〜 前回までの流れ 〜
・魔王ハドラーがデルムリン島に現れた。迎え撃つアバンはかつて魔王を倒した勇者だった。
・しかしハドラーの上には大魔王バーンという存在があった。
・時を超えて再び戦う事になったアバンとハドラー。しかし復活したハドラーの力はアバンの想像を遥かに上回っていた。
新作 ドラゴンクエストダイの大冒険(2020)について
1991年に放送された「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」を2020年10月にリメイク版として再構築し放送されたアニメ。
このブログでは旧作や原作との比較や個人的に感じた事、言いたい事をレビューしていきます。
― 第5話 「アバンのしるし」 新旧比較と感想 ―
今のままでは魔王軍に勝てない事を悟ったアバン
ここからは旧作の第7話「卒業の証は仮免、決戦!!ハドラー対アバン」に相当する
苦戦しているアバンを助けようとハドラーに斬りかかったダイ。
手傷を負ったハドラーはダイ達に向かってベギラマを放つ。
そんな中弟子達を助けようとして炎を全身に受けたアバンは重症を負ってしまった。
現有戦力では魔王軍に勝てないことを悟ったアバン。
アバン
「敵は私の想像を遥かに上回る存在でした。今の我々の戦力では勝てません。」
「だからこそ奴だけは魔軍司令ハドラーだけは!私がこの場で倒します。」
「そしてダイ君、ポップ・・・あなた達の手でいつか大魔王バーンを倒してください!」
ポップ「まさか・・・先生死ぬ気じゃ・・・。」
ダイ「先生!俺も戦う!!」
アバン「アストロン!」
アバン「これならみんな安全です。そこで私の最後の戦いを見守っていてください。」
残り少ない魔法力をダイ達に使ったアバン。
強い覚悟がうかがえる。
早めの卒業式。アバンの印をダイ達に託す
場の空気を読んだのか、少し時間が欲しそうなアバンにハドラーも何かを察した様子。
1991年
旧作の場合、魔法力が尽きたアバンに勝ち目がないと思ったハドラーはこの言葉を聞いてすんなり了承しアバンもそれに対し礼を言うシーンがある。
アバン「ハドラー、甘えにも情けがあると言ったな。もう少し時間をもらおう。」
ポップ「アバンの印、卒業の証だ。」
ダイ「卒業の証?」
アバンいわく一人前と認めた生徒に対して渡すものだという。
ダイとポップそれぞれに惜しむ様に声をかけアバンの印を授けた。
ポップ「元勇者だかなんだか知らないけど、なんでそんな無茶をするんですか!勝てない相手だって自分で言ったじゃないですか!!」
アバン「勝てない相手だからこそ命を懸ける必要があるのです。」
「それにねポップ、やっぱり修行で得た力と言うのは人のために使うものだと私は思います。」
旧作ではこの場面でドラクエ4の第1章のフィールドBGM「戦士はひとり征く」が流れる
1991年
アバン
旧作「おやおやまだ仮免中なのにそんなに感動してもらっては困りますー」
新作「おやおやまだ仮の卒業なのにそんなに感動してもらっては困りますよ」
“仮免中”という言葉がなぜなくなったのか?
仮免って聞くと何か運転免許証を象徴する様な言葉のようで、若者の車離れが指摘されている現代にはそれが相応しくなかったのか分かりませんが、何か演出に番組作者の思想みたいなものが見え隠れします。
ちなみに個人的には「仮免中」でも良かったと思います。
アバン「これからもブリバリ努力してくれないとそれに相応しい勇者になれませんからね!(ニコッ)」
このニコニコシーンに関してはバブルテイストの演出に合わせてきた気がする。
ブラス「アバン殿早まってはいかん!」
アバン「大丈夫、私は絶対に負けませんから」
何か意味深な言葉を残したアバン。
ダイ達はこの後、この言葉の本当意味目の当たりにする事になるのだが・・・。
接近戦で全く勝ち目のないアバン
ここからは旧作の第8話「アバン自己犠牲呪文に散る!?撃て・最高技!!」に相当する
アバンとハドラーの再戦。
まだまだ余力があるハドラーに対して体力を消耗しているアバンでは全く太刀打ちができなかった。
スピードが鈍ってしまったアバンの剣がハドラーに当たらない。
近接攻撃で打ちのめされるアバン。
1991年
新作では特に会話がないのだが旧作では以下の会話が存在する
ハドラー「もう後がないぞアバン」
アバン 「私の前に道はある。退く必要はない!」
ハドラー「相変わらず生意気な奴よ」
この絶望的な状況の中でアバンには何か策がありそう。
自己犠牲呪文(メガンテ)を使うアバン
渾身の一撃を繰り出すハドラー。
しかしアバンは避けない。
僅かな隙をついてアバンはハドラーの頭に指を突き刺す。
アバン「この呪文はほとんど魔法力を使わない。その代わり己の全生命エネルギーを爆発力と変えて敵を討つのだ!!」
ハドラー
「まさか!?この呪文は!!」
「死ぬぞ!!貴様も死ぬんだぞ!アバン!!それでいいのか!!」
ハドラーの言葉を聞いてアバンが何かを思い出したかの様な演出。
この人は後のストーリーに関わってくる人物。
1991年
ちなみに旧作ではこの辺りの描写に相違がありハドラーが油断する一幕も。
ハドラー「ハハハハッそうかもうワシには叶わんと諦めたのか?グハハハハハハハハハハッ」
アバンが呪文を唱えるシーン
この時にドラクエ2のラスボス(シドー戦)の曲「死を賭して」が流れる
最後の破壊呪文を使う前にアバンが弟子達に最後の想いを告げる悲しいシーンがある。
アバン「ポップ、ダイ、後は頼みますよ」
ダイ「先生!!!」
一言ずつ噛みしめる様に呪文を唱えるアバン。
アバン「メ・ガ・ン・テ!!!!」
爆発前の最後のシーン。
悲しい光がデルムリン島の空を突き抜ける。
2020年
新作でアバンが最後に言葉を残すシーン。
旧作の様な哀愁感のある演出ではなくなっている。
またメガンテを唱える時も重みのある言い方というより、さらっと一言で終わってしまう感じになっている。
アバン「ポップ!!ダイ!!後は頼みますよ!!!」
ハドラー「やめろーーーーーーーーー!!!!」
アバン「メガンテ!!」
メガンテの光が空を突き抜けデルムリン島全体を包み込みアバンは消えた。
1991年
旧作のメガンテを使った直後のシーン。
地面に突き刺された剣を背景にアバンの姿が映し出される悲しいシーン。
ここではドラクエ4のBGM「戦士はひとり征く」が流れる。
ブラス「己の命とは引き換えに仲間の命を救う最後の破壊呪文を使うとは・・・。アバン殿あなたという人は・・・。」
突然の地響き。ハドラーは生きていた
地面の底から出てきたハドラー。
しかしかなりのダメージを受けているようだ。
ハドラー「やはり衰えたわアバンめ!!自らの命を懸けたメガンテでもこのオレにトドメを刺すには至らなかった!!ハハハハハハッ!!」
自力でアストロンを破ろうとするダイ
ハドラー「貴様らアバンの弟子どもをこの場で根絶やしにしておかなくてはな!」
メラの炎でダイ達を焼き尽くそうとするハドラー。
ダイ「ここでやられちまったら先生は何のために命を捨てたんだ!!」
怒りで我を失ったダイのドラゴンの紋章が反応、自力でアストロンでできた鉄のバリアを破ろうとする。
これに驚くポップ達とハドラー。
ハドラー「メラゾーマ!!!!」
ダイ「ヒャダイン!!!!」
メラゾーマを放つハドラー。
すかさずダイはヒャダインを使う。
紋章の力で大幅に上昇した魔法力でメラゾーマの炎を打ち消した。
ちなみに旧作ではアストロンを破る前にメラゾーマを撃つ。
格闘戦に持ち込もうとしたハドラー。
しかし攻撃力が飛躍的に上がったダイの前では通用しない。
ダイの額の紋章を見て怯えるハドラー。
ハドラー
「バカな!?あの紋章は・・・ドラゴン!!」
「ドラゴンの紋章だと・・・こんなガキがドラゴンの騎士だとでもいうのか!!?あああ、ありえん!!」
ダイ「よくも・・・よくも先生を・・・!!許さない!!!」
1991年
ちなみに旧作ではレオナ姫がピンチになった時やキラーマシン戦でダイの紋章が光り強力な魔法を使った回想シーンがある。
覚醒したダイとハドラーの戦い
いきり立ったハドラーにパプニカのナイフで応戦するダイ。
ダイの剣がハドラーの拳にダメージを与えた。
これに激昂したハドラーはヘルズクローでダイに攻撃を仕掛けるが当たらない。
最後の魔法力でイオラを使うハドラー。
呪文はダイに命中した模様。
ハドラー「くらえ!イオラ!!!」
「どうだ・・・!残り全ての魔法力を込めた呪文だ・・・!これでおしまいだろう、フフフフフ、フハハハハハッ!!」
ポップ「ダイ・・・お前までやられちまったのかよ・・・!」
必殺のアバンストラシュを決めるダイ
呪文が直撃したダイだったが全く効いていない様子。
ダイ「先生の技がどれだけ凄いか・・・受けてみろ!!!!」
ダイ「アバンストラッシュ!!!!」
アバンストラッシュをくらったハドラーはダイに必ず復讐すると言い残し、キメラの翼で鬼岩城まで退散していった。
ハドラー退散後、暗闇に覆われていたデルムリン島の空が明るくなっていった。
ポップ達のアストロンも解ける。
師を失い泣き崩れるポップ。
ポップ「先生・・・、先生・・・、先生・・・!!、うわーーーー!!!!」
旧作ではダイも涙を流すシーンがある。
1991年
ちなみに旧作ではポップが涙をな出すシーンの後、アバンとの思い出を回想するシーンがある。
やはり旧作は演出は細かいですね。
視聴者が感情移入しやすい演出がとても多いと毎回思う。
奇岩城で傷を癒すハドラー
大魔王バーンと会話している様子。
ハドラー「たしかにアバンは死んだ。だが真にアバンより恐ろしいのはあのダイという小僧」
ダイがドラゴンの騎士であることをかなり警戒している。
ハドラーはドラゴンの騎士の強さについて何か心当たりがあるのではないだろうか?
第5話の感想と批評
アバンがメガンテを使う直前回想シーンで出てくる人物がある。
後に物語で登場する人物と思われる。(フローラ?の若い頃?)
それにしても原作と作画がやはり違う。(レオナの時もそうだったが)
原作では綺麗めなお姉さんって感じだったが、今回はレオナ同様でなにか子供っぽい感じに描かれている様に見える。
過去の記事でも再三言ってるが、個人的には原作や旧作アニメの作画が至高と思っているので今回の様なデフォルメはして欲しくなかった。
最近のアニメでは女性キャラが幼い感じに描かれる傾向がある様に思う。可愛いさ100%みたいな。
レオナにしてもフローラにしても原作や旧作アニメの綺麗さ50%、可愛いさ50%のお姉さんな感じの作画が良かっただけに残念。
ちなみにここでフローラ?が出てきたとという事は新作のストーリーは原作の最後に相当する部分まで放送するという事だろうか?
やはり新作に期待する事は原作に沿ったストーリーまで完結する事にあると思っている。
正直なところ新作では作画もセリフも声もOP/ED曲もBGMもあまり期待できない。
旧作では「すぎやまこういち」のドラゴンクエストのBGMが使われていたし、OP曲の「勇者よいそげ」とED曲の「この道わが旅」も「すぎやまこういち」の曲で凄く豪華であった。
バブルの頃とはお金の掛け方が違うのかな?と思うし、残念だけどアニメのクオリティは旧作には遠く及ばないし次元が違い過ぎる。
それよりも旧作では成し遂げられなかった原作部分の全話完結をしてほしい。
旧作は途中で打ち切りになってしまったからな。
第5話のCMアイキャッチ