当方が現役で使っているパソコンはMacBookPro2011 Early(13インチ)と10年以上前の古いモデルなのですがノーマルスペックではWebサイトを閲覧するぐらいならともかくグラフィックデザインや動画編集、アプリ開発などハードな使い方をすると動作がたちまち重くなる事がありました。
10年以上も前のモデルになるMacBookPro2011の動作がかなり軽くなったカスタマイズやメンテナンスの方法を簡単に紹介したいと思います。
今ではMacBookPro2011の中古はかなり安く手に入るようです。
当方の様に購入から10年以上も使っている方、中古で古いモデルを購入した方に何かしら参考になればと思います。
※カスタマイズやメンテナンスは自己責任でお願いします。
ストレージをHDDからSSDに換装
1回目 (HDD 256GB → SSD 256GB)
ちなみに最初の換装はSamsung840Pro(SSD) を7年7ヶ月使用しました。
動画作成やグラフィックデザインなどかなり重い作業をする時も多かったですが、7年以上半以上持ちこたえてくれました。
2回目 (SSD 256GB → SSD 512G)
840Proから860Proに換装。(画像は860Proの読み書き速度)
SSDの容量が倍になる事でセルの量も倍になって書き込みの限界値(TBW)も大幅に向上しています。(ちなみに840Proは故障していません)
MacBookPro2011のノーマルのストレージはHDD(ハード・ディスク・ドライブ)です。SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)に換装する事で読み書きのスピードがかなり向上しています。(500MB/s前後)
HDDの時に比べてSSDは10倍近い速度が出ています。
物理的に読み書きをするHDDに対して、SSDは半導体メモリに読み書きするので早いです。OS上の作業時のデータの書き込み、読み込みが高速化されて当然の様に動作が軽くなります。
注意) SSDにはHDDと違いデータの書き込み量が決まっています。(TBW)
寿命が来たSSDは突然動作しなくなる事があります。
本体メモリを増設
増設前 4GB → 増設後 16GB
メモリを16GBにする事でアプリケーションの同時使用にかなり余裕が出来ました。
ブラウザのタブ常時30個以上、PhotoShop(画像編集)、PremirePro(動画編集)、ソフトウェア開発ソフトなどこれらを全て同時に立ち上げてもメモリに余裕がありサクサク動きます。
メモリとは一時的にデータを書き込む場所のことです。
メモリのアクセス速度はストレージよりも高速です。
主にアプリケーションの動作を早くするためキャッシュデータなどを保存する時に使われます。メモリの容量が少ないとキャッシュの読み書きはストレージで行われるので動作が遅くなります。
ちなみにMacBookPro2011は最高で16GBまで増設可能なので最大値まで増設した事になります。
新品バッテリーに交換
MacBookProに限らずApple系の製品はバッテリーが劣化すると動作が遅くなる事例があります。
当方のMacBookPro2011もバッテリーが劣化するとkernel_taskというプロセスが過剰に働いてCPUの使用率が上がった事があります。
なぜバッテリーが劣化すると動作が重くなるのか詳しい原因はわかりませんがOSがハードウェアの異常を検知している可能性があります。
ちなみにMacBookProのバッテリーが劣化した場合、トラックパッドのクリック感が体感で明らかに分かるぐらいに重くなります。
純正バッテリーでは約4年ぐらい持つと思いますが、他社製のバッテリーだと寿命は経験上2年~4年の間ぐらいです。
ちなみにこの10年でバッテリーは3回交換しています。
CPUファン制御アプリを使う
ファンの役割はPC内の熱を排出する事で安定したCPUの動作が得られる事にあります。
MacBookProデフォルトではファンの回転数は割と低めに設定されているらしく、CPUがある程度高温になるまではファンが元気よく回る事は少ないです。
MacBookProにファンコントロールアプリ「Macs Fan Control」をインストールするとCPUの温度によってファンが回り始めるタイミングを制御する事ができます。
ノーマルの状態では熱排出能力が弱いのでMacが本来持っている性能を引き出しきれてません。
CPUファンの動きを適切に制御し熱排出の効率を上げる事で、MacBookProのパフォーマンスを最大限に引き出す事ができるようになります。
注意点としてはファンが回る機会が増えるので「CPUファンの寿命の低下」「消費電力の増加」のリスクがあります。
CPUファンの清掃 or 交換
CPUファンにホコリが溜まるとPC内の熱の排出が困難になります。
結果、CPUの温度が上昇し熱暴走する可能性もあります。
また、CPUの温度が上昇するとkernel_taskというプロセスが過剰に働いてCPU使用率が上がり動作が重くなる事もあります。
対策としてはMacBookProの底蓋を開けてCPUファンと排熱口に溜まったホコリを取り除いてあげると改善すると思います。
CPUファンは定期的に掃除する事が大事だとおもいます。
ちなみに当方はMacBookPro2011を使用してから10年目にCPUファンを交換しています。
ロジックボードの清掃
結論からいうとロジックボードのホコリを取り除く事で熱の排出が良くなり以前より動作が軽くなりました。
ロジックボードにホコリが溜まるとパソコンの動作に影響を与える事があります。
MacBookPro2011を使用してから10年以上経過した今年(2021年)に突然パソコンの電源が入らなくなる事がありました。
専門家に分解して見てもらった所、キーボード側のロジックボードにホコリが溜まっている事が原因だとわかりました。
ホコリがロジックボードの電流になんらかの支障をきたしていたようです。
普段、MacBookProの底蓋を開けるとキーボード側のロジックボードの状況が分からないので、まさかホコリが溜まっているとは思いませんでした。
ロジックボードのホコリを取り除いたMacBookPro2011の動作を確認した所、電源が入ったのは良かったのですが、ホコリを取り除く前に比べてCPUの温度が下がりやすくなりました。
おかげでパソコン全体の動作が以前よりも軽くなりました。
購入から年月の経つパソコンで突然電源が入らなくなったり、CPUファンを掃除しても動作が重い場合はロジックボードの見えないホコリを疑ってみるのも有りだと思います。
旧式のMacBookProはまだまだ現役で使える
MacBookPro2011のカスタマイズ前と後のスペック、メンテナンス状況は以上になります。現在も動画制作をしたり、Photoshopを使ったりしますがまったく問題なくサクサク動きます。
YouTubeの動画もフルHD(1080p / 60fps)でも問題なく閲覧できます。
またGoogleMapのストリートビューも問題なく表示できています。(特にFirefoxが軽い)
(MacBookPro2011 / 使用期間 2011年 ~ 2021年)
Mac OS X :10.6 Snow Leopard → 10.13.6 High Sierra
ストレージ : HDD 256GB → SSD 512GB
本体メモリ : 4GB → 16GB (8GB×2)
バッテリー :3回交換
CPUファン:1回交換 (定期的にホコリ除去)
ロジックボード:1回掃除 (ホコリ除去)
SSDもメモリも12000 ~ 13000円ぐらいで買えました。CPUファンは890円で買えました。バッテリーも5000円ぐらいで買えました。
SSDとメモリだけでもかなり速度が速くなったので25000円もあればかなり効果が期待できるカスタマイズができると思います。
Amazonで購入した商品の名前を記載しておきます。
※カスタマイズやメンテナンスは自己責任でお願いします。
※MacOSXをHigh SierraにアップデートするにはOSX El Capitanにアップデートする必要があります。
※SSD、CPUファンの交換には別途専用ドライバーが必要です。
「SSD」
Samsung 860 PRO 512GB SATA 2.5インチ 内蔵 SSD MZ-76P512B/EC 国内正規保証品
「本体メモリ」
CFD販売 ノートPC用メモリ PC3-12800(DDR3-1600) 8GB×2枚 204pin SO-DIMM (無期限保証)(Elixirシリーズ) W3N1600Q-8G
「CPUファン」
ExHung® CPU 冷却 ファン 適用する Macbook 13インチ Unibody A1278 A1342 A1280 ZB0506AUV1-6A
「バッテリー」
WorldPlus バッテリー Apple MacBook Pro 13インチ A1322 A1278 交換バッテリー 2009 2010 2011 2012 対応
「SSD交換用の精密ドライバー、CPUファン交換用トルクスドライバー」
アネックス(ANEX) 精密ドライバー 特殊 Y型大 2.6mm No.3470-AL
「SSD交換」
ベッセル(VESSEL) パワーグリップ トルクスドライバー TORX T6×80mm B-5400TX
「その他 (MacBookPro 底蓋用)」
小さめのプラスドライバー
参考:MacBook Pro:メモリの取り外し方法と取り付け方法https://support.apple.com/ja-jp/HT201165