東宝怪獣映画・ゴジラシリーズで登場した歴代のモゲラを紹介したいと思います。
東宝初の悪役ロボットとして活躍したモゲラですが、後の作品では怪獣に立ち向かう人類の兵器として登場しました。
今回は歴代のモゲラの活躍や特徴、怪獣映画以外で登場したモゲラをまとめてみました。
歴代モゲラまとめ
東宝怪獣映画・ゴジラシリーズ、その他の作品で登場した歴代モゲラをまとめてみました。
モゲラ
登場作品:地球防衛軍 (1957年)
全長 | 50.0m |
重量 | 50000t |
装甲 | ミステロイド・スチール |
地中速度 | 150kn/h |
「怪遊星人ミステリアン」が開発した土木工作用の大型ロボット怪獣。
本来は工事用であるが、地球征服を企むミステリアンによって2機が運用されている。
ちなみに劇中では「モゲラ」と呼ばれていない。
「性能」
全身がキャラピラ状になっており鼻にはドリル、背部には回転ノコギリを搭載。
手に相当する部分にはグラインダーが搭載されており、地面を掘り進む事ができる。
両眼部からは自動車を蒸発させる程の威力を持つ光線を放つ事が可能で、劇中では防衛隊の車両を次々と破壊していった。
装甲には鋼鉄の200倍の硬さを持つ「ミステロイド・スチール」が使用されており、「初代メカゴジラ」に使用されていた「スペースチタニウム」の20倍の硬さを誇っている。
十分な防御力を持っているため装甲を破られる事は少ないものの、劇中では機能停止する場面が多い事から内部システムの耐衝撃性は確保されていないと思われる。
「活躍」
劇中では2機が運用されており、1号機は序盤の富士山麓ののどかな村に突如出現。
防衛隊の対戦車砲やロケット砲などの実弾攻撃を全く受け付けず富士山麓の村を次々に破壊するも、防衛隊が鉄橋ごと爆破した事により落下した衝撃で活動を停止。
2号機は地球防衛軍とミステリアンの最終決戦では防衛軍が投入した光線兵器「マーカライトファープ」を破壊するため地中から不意打ちで襲いかかるが、突然倒れてきたマーカライトファープに押しつぶされ機能停止に陥ってしまう。
ちなみにマーカライトファープの活動限界時間である75分に迫っていたという事もあり不意打ちとはいえ2号機に関しては有効な作戦とは言えなかった。
プラズマレーザーキャノンで防衛軍の戦車を一瞬にして焼き尽くした
爆破された鉄橋ごと落下する1号機
崩れ去ったマーカライトファープの下敷きになった2号機
MOGERA (モゲラ)
登場作品:ゴジラvsスペースゴジラ(1994年)
全高 | 120.0m |
重量 | 160000t |
動力源 | レーザー核融合炉×2 |
飛行速度 | マッハ1(大気圏内)、マッハ44(大気圏外) |
装甲 | 人工ダイヤモンドミラーコーティング、合成ブルーダイヤモンドコーティング |
武装 | プラズマレーザーキャノン、プラズマメーサーキャノン、スパイラルグレネードミサイル、自動追尾式レーザー砲、クラッシャードリル、ドリルアタック |
センサー類 | 超高感度カメラ、赤外線レーダー、アクティブソナー、サーモサーチャー、動体スキャナー、重力測定器、レーザー照準追尾システム |
ジャミングシステム | MECM |
乗員 | 3名 |
国連G対策センターに所属するゴジラ迎撃専門組織「Gフォース」が開発した対G超兵器。
「メカゴジラ」と同時期に開発が進められていたが、大気圏内仕様のメカゴジラに対し大気圏外での運用も想定していた「MOGERA(モゲラ)」は構造が複雑化していたため完成が遅延。
最終的にメカゴジラのメインフレームやパーツを流用した事により完成した。
上半身の地中移動が可能な戦車「ランドモゲラー」、下半身の高機戦闘機「スターファルコン」によって構成されており、分離して戦う事も可能になっている。
当初は対G兵器として開発されたが、「スペースゴジラ」の来襲により「ゴジラ」と共闘する事になった。
「性能」
冷却器と排熱ダクトを搭載した事でオーバーヒートが多発していたメカゴジラに比べ安定性が向上。
また脚部の底にはサブエンジンとローラーシステムを搭載、移動時にはサブエンジンの推進能力で自重を相殺し地上を走行する事が可能にするなど高い機動性を持つが、状況により二足で歩行する事も出来る。
一部の装甲には「合成ブルーダイヤコーティング装甲」が採用されており、熱線に対してはメカゴジラの「ミラーコーティング」よりも高い反射率を誇る。
武装はメカゴジラと同じくレーザー兵器が充実しているが、メカゴジラに比べ攻撃力と連射性が向上、兵器の長時間使用による安定性が改善されている。
また腕部に搭載された「スパイラルグレネードミサイル」は先端がドリルの様に回転し標的に突き刺さった後に爆発、劇中ではスペースゴジラの弱点である両肩のクリスタルジェネレーターを破壊して攻撃力を低下させた。
口部の「クラッシャードリル」は近接格闘戦に対応しており、ローラーシステムで標的に接近して攻撃する事が出来る。
初戦の反省を踏まえて追加された装備として、超高感度カメラや赤外線レーダー、レーザー照準器など7種類のセンサーを実装、複合センサーシステムによってスペースゴジラが放つ電磁波の影響を低減させる事が可能になった。
MECM(マグネティック&エレクトロニック=カウンター=メイジャー)にはジャミング機能があり電磁波を撹乱電波によって打ち消す事が出来る。
「活躍」
スペースゴジラのアステロイドベルト来襲に伴い推進システムを換装して出撃。初戦ではスペースゴジラの強力な電磁波と攻撃力の前に敗退を余儀なくされてしまう。
その後、スペースゴジラに有効な兵器と電磁波対策をした対スペースゴジラ仕様にするべく強化改修が施される事になった。
福岡での決戦ではスペースゴジラがエネルギー供給に利用していた福岡タワーを破壊、「スパイラルグレネードミサイル」で敵の「クリスタルジェネレーター」を破壊し弱体化させた。
さらに「プラズマレーザーキャノン」「プラズマメーサーキャノン」を同時に発射する「オールウェポン」による攻撃でダメージを与える事に成功。
後にスペースゴジラの「テールスマッシャー」を受けた事により機能停止、再起動後に特攻を仕掛けて再び機能停止に陥り、最後はゴジラの「バーンスパイラル熱線」によってスペースゴジラと共に大破・炎上してしまう。
飛行形態でプラズマレーザーキャノンを放つMOGERA
MOGERA最強の兵器プラズマメーサーキャノン
二つのレーザー兵器を同時に放つオールウェポン
スペースゴジラにクラッシャードリルを仕掛けるMOGERA
クリスタルジェネレーターを破壊したスパイラルグレネードミサイル
ランドモゲラー
全長 | 85.0m |
全幅 | 40.0m |
重量 | 90000t |
材質 | 超耐熱合金NT1 |
動力源 | レーザー核融合炉 |
地上速度 | 120km/h |
地中速度 | 60km/h |
武装 | バスタードリル、自動追尾式レーザー砲×2、地対空レーザーキャノン |
乗員 | 最大3名 |
「MOGERA」の上半身を構成する地底戦車で、合体時にはMOGERAのコクピットと共通になる。
脱出装置は存在していないため、緊急時にはコクピットに設置されたハッチから外に出るか、「スターファルコン」に移動する必要がある。
合体時の両腕に相当する人工ダイヤモンド製の「バスタードリル」とドリルに搭載された「自動追尾式レーザー砲」で地中を時速60mキロで掘り進む事が可能。
劇中ではスペースゴジラのエネルギー供給を絶つために福岡タワーを破壊している。
自動追尾式レーザー砲で地中の岩石を破壊しつつドリルで土を掘削しながら進む
アンテナ部の地対空レーザーキャノン
スターファルコン
全長 | 80.0m |
全幅 | 67.0m |
重量 | 70000t |
材質 | 超耐熱合金NT1 |
動力源 | レーザー核融合炉 |
飛行速度 | 306km/h(大気圏内)、マッハ35.3(大気圏外) |
武装 | 省電力メーサーバルカン砲2門 |
乗員 | 最大3名 |
「MOGERA」の下半身を構成する高機動戦闘機。前作のガルーダをベースに開発されたという設定のため当初は「ガルーダII」という名称も存在していた。
本機は合体後の推力を担っており単独で宇宙空間の運用も可能になっている。また合体時には脱出艇としても機能する。
武装は「省電力メーサーバルカン砲」以外にも爆弾が搭載可能で大気圏外からの爆撃も想定されていた。
劇中では福岡タワーを破壊する「ランドモゲラー」と「ゴジラ」の援護を行なっている。
両翼を収納するスターファルコン
省電力メーサーバルカン砲
その他のモゲラ
漫画版ゴジラvsスペースゴジラ
映画版と比べ登場キャラやストーリーに若干の違いがある。
Gフォースに転属した結城がMOGERAを強奪、さらに追撃してきたメカゴジラを一方的に撃破している。
ちなみにメカゴジラに乗っていた女性パイロットはMOGERAに飛び乗っており、後に成り行きで結城と二名体制で操縦する事になった。
また、スペースゴジラを倒した後に映画版ではなかったゴジラとの決闘も描かれていた。
ゴジラアイランド
1997年から1998年にかけて放送されたゴジラを題材とした特撮アニメ。登場怪獣には着ぐるみは使用されず、改造したソフビ人形で撮影されているのが特徴。
・モゲラ
怪獣達の楽園「ゴジラアイランド」の保安組織「Gガード」に配備された兵器として登場。メカゴジラと共に地球侵略を企む異星人と戦う。
第1シーズンは本作のヒロインである「トレマ」が搭乗するが、第2シーズンからはGガード基地内の売店で店員をしていた「香田ナオ」の搭乗機会が多くなる。
メカゴジラと同じく電子頭脳を搭載し、パイロットが不在の場合でも稼働する事が可能。
・プロトモゲラ
第1シーズンから登場した土木工事用のロボット。
建設中のGガード第2基地の破壊を目論む「ザグレス」に強奪されており、分厚い装甲と強力なレーザーでゴジラ・モスラ・ラドンを寄せ付けなかった。
また、ゴジラをマタンゴ島の洞窟に閉じ込めるがゴジラとトレマの共闘で倒される。
その後、復活したプロトモゲラは再度強襲を仕掛けるが故障、あらぬ動きで洞窟を塞いでいた岩を砕きゴジラとトレマを逃してしまう。
ゴジラ(ファミコン用ソフト)
1988年に発売されたファミコン用ソフト「ゴジラ」に「地球防衛軍」版のモゲラが登場。
ゲーム内ではミステリアンではなくX星人にコントロールされているという設定になっている。ステージ1「地球」から最終ステージの「X星」までゴジラの敵として度々出現する。
歴代モゲラの感想
歴代の東宝怪獣映画やゴジラシリーズで登場したモゲラを紹介しました。
モゲラという名前から「モグラ」連想する人も多いのではないかと思いますが、モグラをモチーフにした様なデザインになっていると思いますし、劇中での活躍を見てみるとまさにモグラの様に地面の中を掘り進む描写が多いと思います。
「地球防衛軍」に登場した初代モゲラは防衛軍を圧倒出来るほどの戦闘力を持っているのにも関わらずどこかマヌケな所があるロボットという印象です。
「ゴジラvsスペースゴジラ」に登場したMOGERAに関しては前作のスーパーメカゴジラでゴジラを追い詰めた実績とノウハウがあるのでGフォースのさらなる強力な兵器として活躍しましたが、ゴジラを倒せるほどのスペックを持っていながらもスペースゴジラとの戦いで大破してしまったのが惜しいと思います。
次作ではスーパーXIIIが登場して活躍しましたが、スーパーXはGフォースの兵器ではなく陸上自衛隊の兵器ですので、MOGERAが実質的にGフォースにとって最後の超兵器という事になるかと思います。