〜 前回までの流れ 〜
・突如島に現れた勇者の家庭教師アバンとその弟子のポップ。・魔王の復活により世界各国の危機を救うべくダイとアバンは一週間で勇者になるためのスペシャルな特訓を開始する。
・ハードな特訓に励むダイはすぐにその素質を開花させ、わずか数日でアバン流刀殺法大地斬を修得する。
・ダイの素質を見抜いたアバンは実戦での特訓を行うため火竜変化呪文=ドラゴラムを使うのだった。
新作 ドラゴンクエストダイの大冒険(2020)について
1991年に放送された「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」を2020年10月にリメイク版として再構築し放送されたアニメ。
このブログでは旧作や原作との比較や個人的に感じた事、言いたい事をレビューしていきます。
― 第4話 「魔王ハドラーの復活」 新旧比較と感想 ―
デルムリン島付近の海上に魔王ハドラー出現!
ここからは旧作の第6話「魔王ハドラー出現! キメろ必殺技海波斬!!」に相当する。
勇者の家庭教師アバンに弟子入りしたダイ。
しかしその特訓は超絶ハード試練の連続であった。
成長著しいダイにさらなる試練を与えるためアバンはドラゴンに変身し果敢な技で挑んだ。
1991年
2020年
冒頭で黒魔王ハドラーがいマントに身を包んだ姿で出現。
新作では雷鳴の中出現するのみなのだが、旧作では漁師達の乗る船を破壊するシーンがある。
デルムリン島に結界が張ってある事を知ったハドラー。
アバンが島にいる事を偵察隊から情報を得ていた様子。
ハドラー「あの島か・・・小癪な奴め」
ドラゴンに変身したアバンと戦うダイ
ドラゴラムでドラゴンに変身したアバンは炎を吐きダイに攻撃を仕掛ける。
ダイはパプニカのナイフで斬りかかるが、ドラゴンに鋼の皮膚に刃が通らない。
ダイ「だったら・・・アバン流刀殺法、大地斬だ!」
アバン「力任せの剣では勝ち目はありませんよ!!」
ドラゴンの炎がダイを襲う。
不安になるブラスじいちゃんとゴメちゃん。
ゴメちゃんは慌ててポップの元に行き助けを求める
どうやら一人で何か特訓をしていた様子。
ポップ「いいか? オレは別にダイに対抗して練習してたわけじゃねえんだから・・・」
ダイがピンチだということを必死に訴えるゴメちゃん。
言葉が喋れないのでアバン顔になったりしたりドラゴンになったりで体の形を変える。
ポップはそれを見るなり慌ててダイの元へ駆けつける。
ポップ
「まさかっ!!先生、なんて恐ろしい事を!!」
「第一アイツはヒャドもろくに使えないんだぞ、ドラゴンの炎をどうやって防ぐんだよ!」
1991年
2020年
海波斬でドラゴンの炎を切り裂いたダイ。
アバンは鼻周辺を切り裂かれて元の姿に戻ってしまった。
旧作ではこの特訓でドラクエ4のBGM「戦闘-生か死か-」が流れます。
鼻を怪我して痛がるアバン。
旧作では鼻から血をアバンが笑いながら血を流す描写がある。新作では手で押さえるだけで、流血シーンはカットされている。
こういうスポンサーや視聴者を過剰に意識した所がTHE・今どきのアニメって感じ。
旧作ではアバンが笑いながら鼻から血を流すシーンがあるのだが、新作ではその様な描写は見られない。
ポップ「自業自得ですよ先生・・・ドラゴラムで修行なんて無茶苦茶やるんだもん」
アバン「やぁ、初めてガーゴイルと戦った時、ダイ君の剣の威力が海を割ったでしょ?だから海波斬はいきなりでも出来るかな〜なんて・・・」
1991年
ちなみに旧作ではこのやり取りの途中でガーゴイルと戦った時の回想シーンが流れる。
尺の問題があるのかもしれないけど、昔のアニメの様に随所に回想シーンが入る演出は個人的には好きですね。
その方が感情移入できし、状況がわかりやすい。
1991年当時に放送していた「ドラゴンボールZ」も回想シーンが多かった印象。
過去を振り返る事で「こういう事もあったな〜」と視聴者に訴えかける事ができて表現力も上がるのでは?と思う。
最近のアニメでも積極的にこういう演出は取り入れて欲しい。
1991年
2020年
旧作では血が出ている鼻に絆創膏を貼ってみんなでゲラゲラ笑うシーンがあるのだが、
新作ではダイのヒャドで作った氷で鼻を冷やすシーンに変わっている。
ちなみに新作ではポップが一人で修行してた所をゴメちゃんが告げ口して皆んなで笑うシーンに変更されている。
島の結界の中に侵入するハドラー
突然島全体に地響きが起こる!
何者かが島の魔法陣を破ろうとしている・・・。
1991年
並みのモンスターでは破れない島の結界。
この状況に嫌な予感がするアバン・・・。
先ほどの状況から一変し一気に緊張感が高まったシーンである。
アバン
「並のモンスターでは一歩たりとも立ち入れぬはず・・・」
「まさかっ・・・!」
ポップ「諦めたのか?」
ダイ「来る・・・!、物凄い奴が来る! 悪のエネルギーをビリビリ感じる!」
魔王ハドラーの強烈なエネルギーに怯えるブラス。
アバン「どうやら、不安が的中してしまったようです。」
デルムリン島に魔王ハドラーが侵入
アバンの作った結界を破り、ついに島に侵入したハドラー。
ちなみに旧作では洞窟の天井を突き破って侵入してきた。
ハドラー「フハハハハハハッ貴様の魔法陣に中々骨を折らされたぞ」
アバン「やはり復活していたか、魔王!」
ダイ「魔王?」
ポップ「魔王!」
アバン「ハドラー!!」
アバンはかつて魔王を倒した勇者だった
1991年
2020年
ハドラー「久しいな・・・勇者アバン!」
ダイ「勇者?」
ポップ「先生が勇者?」
ハドラー「かつて貴様はこの俺の野望をことごとく打ち砕き、あまつえ我が命をも奪った!」
ハドラー「あの痛みと屈辱は決して忘れん!」
1991年
この場面で旧作では新作より少し長めの回想シーンがある
勇者アバン「アバンストラーッシュ!!!」
ブラスは語る。かつての世界を支配していた魔王を倒し世に平和をもたらした勇者こそがアバンだったと。
ダイ「本当なの?先生?」
アバン「古い話ですよ。さあ離れていなさい!」
ダイは一緒に戦おうとしていたが足手まといになると言いポップがそれを制止する。
ポップ「まさか先生が魔王を倒した勇者だったなんて・・・オレとんでもない人の所へ弟子入りしてしまったな・・・!」
進化したハドラーと大魔王の影
挨拶がわりと言わんばかりに「イオラ」を放つハドラー。
しかしアバンはそれを魔法力で受け止め相殺する。
アバン「魔王のお前自ら出向いて来るとは丁度いい! この場でお前を倒し世界の暗雲を晴らしてやる!」
1991年
2020年
アバン「ベギラマ!!!」
ハドラー
「うわああああああああああぁぁぁぁ、、、ククククククッ・・・フハハハハハハハハハハハハッ!!!」
「何の真似だアバン!!ギラとイオの呪文はこのオレの最も得意とするところ、この程度の炎で俺を倒せると思ったのか!」
「本当のベギラマとはこういうものだ!!」
ハドラー「ベギラマ!!!」
アバン「海波斬!!!」
ハドラー相手にベギラマを放つが全く効かない。
逆にハドラーにベギラマを使われる始末。
アバンは海波斬でベギラマの炎を切り裂くが呪文の一部くらいダメージを負ってしまう。
アバン「凄まじい威力だ・・・以前戦った時よりも遥かに強くなっている・・・なぜ!」
ハドラー「フフフフ、知りたいか?知ればきっと後悔するぞ。貴様は相変わらず俺が魔王だと思っているらしいからな」
アバンに敗れた後、ハドラーは大魔王バーンの力によって蘇生され、以前よりも強力な力を手に入れたという。
そして今は魔軍司令として魔王軍を束ねる総司令官だったのだ!
それを聞いたアバン達は愕然とする。
アバン「なんという事だ・・・」
決戦!!アバン vs ハドラー
ここから先は旧作の「卒業の証は仮免、決戦!!ハドラー対アバン」に相当する。
1991年
ハドラー「俺の部下になれ!!そうすれば世界の半分を与えてやるぞ。」
アバン
「断る!!」
「世界の半分を与える権力があるとは思えん、大魔王の使い魔に成り下がったお前にはな。」
ハドラーは15年前に言った言葉でもう一度アバンに問いかける。
しかし答えはNO、そんな権力などないとハドラーを煽る。
怒ったハドラーは攻撃呪文を使うが空かさずアバンも反撃。
ハドラー「イオナズン!!!」
アバン「アバンストラッシュ!!!」
両者共にダメージを負うがアバンの方が辛そうである。
アバンはダイとの特訓時に使ったドラゴラムで魔法力は消耗していたのだ。
ダイがアバンにトドメを刺そうとするハドラーに対しナイフで斬りかかるも指一本で受け止められてしまう。
ハドラー「そんなに死に急ぎたいのかアバンの弟子よ!!」
容赦なく地面に叩きつけられるダイ。
ポップはその様子を見てこの世に絶望を覚えたのだった。
アバン「ダイ君・・・」
慌ててダイの元へ駆けつけるポップ。
ハドラー「死にたくなければ引っ込んでろ。」
怯えるポップに一度は見逃したハドラーなのだが・・・。
ダイの攻撃を受けた指から出血している事に気づいたハドラー。
ハドラー「あのガキの剣がこの俺に流血をもたらしたというのか・・・」
ハドラー「まて小僧!」
ポップ「なんすか・・・?」
ハドラー「気が変わったぞ。やはりアバンの弟子は一人たりともこの世に残しておけんわ。」
ハドラー「ベギラマ!!!」
ハドラーの放ったベギラマがダイ達を襲う!
ベギラマが直撃!!
しかしダイ達の目の前にはアバンの姿が・・・。
戦いでダメージを負ったアバンだったが、弟子達をかばうためハドラーの呪文を全力で受け止めたのだった。
ダイ「先生ーーーーーー!!!!」
ちなみにこのシーン旧作では「ベギラマ」ではなく「メラゾーマ」になっている。
アバン「い、いかん!!」
1991年
ハドラー「メラゾーマ!!!」
ダイ達「うわあああああああああ!!!」
1991年
アバン「ポップ!!!ダイ君!!!」
新作はこの間にアバンのセリフはなかったが、旧作では弟子達を救おうとする必死さがセリフとして描かれている。
1991年
アバンが身につけていたメガネが割れるシーン。
スローモーションによってこの悲しい場面が描かれていた。
蘇ったハドラーの尋常ではない強さ、アバンやダイ達の行方など危機迫る悲惨な状況がこのワンシーンに込められている気がする。
第4話の感想と批評
新作をここ数話見てみてもやはり旧作の方が表現力があるように思った。
同じシリアスなストーリーでも旧作では一つ一つのシーンがより重たく感情移入しやすい内容で描かれている。
表情やセリフなど表現が細かいというか旧作の方が幅広い表現力があるなと見ていて感じた。
一方、新作では何か淡々としているかシリアスなシーンなのにあまり重たくない感じに写った。BGMの違いもあるのだろうけど。
リメイクされたドラゴンボールZなんかも同じかな。
あと気になったのが、最後のシーンで旧作ではメラゾーマを使うところが新作ではベギラマに変更されているところ。
原作を見ても思ったのだが、作者の好みなのか作中ではベギラマの活躍シーンが多い。
そんな作者の意向が反映されているのか、それともアニメ制作側がそうしたかったのかハドラーがダイ達に放った呪文がベギラマだった事に対して「やっぱりか」という思いと、個人的にはメラゾーマの活躍シーンが好きだったので、なんで変えるんだよという思いが入り混じっている。
ドラクエ1と2ではベギラマが強力な攻撃呪文だったので作者には思い入れがあるのかも知れない。
第4話のCMアイキャッチ