νガンダムのサイコミュ兵器「フィン・ファンネル」を紹介したいと思います。
フィン・ファンネルは「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」で「アムロ・レイ」が初めて使用したオールレンジ攻撃用端末として登場、攻守ともに優れた性能を発揮するサイコミュ兵器としてガンダムファンからも人気が高い武器です。
今回はフィンファンネルの性能・活躍・バリエーション・装備機種などをまとめてみました。
フィン・ファンネルの性能と特徴
フィンファンネルは「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」で初登場したニュータイプ専用のオールレンジ攻撃用端末である。
「アナハイム・エレクトロニクス(AE社)」が開発した「νガンダム」に搭載されているサイコミュ兵器として活躍した。
機体から離れた板状のデバイスが「コ」の字型に変形、メガ粒子を収束するバレルから放つ3メガワットの「メガ粒子砲」によるビーム攻撃、また複数のファンネルによって展開する「Iフィールド」で敵のビーム攻撃を防ぐなど攻守に活躍した。
高い攻撃力と稼働時間
1回のチャージで7発のメガ粒子砲を撃つ事が可能。
ジェネレータを内蔵しているため稼働時間が長く、長時間の戦闘にも対応可能。「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の劇中では「ギュネイ・ガス」が”なんでファンネルがあんなに持つんだ”と驚く場面も。
「キュベレイ」や「ヤクトドーガ」のファンネルよりもビームの出力が高く、同劇中ではヤクト・ドーガのビームライフルを縦方向から打ち消した場面が存在する。
ファンネルより大型化している事からビットに近い兵器とも言える。
対ビームバリアの形成
5基のファンネルを射出、バレルから自機の方向に低出力のメガ粒子を照射する事により四角錐型の「Iフィールド・バリア」を展開する事が可能。
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の劇中では「αアジール」「ヤクトドーガ」のファンネルによるビーム攻撃から防御する場面が存在する。
また、バリア面に相手のファンネルが接触する事でサイコウェーブの逆流が発生し、敵パイロットの脳波を乱す現象も起こっている。
大気圏内では使用不可
小型のファンネルと違い、板型で空気抵抗が大きい形状で質量も大きい。
そのため大気圏内での運用には向いていないという事もあり、宇宙戦専用兵器となっている。
回収が出来ない
従来のファンネルはエネルギーCAPを内蔵しているためコンテナに回収する事でエネルギーの再充填が可能であるが、フィンファンネルに至ってはビットと同じくジェネレーターそのものを内蔵しているため推進エネルギーを再充填する事が出来ない。
またνガンダムの場合は急造で十分な調整をしておらず回収そのものの機能が搭載されていない事から、一度射出したフィンファンネルは使い捨てとなっている。
フィン・ファンネルのバリエーション
プロト・フィン・ファンネル
出典元:http://demiran.blog.fc2.com/
「ガンダムデルタカイ」に搭載されているフィン・ファンネルの試験型兵装。
性能はνガンダムのものとは異なり、オールレンジ攻撃のみの使用となりIフィールドによるビームバリアを展開する事が不可能になっている。
有線式プロト・フィン・ファンネル
出典元:twitter.com/rarux/
「シルヴァ・バレト(ファンネル試験型)」「ナラティブガンダム(B装備)」が装備する準サイコミュ兵器。
νガンダムのものとは違い可動部が存在しない開放バレル型のメガ粒子砲。
「ガンダムデルタカイ」の無線式と同様に対ビームバリアを展開する事は出来ない。有線式のため一般兵でも操作が可能になっている。
ロングレンジ・フィン・ファンネル
出典元:https://otthan.com/
実物大ガンダムである「RX-93ff νガンダム」の背部に搭載されている兵装。
「ハイパーメガバズーカランチャー」を従来のフィンファンネルに組み込んでおり2基のジェネレータを持つ。
また本体のジェネレータと直結する事でより高火力なオールレンジ兵装として機能する。
ゲーム内においても登場しており、バレルから展開した巨大なビームサーベルを振り回すアクションが存在する。
フィン・ファンネルの活躍
ロールアウト直後のνガンダム
月面都市「ファンブラウン」にある「アナハイム・エレクトロニクス(AE社)」からロールアウトしたνガンダム。
機体背面にはまだフィンファンネルは非武装の状態となっているのが分かる。
アムロはνガンダムのサイコミュの調整が不十分であったが、帰還命令に伴い工場から急遽持ち帰る事となった。
フィンファンネルの稼働テスト
メカニックマンによる稼働テストのシーン。
周辺に配備されたνガンダムやジェガンと比較してもフィンファンネルの大きさがよく分かる。
フィンファンネル装備後の初出撃
アムロが搭乗するνガンダムに初めてフィンファンネルを装備して出撃するシーン。
スペースコロニー「ロンデニオン」にて行われた地球連邦政府とネオジオンの停戦交渉によりシャアは「小惑星アクシズ」を手に入れる。
一方、連邦軍の独立部隊「ロンド・ベル」は合意が偽りである事を察しており、アクシズを破壊するべく核ミサイルを準備。
物語中盤にはネオジオンとの戦いの火蓋が切られ、フィンファンネルの実戦能力が試される事となった。
フィンファンネルの意図しない動作
ギュネイが搭乗するヤクトドーガの人質となった「ケーラ・スゥ」。
ケーラの危機を察知して駆けつけたアムロだったが、νガンダムを無傷で手に入れたいギュネイは武装解除を要求してきた。
フィンファンネルを機体から分離させ、ビームライフルを放棄したνガンダム。
機体の一部は「ギラ・ドーガ」から放たれたワイヤーが絡まっている。
だが、ギュネイは放棄したフィンファンネルの事を「放熱板」と勘違い、ガンダムに巻き付けたワイヤーに電流を流しアムロを感電死させようとする。
アムロの防御本能に反応するフィンファンネル。アムロの意図に反してファンネルはメガ粒子砲を発射する。
ファンネルで電流ワイヤーを破壊するシーン。これにギュネイは逆上。ヤクトドーガの手でケーラを握り潰しνガンダムに襲いかかった。
上方向から撃ったファンネルのビームでヤクトドーガのビームライフルを相殺するシーン。
ギュネイ「ファンネルだと!?」
ファンネルのメガ粒子砲がヤクトドーガに襲いかかるシーン。この時初めてギュネイは放熱板ではなくファンネルだった事に気付く。
射出した2基のファンネルが破壊されるシーン。ヤクトドーガは撤退、ケーラを目の前で失い放心状態のアムロ。
アムロ「ファンネルが敏感過ぎた・・・ストレートに防御に働いて・・・」。
アムロ自身がオールレンジ攻撃に不慣れだった事や、調整不十分でロールアウトした事が意図しない動作を招いたとも言える。
攻守共に優れるフィンファンネル
アムロ「フィンファンネルで勝てるさ」
出撃前に発した言葉だが、自身が基礎設計を行い、「チェーン・アギ」が整備をしているνガンダムに自信と信頼を抱いているのが分かる。
チェーンに見送られながらνガンダムに乗り込むアムロ。これが彼にとって最後の出撃となった。
フィンファンネルでヤクトドーガのファンネルを撃ち落としたシーン。ネオジオンに寝返った「クェス・パラヤ」も「αアジール」のファンネルで攻撃するが、フィンファンネルの動きに苦戦。
フィンファンネルが起動した直後のシーン。ファンネル中央に搭載された四角い形のスラスターが光る様子が分かる。
Iフィールドによる対ビームバリアを形成するシーン。
5基のファンネルのバレルから立体状のメガ粒子を放出、νガンダムを包み込む様にバリアが展開される。
αアジールのファンネルがIフィールドに接触したシーン。
低出力のメガ粒子で構成されされているバリアのためファンネル自体が破壊される事はないものの、サイコウェーブの逆流によりクェスが表情を歪める場面があった。
バリアが敵機ファンネルのビーム攻撃を弾くシーン。劇中の映像ではビームが直撃した瞬間のみバリアの表面が発光しているのが確認できる。
バリアがαアジールのメガ粒子砲の直撃を受けたシーン。後に登場する「ビームシールド」と同じく、一定以上の出力を持ったビームの直撃を受けると破られてしまう。
ギュネイ「ファンネルがなんであんなにもつんだ?」
自身が操るファンネルに比べて、フィンファンネルが攻守共に優れたパフォーマンスを見せながらも継戦能力が高い事に驚きを隠せないギュネイ。
アムロvsシャア
地球に進路を取ったアクシズの破壊を試みるνガンダム。先の戦いにより機体背部に搭載されたフィン・ファンネルは残り1基となっているのが分かる。
アムロとシャアが繰り広げた初のオールレンジ攻撃による対決。νガンダムのフィン・ファンネル、サザビーのファンネルが攻撃を繰り広げるが共に撃ち落とせず。
核兵器の爆発に巻き込まれたフィン・ファンネル。
サザビーのファンネルも爆発に巻き込まれ消失したため、両者のファンネル対決は引き分けと言ったところ。
アムロとシャアの最初で最後のファンネル対決は決着が付かなかったが、両者のファンネルの持ち数がフルだった状態の戦いに興味がある。
フィンファンネルを装備した機種
νガンダム
型式番号:RX-93
登場作品:機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
これまでのガンダムの集大成ともいうべき機体で、主人公「アムロ・レイ」にとっても最後の乗機となったモビルスーツである。
歴代ガンダムの開発で培ったフレーム、駆動系をベースにAE社の最新技術を導入、アムロのアイデアでサイコミュシステムを搭載するという形で基礎設計された。
しかし完成直前にAE社の素材開発部門が「サイコフレーム」を入手、急遽サイコミュシステムの一部をサイコフレームに置き換えた事でシステム全体を小型化する事に成功している。
特にニュータイプ専用兵器「フィン・ファンネル」は本機のシンボルともいうべき兵器で、従来のファンネルに比べビームの高出力化と稼働時間の延長を両立、複数のファンネルによる対ビームバリアを形成する事が可能など攻守共に際立った活躍を見せている。
νガンダムDFF装備型
出典元:gunpla-beginning.com
ガンプラの組み立て説明書で初登場、その後「CCA-MSV」に分類された機体。
左右にフィンファンネルを3基づつ装備した「ダブル・フィン・ファンネル(DFF)」装備型である。
なお、ゲームでは6基づつ装備した形態も存在している。
νガンダム HWS装備型
出典元:gunpla-beginning.com
「CCA-MSV」に分類される機体。「HWS」とは「ヘビー・ウェポン・システム」の略の事である。
νガンダムのフルアーマープランで追加装甲による対弾性強化とスラスター増設。フィンファンネルの他にビームライフルを強化した「ハイパーメガライフル」を装備する。
フルアーマーνガンダム
出典元:gunpla-beginning.com
νガンダムのフルアーマー仕様。基本的には「HWS装備型」だが各部の形状は異なる。
νガンダム FAMAS仕様
出典元:gunpla-beginning.com
νガンダムの改良型でフィンファンネルの搭載数が増加した機体。漫画「機動戦士ガンダムReon」で登場する。
「ガンダムReon」奪取作戦で「レディス・レオノフスキー」が搭乗し活躍した。
量産型νガンダム
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:M-MSV
AE社が開発したνガンダムの量産機。
ジェガンのスペック不足による懸念からエースパイロット用に少数生産された機体で、装甲とフレームの素材はオリジナルより1ランク下のものが使用されている。
またジェネレータ出力やスラスター推力もνガンダムと比べると低出力になっている。
「フィンファンネル装備型」と「インコム装備型」の2種類が存在し、後者は一般のパイロットでも使用可能となっている。
量産型νガンダム (フィンファンネル装備型)
出典元:gunpla-beginning.com
Hi-νガンダム
出典元:gunpla-beginning.com
型式番号:RX-93-ν2
登場作品:機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン(小説)、CCA-MSV、その他
腕部にマシンガンを内蔵。再回収機能と再充填が可能なファンネルラックを搭載した事により、フィンファンネルの継戦能力がさらに向上している。
Hi-νガンダムは大きく分けて「ベルトーチカ・チルドレン」「CCA-MSV」の2種類が存在する。
「ベルトーチカ・チルドレン」版は劇場版でいうνガンダムの位置付けで鹵獲したサイコ・ドーガのサイコフレームをコクピット周辺に組み込んだという設定でサイコミュシステムとしてもより強力なものになっている。
「CCA-MSV」版はAE社によってνガンダムの後継機として開発されたMSという設定でサイコミュの配置と接続方法が見直されている。基礎設計の修正はアムロが行なっているが、シャアとの決戦中に行方不明になったため実戦投入は行われなかった。
また「ベルトーチカ・チルドレン」「CCA-MSV」を元にした数種類のデザイン案があり、模型雑誌ホビージャパンに掲載された白と紫をベースにしたデザインや、「ホビージャパン版」、これをベースにカトキハジメ氏によって再デザインされた「Ver.Ka」版、出渕氏によって白と青をベースに再デザインされた「リファイン版」などが存在する。
Hi-νガンダム Ver.Ka
出典元:Hi-νガンダム Ver.Ka (MGガンプラ)
「ホビージャパン」版を元に「カトキハジメ」氏によって再デザインされたもの。腕部のマシンガンが「4連装ビーム・ガトリングガン」に変更されている。
Hi-νガンダム HWS
出典元:Hi-νガンダム Ver.Ka (MGガンプラ)
「Hi-νガンダム Ver.Ka」に「ヘビー・ウェポン・システム(HWS)」を装備したもの。
2種類の形態が存在し「νガンダムHWS」と同じ兵装の形態、ハイパーメガシールド、ニューハイパーバズーカを追加装備した形態がある。
ナラティブガンダム(B装備)
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:機動戦士ガンダムNT
AE社が開発した多目的試験用のサイコフレーム機。NT-Dを搭載しており、パイロットはパイロットスーツの上にサイコフレームを組み込んだデバイスを装着する。
近代改修はされているが、基礎設計はUC0090年以前のもので全天周囲モニターが採用されていない。
3種類の形態が存在し、作戦に応じて装備を変える事が可能である。
劇中で「インコム」と呼称されている遠隔攻撃端末「有線式プロトフィンファンネル」を装備している。
ガンダムデルタカイ
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:機動戦士ガンダムU.C.0094 アクロス・ザ・スカイ(漫画)、機動戦士ガンダムU.C.0096 ラスト・サン(漫画)
宇宙世紀0094年に地球連邦軍によって開発された可変型MS。背部に「プロトフィンファンネル」を2基装備する。
デルタプラスの基本設計に近い構造となっており、飛行可能なウェイブライダー形態への変形機構を備える。
最大の特徴である「ナイトロシステム(n_i_t_r_o)」はニュータイプ能力を持たない一般兵であってもサイコミュ兵器でオールレンジ攻撃を行う事が可能になっている。
シルヴァ・バレト (ファンネル試験型)
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:機動戦士ガンダムUC 銀弾は放たれた(ゲーム)
アクシズに残っていた「ドーベン・ウルフ」をAE社が準サイコミュの試験用として改修したモビルスーツ。
オリジナル機で装備していた「インコム」と「12連装ミサイルランチャー」の代わりに「有線式プロト・フィン・ファンネル」を装備した形態である。
ゾーリン・ソール
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:ガイア・ギア(小説)
宇宙世紀0110年にAE社によって開発された試作モビルスーツ。ジオン系のMSをベースに開発されたため操縦系統は旧式のままとなっている。
当時の連邦軍による小型化の方針に反する様な機体だったため本格的に採用される事は無かった。
「ロング・フィン・ファンネル」を腕部・背部・腰部にそれぞれ2基づつ、計6基装備する。
フィンファンネルの感想
宇宙世紀ガンダムシリーズに登場したフィンファンネルの特徴や活躍、装備機種を紹介しました。
ララァ・スン、ハマーン・カーン、エルピー・プル、プルツー、キャラ・スーンなど一部のキャラのみが使っていたサイコミュ兵器ですが、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」ではアムロ・レイが使った初めての兵器として登場、シャア・アズナブルとのファンネル対決は見応えがありました。
個人的にはIフィールドを発生させた対ビームバリアで敵機のファンネルによる攻撃を防御するシーンが好きですね。
シャアとのファンネル対決では互角でしたが、ギュネイとクェスとの戦いでは実力の差で上回ったのが印象的です。
νガンダムは無線式のファンネルを装備した初のガンダムですが、特に連邦軍はオールレンジ攻撃に対応したモビルスーツは少ないので貴重な存在だと思います。