ダイの大冒険のマスコットキャラ「ゴメちゃん」の活躍をまとめてみました。
羽の付いたスライムという愛らしい形をした本作のマスコットキャラクターであるゴメちゃんですが、作中ではダイ達と同行し彼らの窮地を救う場面がいくつも存在します。
しかし物語の最後ではゴメちゃんの意外な正体が明かされ、大魔王でさえも危惧する存在として描かれている不思議な生き物でもあります。
今回はゴメちゃんが起こした数々の奇跡・活躍などを振り返ってみたいと思います。
ゴメちゃんとは?
デルムリン島の住人の1人としてダイの幼き頃より傍にいた「ゴールデンメタルスライム」と呼ばれる生物。
黄金色のスライムの様な形をした身体に翼が生えており、自由自在に空中を飛び回る事ができる。
体が柔らかく狭い場所であればすり抜けする事が可能、また全身を簡易的に変化させてジェスチャーする事もある。
本作のマスコットキャラ的な存在として、時にはダイ達を癒し、時には窮地を救う事もあった。
・ゴメちゃんの真実
その正体は神の嘆きから生まれた「神の涙」という生きたアイテム。
力無き心を通わせた者が手にすると願いを叶えられるとされ、古来より天地魔界が形成逆転される事態と関係あるとも言われている。
神の涙に意思があるのは悪しき者の願いを叶えないためであり、デルムリン島に落ちてきたのは利己心に溺れた人間がいない汚れ無き地であったからである。
ちなみにゴメちゃんは自身が「神の涙」だという自覚はない様子。
・ダイとの出会い
幼き頃にダイが茂みの中で光輝く神の涙を発見。
「ねえ・・・僕の友達になってよ」というダイの願いにより神の涙は「ゴメちゃん」の姿になった。
冒険に出てからは無意識にダイや仲間達の願いを叶え続けていたため力を消耗し、知らず知らずに体が小さくなっていった。
・獣王遊撃隊員
クロコダインからモンスターを呼び寄せる「獣王の笛」を貰ったチウは自分の軍団である「獣王遊撃隊」を結成。
隊員に加入したバピラスの「パピィ」を羨ましく思っていたゴメちゃんも獣王遊撃隊に加入し2号隊員として翼にバッジをつける事になった。
ゴメちゃんのこれまでの軌跡まとめ
ニセ勇者一行に誘拐
第1話「小さな勇者、ダイ」
突如デルムリン島に現れた勇者を名乗る一行にゴメちゃんがさらわれてしまう。
ゴメちゃんを助けるべくダイは島のモンスターを連れて救出に向かうが、ニセ勇者達の前に苦戦。
だがブラスからもらった金の筒で強力なモンスターを出した事で形成逆転、見事ニセ勇者達からゴメちゃんを救出する事に成功する。
ニセ勇者との戦いでピンチに陥るダイ。
ニセ勇者一行に人質にされるゴメちゃん。
無事救出されたゴメちゃん。
ロモス王はその勇気を称えダイに覇者の冠を授けた。覇者の冠は後に大魔王バーンの身体を切り裂く最強の剣へと生まれ変わる重要アイテムである。
あれから数日後、突然無くなった覇者の冠を探すダイだがどこにも見当たらない・・・。
家の外ではゴメちゃんが覇者の冠を被って勇者になりきっていた。
戦闘不能のダイを復活させる
第9話「ひとかけらの勇気」
ダイを追ってロモス王国に攻めてきたクロコダイン。
育て親であるブラスを人質に取られた事で迂闊に手が出せず、ダイは一方的にやられてしまう。
ポップのおかげでブラスは正気を取り戻したがダイは戦闘不能状態のまま。クロコダインにトドメを刺されそうになるポップ。
この絶体絶命な状況をダイに訴えるゴメちゃんだったが、流れ落ちた涙がダイの身体の傷を癒していく。
人質に取られていたブラスだが、ポップの「マホカトール」で正気に戻る。
倒れているダイの上で泣きながら飛び回るゴメちゃん。
ゴメちゃんの涙がダイの身体に降り掛かり身体が光に包まれた。
ゴメちゃんの不思議な力で完全を復活を果たしたダイはクロコダインを倒す事に成功。
マァムの服の中に忍び込み
第12話「ふたりのライデイン」
ヒュンケルによって捕らえられ不死騎団の本拠地へ連れ去られたマァム。
そこへ突然服の中から飛び出してきたゴメちゃんにマァムもびっくり。
ゴメちゃんのおかげで装備品を取り戻したマァムは牢屋から脱出、偶然辿り着いた隠し部屋で「魂の貝殻」を発見する。この貝殻はヒュンケルの父バルトスの死の真相と彼を改心させるための重要なアイテムになった。
突然マァムの服の中から飛び出して来たゴメちゃん。
マァムが不死騎団に捕らえられる時に彼女の事が気になって忍び込んでいた様子。マァムからキスをされて赤くなっていた。
不死騎団のアジトを抜け出す際に辿り着いた隠し部屋で宝箱を発見。
人食い箱かも知れないと怖がるマァムとゴメちゃんだったが、宝箱を開けてみるとバルトスの声が記録された魂の貝殻が入っていた。
ミストバーンからダイのピンチを救う
第17話 不死身の救世主
フレイザードがいるバルジの塔の結界を破るためにダイ達は二手に別れ炎魔塔と氷魔塔に向う。
ところがダイが向かった炎魔塔の前に魔影軍団と妖魔師団が立ち塞がり、ダイはミストバーンの「闘魔傀儡掌」で動きを封じられてしまう。
このピンチにゴメちゃんがミストバーンの顔面に体当たり、闘魔傀儡掌が解けたダイは難を逃れる事になった。
闘魔傀儡掌で身動きが取れないダイ。同行していたバダックもザボエラのザラキで苦しめられていた。
ミストバーンに体当たりを仕掛けるゴメちゃん。普段では見せない速度で敵に迫る。
ミストバーンの持つ暗黒闘気で気絶するゴメちゃん。
ポップを現世に引き止める
第32話「父との決別」
バランにメガンテを仕掛けて命を落としたポップだったが、皮肉にもこの悲劇的な出来事がバランによって奪われたダイの記憶を呼び戻した。
死の世界へ歩みを進めるポップだったが、それをゴメちゃんが呼び戻そうとする。ゴメちゃんの必死の訴えで奮起したポップ。そして息のない身体が突然呪文を使いダイを援護した。
ゴメちゃんのおかげでポップの友を想う気持ちが形となりバランを退けるという奇跡を起こしたシーンである。
ゴメちゃんの呼びかけにもポップの足は自らの意思では止まらず死の世界へ向かっていく。
「ポップのバカー!!弱虫ー!!」と叫んだゴメちゃん。この言葉で初めてポップの足が止まった。
ゴメちゃん「ダイはまだ1人で戦っているんだよ!!それなのに見捨てちゃうんだろ!!情けないよ、ただの弱虫だーい!!」
ポップ「ふざけるな・・・ゴメ公・・・たとえ死んだって俺は・・・俺は・・・俺は!!俺はダイを見捨てたりしねえぞ!!!!」
バラン「バカな・・・!?死人が呪文を・・・!?」
ポップは確かに死んでいたが、魂の力が死してもなお彼の体を突き動かした。
フェンブレンのオリハルコンの身体に体当たり
第50話「我ら獣王遊撃隊」
調査のため死の大地に忍び込んだ獣王遊撃隊はバーンプレスへの入り口である「魔宮の門」を発見する。
仲間の元へ帰り成果を報告しようとしたチウ達だったが、そこへハドラー親衛騎団の1人、フェンブレンが立ちはだかった。
隊員を守ろうと必死に抵抗するチウだったが、フェンブレン相手にはどうする事も出来ず。この状況をなんとかしたいゴメちゃんは身体を発光させ敵に目掛けて体当たり。
オリハルコンで出来ているはずのフェンブレンの身体にダメージを与えチウを救った。
フェンブレン相手に身体を張って部下を守ろうとするチウ。この勇姿に遊撃隊員も涙。
危機感と恐怖を感じつつも徐々に怒りが込み上げて来たゴメちゃんは体を発光させながら猛スピードでフェンブレンに体当たり。
オリハルコンのボディにダメージを受けたフェンブレンは怒り狂い残忍な性格がより表面化する。
フェンブレン「存在の不気味さよりも、雑魚のくせにワシの顔に傷を残した罪の方が万死に値する!!!」
フェンブレンに体当たりをして気を失ったゴメちゃん。
暴走した魔力炉からレオナを守る
第84話「起て、宿命の騎士」
ミナカトールの影響を受けたおかげでバーンパレスの心臓部である魔力炉が暴走、レオナを触手で捕らえてしまう。
ドラムーンのゴロアとの戦いで双竜紋に目覚めたダイはその後、魔力炉を倒す事に成功。魔力炉に吸収されたと思われたレオナだったが、ゴメちゃんが発した黄金の光によって彼女の身体は守られていた。
だが力を使い果たしたゴメちゃんの身体は一周り小さくなっていた。
ミナカトールの影響でバーンから魔法力の供給が途絶えた魔力炉はレオナの魔法力を求めて暴走。
レオナを助けようとしたゴメちゃんも触手に捕まってしまう。
ゴロアとの戦いで双竜紋に覚醒したダイは圧倒的な力で魔力炉を破壊してしまう。
ゴメちゃんの不思議な力によって無傷で済んだレオナ。
レオナの服の中に忍び込んでいたゴメちゃん。
数多くの奇跡を起こし力を使って来たおかげで、以前よりもサイズが小さくなってしまったゴメちゃん。
ゴメちゃんの最期とダイの願い
突然宙を舞う瞳の宝玉。何者が意図的に起こした現象だと確信したバーンはレオナの服の中に収まっていたゴメちゃんを強引に奪い取る。
ゴメちゃんを手にしたバーンは言った、これはスライムではなく「神の涙」神々が造った道具であると。
「ゴメちゃんを殺さないで」と懇願するレオナだったが、そんな訴えも虚しくバーンはゴメちゃんを握り潰してしまう。
ダイが望んだ「世界中の人々と心を一つにしたい」という最後の願いを叶えたゴメちゃんは地上から去っていくのであった。
レオナからゴメちゃんを強引に奪ったバーン。神の涙の存在に危機感を持っていたバーンはゴメちゃんを容赦なく握り潰した。
砕け散っても神の涙が死ぬ事はない。でもダイ達と共に歩んできたゴメちゃんとしての記憶は消えてしまう。
ダイの最後の願いを叶えるというゴメちゃん。ポップが生死を彷徨っていた時と同じ様に、ダイの魂の世界にも入り込み最後のお別れをした。
ゴメちゃんの特徴とこれまでの活躍の感想
ダイの大冒険のマスコットキャラクター「ゴメちゃん」の特徴と活躍をまとめてみました。
当初はゴールデンメタルスライムとしてダイや皆んなに可愛がられてきたゴメちゃんでしたが、その正体は「神の涙」でありダイ達の運命を左右していたという事実が最後に明かされました。
こうやってゴメちゃんの活躍を振り返ってみるとクロコダイン戦のダイ、バラン戦のポップ、魔力炉に捕まったレオナなど数々の命を救って来たのが分かります。
もし、ゴメちゃんがいなければダイ達は早い段階で魔王軍に敗北をしていたでしょう。
ゴメちゃんを狙ったのは最初のニセ勇者だけで、それ以降は魔王軍のターゲットになる事もなく物語が進んでいきました。
ハドラーや魔王軍の軍団長もゴメちゃん=神の涙の存在に気付いていなかったので情報共有も出来ていなかったに違いありません。
もしニセ勇者に誘拐されたままだったら?もしロモス王から覇者の冠を授かっていなかったら?という事を考えると、ニセ勇者との戦いは物語の行方を大きく左右する転換点だったと言えます。
ちなみに大魔王バーンと初めて戦かった時はゴメちゃんも戦場にいたはずなのですが、バーンはゴメちゃんが神の涙である事は気付いてはいませんでした。
ともあれ神の涙といい2人の竜騎士といい天地をひっくり返すほどの力を持つ存在が人間の味方に付いたのは大魔王バーンも計算外だったでしょう。