〜 前回までの流れ 〜
・ダイは真の勇者を目指すため、平和を取り戻すためポップとともに大冒険に旅立った。
・ダイとクロコダインの戦いは始まった。だがザボエラから受け取った切り札を取り出す。
・それは邪悪な姿になってしまったブラスじいさんだった。
・手出しのできないダイに情け容赦なしのクロコダインが迫る
「新作 ドラゴンクエストダイの大冒険(2020)について」
1991年に放送された「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」を2020年10月にリメイク版として再構築し放送されたアニメ。
このブログでは旧作や原作との比較や個人的に感じた事、言いたい事をレビューしていきます。
― 第9話 「ひとかけらの勇気」 新旧比較と感想 ―
マゾッホと背中を押されたポップの決意
1991年
獣王痛恨撃をくらったダイとマァムは戦闘不能に。
一方その頃、ロモス城に異変を感じたポップは宿屋の部屋で葛藤に苦しんでいた。
とその時、ニセ勇者一行の1人、魔法使いのマゾッホが部屋に戻ってきた。
「ワシらの仲間にならないか?」
マゾッホはそうポップに言った、だがポップは「俺はアバンの弟子だ、小悪党と一緒にするな」と突き放す。
マゾッホ「ほ~かの有名なアバンの弟子というのは仲間を見捨てる様なものでも務まるのかね~」
そう言い、マゾッホは水晶玉でロモス城にいるダイ達の戦況をポップに見せた。
水晶玉に映っていたのは倒れているダイとマァム、そして魔王軍の手下になってしまったブラスじいさんであった。
この状況にポップは激しく動揺する。
ポップ「だけど俺なんか行ったってクロコダイン相手じゃ・・・」
マゾッホ「勇者とは勇気ある者!そして真の勇気は打算なきもの!相手の強さによって出したり引っ込めたりするのは本当の勇気じゃない!!」
マゾッホも正義の魔法使いになりたくて修行していたが、自分より強いモンスターの前では踏ん張れなかった。ポップの今の現状を見たマゾッホは若い頃の自身の姿を見ている様で黙っていられなかった。
マゾッホの言葉で改心したポップは宿屋を飛び出した。
助けに行きたいけど勝てないかも知れない、恐怖との葛藤に苦しんでいたポップに背中を押したマゾッホのセリフとひとかけらの勇気を振り絞って宿他を飛び出すポップのこのシーンは原作でも屈指の名シーン。
旧作ではマゾッホが「人間にはそれぞれに役割があるというのは違う、初めから役割なんて決まっていない。それぞれの状況でどのような選択をしたかで人間は決まっていく」と凄く共感できる良いことを言っていたのに新作ではカットされている。
旧作ではドラクエ2の城のBGM「王城」が流れる。
ひとかけらの勇気とメラ系最強の攻撃呪文を放つポップ
ダイにトドメを刺そうとするクロコダイン。
「待てーーーーー!!!!」
そこに現れたのはポップだった。
ポップには目もくれないクロコダイン。
蛇に睨まれたカエルの様に怯えるポップ。
ポップ「許さねえ・・・俺の仲間を傷つける奴は絶対にゆるさねえぞ!!!!」
ブラスじいさんを人質に取った卑怯な作戦を指摘し、1対1の勝負を訴えたポップ。
これにクロコダインが乗っかった。ブラスじいさんを気にせずに戦える状況を作ったポップ。自身の最強呪文で勝負する様子。
先手を仕掛けたのはクロコダイン、近接攻撃を仕掛けたが体が並の人間と変わらない魔法使いのポップは必死に間合いを取る。
1991年
クロコダイン「貴様がこれから試そうとしている呪文が俺に通じるかどうかだな!」
ポップ「通じるか通じねえか、今見せてやりゃあ!!!」
ポップ「メラゾーマ!!!!!!」
真空の斧でバリアを作って直撃を防いだというクロコダイン。
もし直撃なら致命傷になっていたのだろうか。
クロコダインは火の呪文を苦手にしているのがわかった。
クロコダイン「腐ってもアバンの使徒だな、まさかメラゾーマを使えるとは思わなかったぞ」
それにしてもこのシーンは原作を見ている時から個人的にお気に入りだった。いつ見てもカッコいいシーン。旧作アニメでも再現され、そして30年近くたった2020年現在でも再現されたこのシーンにあまり手を加えず描画してくれたのは素直に嬉しい。
ポップが強力な呪文をマァムの前で見せた初めてのシーンでもある。
クロコダインもポップがメラゾーマを使える事に驚いている様子なのが凄い印象的だった。
マホカトールと正気に戻ったブラスじいさん
クロコダインの近接攻撃に大ダメージを受けたポップだったがダイの姿見たポップはまだまだやれると立ち上がる。
ポップ「一発や二発くらったくらいでお寝んねしてられねえよな!!」
手に持っているマジカルブースターでクロコダインに殴りかかるポップ。
マジカルブースターの先端にあった魔法石が砕ける。
そのかけらをポップは一つずつ指でブラスじいさんの周囲に弾いた。
クロコダイン「何故そこまで耐える?杖は砕け、魔法力も尽きた貴様に何が出来るというのだ!!」
ポップ
「全部計算づくなんだよ、杖を砕いたのも魔法力を温存したのも」
「これこそ我が師アバンが得意とした伝説の呪文!!」
ブラスの周囲に魔法陣ができる。
ポップ「邪なる威力よ退け!!マホカトーーーール!!!!」
ブラスの周囲に光の魔法陣が作られた。
邪気が抜け正常に戻ったブラスじいさん。
この状況に腰を抜かしそうな勢いで驚くブラスじいさん。
我が子の様に可愛がっていたダイを襲った事に信じられない様子。
ポップ
「心配ねえさ、ダイがダイがいる。ブラスじいさんさえ無事ならダイは思う存分戦えるんだ」
「俺だって出来たら死にたくねえぜ。でもよ俺にだってプライドってもんがあるんだ。仲間を見捨てて自分だけがぬくぬく生きているなんて死ぬよりカッコ悪りいやってそう思っただけさ!!!!」
何か図星を疲れた様子を見せるクロコダイン。
ポップの言葉に心を動かされ自らの行いを考え直すクロコダイン。
自分の立場を守るために卑劣な手段を用いて勝とうとする事に自問自答する。
迷っているクロコダインにザボエラが引き止める様な形で介入する。
勝利は目の前、軍団長の座を失っても良いのか? 葛藤に苦しむクロコダインを引っ張ろうとする。
魔法力が尽きて動けなくなったポップ。
このピンチにゴメちゃんの涙が瀕死のダイから復活させた。
ダイの復活、アバンストラッシュが獣王を切り裂く!!
ゴメちゃんの涙が倒れているダイの体に降り注ぐ。
意識を取り戻したダイ。
同時に卑劣な手段を使った敵に強烈な怒りが沸き起こったダイの額にはドラゴンの紋章が。
クロコダインの攻撃を素手で受け止め真空の斧を破壊したシーン。
竜の騎士として真の力を発揮したダイにとってクロコダインは敵ではなかった。
それにして紋章が出た時のダイはチート級の強さだな。
同じ竜の騎士でもない限り魔王軍の並の軍団長では勝つのが難しいぐらいに。
獣王痛恨撃を再び使おうとするクロコダイン。
マァムのホイミで体力を回復したポップ。
城内にあった剣の元へ全力で駆け抜ける。
ポップ「ぶちかませダイ!!先生のあの技を!!!」
クロコダイン「獣王痛恨撃!!!!」
ダイ「アバンストラーーーーーーッシュ!!!!!」
自身の行いを悔い身を投げた獣王
ダイの一撃がクロコダインの体を切り裂いた。
クロコダイン
「どうせ負けるなら正々堂々戦って負ければ良かったよ・・・。」
「小僧、お前にも教えられたよ、男の誇りの尊さをな・・・。」
目先の勝利に走って自らを見失った事を後悔した獣王は涙した。
そしてダイ達と戦って破れた事はむしろ誇りだと言い残しクロコダインはロモス城から身を投げた。
第9話のCMアイキャッチ