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ガンダムの定義について考えてみた (宇宙世紀ガンダムシリーズ)

ガンダムの定義について考えてみた (宇宙世紀ガンダムシリーズ)

ガンダムシリーズで登場する「ガンダムの定義」についてまとめてみました。

ガンダムファンであれば普段何気なく認識しているガンダムですが、そもそもガンダムとはどういった基準があるのか?

また、ガンダムと呼ばれる機体にはどの様な共通点があるのか?またそれはガンダムの定義として成立するのか?を見ていきたいと思います。

ガンダムの基準は作品ごとに違う

ガンダムの基準は作品ごとに違う / ガンダムの定義について考えてみた結論から言うと「シリーズを通して共通の定義は存在しない」という事になります。

ちなみに宇宙世紀シリーズ以外の作品群である「アナザーガンダム」では”ガンダム”と呼ばれる基準が各作品ごとに異なっています。

以下ではアナザーガンダムの世界におけるガンダムの定義をまとめてみた。

「機動武闘伝Gガンダム」
ガンダムファイト用に開発されたモビルファイターの総称。

「新機動戦記ガンダムW」
オペレーション・メテオのために開発されたガンダニュウム合金製の機体。

「機動新世紀ガンダムX」
旧連邦が開発したニュータイプ専用の決戦用モビルスーツ。

「∀ガンダム」
過去の文明を破壊し尽くした「黒歴史」の遺産で、ムーンレィスの伝説では「宇宙移民の大いなる迫害者」として語り継がれている。

「機動戦士ガンダムSEED」
コクピットのディスプレイに表示されるOS名の頭文字が「GUNDAM」と読める事から、キラ・ヤマトはストライクを「ガンダム」と呼んでいる。

「機動戦士ガンダム00」
半永久機関である「GNドライヴ(太陽炉)」を搭載した機体の事を指すが、セカンドシーズンでは擬似太陽炉が広まった事によりガンダムか否かは外観で区別されている。

「機動戦士ガンダムAGE」
過去の大戦において戦争を終結に導いた救世主である”ガンダム伝説”に基づきAGEシステムを搭載した機体。

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」
ガンダムフレームというMS用のインナーフレームが採用された機体。

「機動戦士ガンダム 水星の魔女」
宇宙適合用の義体をMS操縦システムに転用した「GUNDフォーマット」を搭載する「GUND-ARM」と呼称されている機体。

宇宙世紀におけるガンダムの特徴と定義

宇宙世紀が舞台となる作品では「機動戦士ガンダム」に登場する「RX-78-2 ガンダム」が原点とされています。

U.C.0079年に勃発した一年戦争において多大な戦果を挙げたガンダムはMS単体で戦局を変えられる高い性能を見せつけ、後年においてもエースパイロットの専用機としてその存在価値を確立していく事になりました。

しかしながら宇宙世紀シリーズでは公式に”ガンダムの定義は明らかにされていません”

そのためガンダムファンの中でもどの様な条件を満たせばガンダムになるのか議論の的になる事も少なくない様です。

ここでは一般的にガンダムと認識されているモビルスーツの特徴を挙げ、それぞれが「ガンダムの定義」として相応しいのかを見てみます。

 物語の中核を担っている

物語の中核を担っている / ガンダムの定義について考えてみた
“ガンダム”というタイトルである以上、ガンダムが主役メカである事はお約束。

とはいうものの、サイコガンダムの様にストーリー上では欠かせないが、主役メカではなくヒール役的な描写がされている機体も存在する。

また、大多数のガンダムは主役メカとして活躍しているが、そもそも「物語の中核」というのは主人公の搭乗メカの事なのか?それともストーリー上で欠かせない存在なのか?定義としてあやふやな部分がある。

 見た目がガンダム

見た目がガンダム / ガンダムの定義について考えてみた
ガンダムと認識できる機体の特徴として多くの人が挙げるのは頭部の「デュアルアイ」「Vアンテナ」ではないだろうか?

これは初代ガンダムである「RX-78-2 ガンダム」の機体デザインが由来となっており、以降の宇宙世紀シリーズの作品においても継承されている事から、ガンダム以外の他の機種と差別化できる最も分かりやすい情報としてファンの中でも定着している。

とはいえ、ネオジオン軍のMS「クインマンサ」の様にガンダムフェイスでありながら、ガンダムに分類されない機体も存在する。

また、「百式」の様にVアンテナを持たないガンダムタイプのMSも存在する。

そのため「デュアルアイ+Vアンテナ」はガンダムが持つ共通点として多くの機体に当てはまるものの、ガンダムである事を認識させるツールの一つでしかないのである。

 ガンダムという名を冠している

ガンダムという名を冠している / ガンダムの定義について考えてみた
もっとも「リ・ガズィ」「Zプラス」「デルタプラス」の様にガンダムタイプとして認識されながらも”ガンダム”の名を冠していない機体も存在する。

また、一年戦争以降、歴代のガンダムは強大な勢力に立ち向かう「正義の象徴」「抵抗の象徴」となり、”ガンダム”という名前もその神通力を期待する意味で利用されてきた。

U.C.0123年を舞台とする「機動戦士ガンダムF91」では地球連邦軍の「レアリー・エドベリ中尉」がF91の顔を見て「昔 こんな顔のモビルスーツがあったわね」と発言、その後に機体コード「ガンダムF91」にするというシーンがある。

U.C.0153年を舞台とする「機動戦士Vガンダム」ではガンダムは抵抗の象徴として伝説化していた。

またリガミリティアが開発した「ヴィクトリータイプ」のMSは機体デザインが歴代ガンダムを彷彿させる事もあってか、ザンスカールの兵士からは「白いモビルスーツ」と恐れられていた。

U.C.0169年では戦乱の長期化により開発・生産能力が低下していたという背景もあり、”ガンダムは希少価値の高い強力なMS”と認識されている。

この様に「ガンダム」という名前に対する認識は時代ごとに多少の変化はあるものの、正義や勝利のシンボルを信じた”験担ぎ”を目的として利用されてきたのである。

 ガンダリウム合金製

ガンダリウム合金製 / ガンダムの定義について考えてみた
一年戦争で一部のモビルスーツの装甲素材として使用されていた「ルナ・チタニウム合金」は、「RX-78-2 ガンダム」に使用されていた事が由来となり、後に「ガンダリウム合金」と呼ばれる様になった。

高い剛性・耐熱性を備えている事から様々な後の時代においても様々なガンダム系のMSを中心に使用されており、「リック・ディアス」に至っては「ガンダリウムγ」が使用されているという理由から「γガンダム」と名付けられる予定だったという。

だが、ガンダムを良く知るシャア・アズナブルこと「クワトロ・バジーナ」からは「ガンダムの名を使うのは、先代のガンダムに申し訳ない」という反対もあり実現には至らなかった。

この様な経緯からしてガンダムタイプのMS=ガンダリウム合金製と思われがちだが、「ガンダムMk-II」の装甲素材には「チタン合金セラミック複合材」が使用されておりガンダリウム合金が使用されていない。

また、「陸戦型ジム」に関しては”ガンダム”では無いのにも関わらず「ルナ・チタニウム合金(ガンダリウム合金)」が使用されており、「クィン・マンサ」「ゲーマルク」などネオジオンのMSにもガンダリウム系の素材が使用されている事から必ずしもガンダリウム合金製のMSがガンダムとは限らないのである。

 設定上”ガンダム”と分類されているモビルスーツ

設定上”ガンダム”になっているモビルスーツ / ガンダムの定義について考えてみた
“ガンダム”という名前ではないものの、公式の設定により一般的にガンダムと認識されている機体も存在する。

代表例として「百式(δガンダム)」や「リックディアス(γガンダム)」が挙げられる。

これらの機体に関して劇中では”ガンダム”という名称で呼ばれていないものの、開発コードに「δ(デルタ)ガンダム」「γ(ガンマ)ガンダム」となっている事から「ガンダムタイプ」として認識される事もある。

ガンダムの定義についての感想

今回は各ガンダム作品の定義やガンダムの共通点についてまとめてみました。

アナザーガンダムについては作品ごとにガンダムの基準が明確である事が多いものの、ガンダムの原点である宇宙世紀シリーズに関しては公式では定義がはっきりされていません。

また宇宙世紀シリーズではガンダムの絶対的な共通点も存在しない事も分かりました。

個人的にはガンダムっぽい機体であっても公式がガンダムタイプとして認めていなかったらガンダムでは無いですし、逆にリックディアスみたいに設定上では開発コードが「γガンダム」となっているモビルスーツに関してはデザインや名前、性能がどうであれガンダムであると思っています。

また、Zガンダムの量産型MSに位置付けられた「リ・ガズィ」や、同じRGZ系列の「リゼル」などもガンダムタイプとして扱っても良いのではないかという認識です。

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