
戦いの中でゲペルニッチは本作の主人公「熱気バサラ」が「アニマスピリチア」という一際強いスピリチアの持ち主である事を理由に捕獲命令を出すものの、バサラの歌の力に触発されたプロトデビルンは自らが歌う事で無限のスピリチアが沸き起こる事に気付く様になる。
そして、人類からスピリチアを奪う必要が無いと悟ったプロトデビルンは人類の元を去っていくのであった。
イワーノ・ゲペルニッチ
バロータ軍の総司令官としてプロトデビルンのエネルギー源である「スピリチア」を回収するためにマクロス船団を襲う。
かつて「アニマスピリチア」によってバロータ星に封印され、約50万年後の2043年に意識のみが覚醒、星に訪れた地球人に憑依した事で復活する。
バサラの持つ「アニマスピリチア」に目を付けていたが、彼の持つ歌の力によって改心した。
ギギル
バロータ軍の指揮官。ゲペルニッチの部下として軍の指揮を執る。好戦的な性格をしており、自ら戦闘機で出撃する事もある。
シビルを大切に思っており、彼女を救うためにバサラの歌を利用しようとするもバサラとの間に友情が目覚め心が通じ合う様になった。
シビル
諜報破壊活動用に開発されたプロトデビルン。
単独で宇宙空間を移動する事が可能であり、他の生物に憑依する能力も持ち合わせている。
バサラがアニマスピリチアの持ち主であると最初に気付いた。
バサラに接触を試みるがその中で自身が持つスピリチアが枯渇し活動停止してしまうが、その後歌の力によって目覚めている。
反統合軍 (マクロス ゼロ)
統合戦争において統合軍と争った反体制組織の武装集団。
1999年に地球に落下、後にマクロスと呼ばれる宇宙戦艦のオーバーテクノロジーに目を付けた各国が集まり、来たるべき異星人との戦争に備え「地球統合軍」を結成。
だが、統合政府の地球統一によってあらゆる権益や軍による超先進技術の独占に不満を持つ者も少なからずおり、各地で異を唱える反体制勢力に兵器を提供する事で武装を支援するという現象が目立つ様になっていく。
その後、統合政府が発足する直前である2000年7月に世界各地で戦闘が勃発し、これらのネットワークは「反統合同盟」と呼ばれた。
オーバーテクノロジーを駆使し戦力に勝る統合軍に対してゲリラ攻撃を仕掛けるなど戦いは約7年にも及んだが、2007年の反統合同盟の降伏をもって戦争は終結。
2009年2月には当初の計画よりも遅れて宇宙戦艦が修復され「SDF-1マクロス」と命名された。
ノーラ・ポリャンスキー
反統合同盟に所属する女性。
地球統合軍によって家族を奪われた過去を持ち、その仇を討つために反統合軍の1人として戦う事を決意する。
卓越した操縦センスで「SV-51γ」を操り主人公「工藤シン」の機体を撃墜するなど活躍するが、最後は「鳥の人」に撃ち落とされ死亡した。
D.D.イワノフ
「SV-51γ」を駆る反統合軍のエースパイロット。
統合戦争以前より各地を転戦しており、統合軍時代は「ロイ・フォッカー」の教官だった事もある。
終盤にフォッカーと凄まじいドッグファイトを繰り広げたが、ノーラの死で正気を失った彼は「鳥の人」に立ち向かい死亡する。
Dr.ハスフォード
大学ではかつての「ロイ・フォッカー」の想い人である「アリエス・ターナー」を指導した学者。
マヤン島の古代文明を守る「サラ・ノーム」から「鳥の人」の伝承を聞き出して、彼女に「鳥の人」を目覚めさせる様に求めるも覚醒時による破壊に巻き込まれてしまい絶命する。
バジュラ (マクロスF)
2059年3月に新マクロス級移民船団「マクロス・フロンティア」を襲った地球外生命体。大きさは数十cmから数百kmと様々である。
昆虫の様な生命体で幼生と成体が存在、船団が死体を調査した所「体内で兵器を生成」「一定の群れで行動」「エネルギー転換装甲を展開」などが判明している。
さらに標的の位置まで「フォールド」して襲撃するという攻撃的な性格を持っている。
また、人類と交戦したバジュラはV型ウイルスによる独自のネットワークを形成し仲間と情報を共有、自己進化を繰り返す事で物語の中盤には「反応弾」でさえ無効化した。
劇中では「ランカ・リー」の歌で船団がバジュラの勢力から脱出するも、艦内に入り込んだバジュラの幼生が大量発生し数多くの人命が奪われるなど驚異的な繁殖力を見せつけた。
バジュラ幼生
「第一形態」「中間形態」「第二形態」が存在し、第一形態は小動物の様に可愛らしい容貌をしている。
中間形態から羽化し体長は2メートル近くにまで成長、第二形態では2足歩行が可能になり昆虫の様な外観になる。
バジュラ成体
出典元:twitter.com/giantrobo
成体には大きく分けて「戦闘タイプ」「空母タイプ」「女王タイプ」が存在する。
戦闘タイプは兵器を駆使して戦いに特化した形態。特に大型バジュラは体長が30メートル前後にも及び、人類の機動兵器との戦いで主力となった。
空母タイプは戦艦級の大きさと攻撃能力を有し、女王タイプは空母タイプに巣を作り産卵する。
ウィンダミア軍 (マクロスΔ)
銀河の辺境にあるウィンダミア星系を統治する王政国家「ウィンダミア王国」が率いる軍隊。
2027年に新統合政府の来訪により国交を結ぶものの次第に条約の内容に反感を抱き、2060年に独立戦争を仕掛けた。
2067年には王国が独自に研究を進めてきた「ヴァールシンドローム」を利用する事で新統合軍の兵士達をマインドコントロールし「惑星ヴォルドール」「惑星アンセム」などを制圧。
新統合政府に宣戦布告し新統合軍同士による戦闘を強いて心理的に追い込むなど戦闘を有利に進めて行くも、「ケイオス」がヴァールを牽制する目的で結成した可変戦闘機部隊「Δ小隊」との激しい戦いを繰り広げていく事になった。
キース・エアロ・ウィンダミア
国王グラミアの長男だが、王位継承を弟に譲ったウィンダミア軍のエースパイロット。空中騎士団の一人。
騎士道精神を貫いており強者と戦う事を喜びとしている。
打倒新政府を望み、Δ小隊のエースパイロット「メッサー・イーレフェルト」を好敵手として認めている。
ロイド・ブレーム
ウィンダミア王国宰相で空中騎士団の聖騎士長を務める。キースとは騎士学校時代からの親友であり同志。
プロトカルチャーに対する知見もあり、プロトカルチャーの遺跡と風の歌によってヴァールを精神支配する戦法を考案した。
だが国王グラミアを暗殺しウィンダミア王国の全権を掌握、さらに国王の本当の死を隠した事でキースに不信感を抱かれた事が引き金となり、最終決戦では彼に剣で貫かれ討たれてしまう。
マクロスシリーズの敵組織・キャラの感想
マクロスシリーズに登場した敵組織と主力の敵キャラクターを紹介しました。
今回紹介した中ではマクロスプラスで登場した「シャロン・アップル」が組織では無かったですし、立ち位置からして敵かどうかも微妙だったのですが、一応主人公に向けて刺客を送り込んでいるので紹介してみました。
反統合軍に関しては他の作品で敵として登場する異星人ではなく地球人なのですが、今回は主人公側から見た”敵”を紹介しているので”敵組織”として扱う事になりました。
シリーズの色んな”敵”を紹介しましたが、全体的に見ると最終的にはなんだかんだお互いが理解し合う事で戦いが終わるという印象があります。
物語の流れとしては「敵と争い、歌姫が歌って、敵がカルチャーショックを受けて、お互いが理解し合い戦いが終わる」という感じでしょうか。
ガンダムの様にニュータイプを理想として掲げながらも双方が分かり合えずにどちらかが降伏するまで徹底的に戦い続けるという事があまり無く、最後には誤解なく分かり合えるというのがマクロスの物語の特徴かと思います。ただ戦いの中では多くのキャラが命を落としているのも事実ですが。