ドラゴンクエスト ダイの大冒険「最終決戦 竜魔人ダイvs鬼眼王バーン編」をまとめてみました。
前回の「最終決戦 ピラァオブバーン・神の涙編」ではピラァ・オブ・バーンに仕掛けられた「黒の核晶」によって地上が破滅してしまうという絶対絶命の危機的な状況になりましたが、ゴメちゃんが叶えた「ダイの最後の願い」によって世界が一つになりました。
今回はついに最終章、竜魔人となったダイと、鬼眼を解放したバーンの最終決戦が繰り広げられます。そして、戦いを終えたダイ達に襲う衝撃の結末にも注目です。
最終決戦 竜魔人ダイvs鬼眼王バーン編 各話リスト
第98話「ダイの決断」
第99話「この腕で勝利を」
第100話「さらば!愛する地上よ」
ダイの決断
皆んなが起こす奇跡
ゴメちゃんが叶えたダイの最後の願いによって皆んなの心が一つになった。
オーザム南部の塔に向かったニセ勇者一行だったが、目の前に立ちはだかった一匹のモンスター。
マトリフ「時間がねえんだよ。おめえが消えな!!」
一瞬にして消されるモンスター。
膝を付くマトリフ。
急遽現れたマトリフのメドローアによって救われたニセ勇者一行だったが、黒の核晶が作動を始める。
ニセ勇者の一人である「まぞっほ」にとってマトリフはかつての師匠、だが魔法使いの彼には修行中に逃げ出し過去があった。
マトリフ「今度は逃げ場が無いぞ。世界が消えちまうんだ。おめえも男なら一生に一度くらい本物の英雄になってみせろ」
呪文に自信が無かったまぞっほ。
しかしマトリフの言葉によって”ひとかけらの勇気”を振り絞り仲間と共に黒の核晶を止めようともがいた。
バーンパレスにて。
バーン「神の涙がいかに奇跡を起こし世界の心を一つにしたところで今さら無意味!!!」
バーン「今が爆発の時だ!!!!」
バーン「爆発は・・・爆発はどうしたーーーーー!!!!」
黒の核晶による地上消滅は免れた。
そして絶体絶命のピンチから奇跡を起こした世界中の人々を祝福するかの様に黄金色に輝く空。
レオナ「これ・・・まさか!?」
ポップ「ああ、ゴメの奴が俺達にさよならを言っている・・・」
レオナ「ゴメちゃん・・・」
ポップ「あばよ、ゴメ・・・」
チウ「(涙)」
マァム「そばにいて寝てあげたかった・・・せめて・・・あなたが消えてしまうまでの間だけでも・・・」
ダイ「ゴメちゃん、さよならは言わないよ。また神の涙に戻ったら、地上に落ちてくる時が来たら・・・今度もきっと俺が見つけてみせる」
ダイ「そしたら・・・また・・・必ず・・・同じ願いを頼むよ。そしたら・・・一緒にまた遊ぼう・・・!!」
ダイ「だから・・・またね・・・」
ダイとの最後の別れを惜しみつつも、天へと昇っていくゴメちゃん。
バーンの目論み
夕日で赤く染まるバーンパレス。
ダイ「どうだバーン、俺たちは勝ったぞ。絶対に覆せないはずの地上破壊を俺たちは止めたんだ!!」
ダイ「お前がバカにした人間の絆が奇跡を起こした。俺たちを勝たせたんだ!!地上は・・・お前なんかには壊されない!!!」
何か不穏な空気が漂っていた。そして全く動かないバーン。
ポップ「おい、どうしちまったんだ!!なんとか言ってみろよ大魔王さんよ!!!」
バーン「やあ、済まなかったな少々考え事をしていたもので」
バーン「いや、実際余の負けだ。人間の絆の力・・・恐るべきものよ。素直に認めよう敗北をな」
バーン「だが、おかげで分からなくなった。人間はなぜこれほどの力を持ちながら、それを無益な事に使うのか。」
バーン「いや、無益なことに力を費やすからこそ、これほどの力なのか・・・? お前になら、その答えが分かるのかな?ポップ。」
バーン「教えておいてくれないか・・・全員を・・・」
バーン「皆殺しにする前に」
ダイ達「!!!!」
バーンから漂いはじめた殺気。
この場でダイ達を皆殺しにして、そして再び同じ事をする・・・竜騎士が死に地上破壊計画を続行すると言い放つバーン。
ダイ「そんな事は許せない・・・ゴメちゃんの最期の贈り物を・・・皆んなの努力を・・・無駄になんかしちゃいけない!!」
バーンに勝つ方法を模索するダイ。
ダイ「!!。ある・・・。」
ダイ「レオナ、ポップ。瞳を全部集めてくれ」
何か思いついたダイだが、何か神妙な面持ち。
竜魔人ダイ
ダイ「これから恐ろしい事が起きる。最後にたった一つだけ・・・試してみたい事があるんだ」
ダイ「でも・・・正直怖い・・・だから・・・何が起こるか分からないから・・・皆んなをしっかり守ってくれ。そして・・・このバーンパレスから脱出して欲しい」
ポップ「何言ってんだよ・・・結界があるんだぞ、忘れたのかよ」
ダイ「心配いらない、もし俺の狙い通りになったら結界が消える。バーンが死ぬからだ!!」
バーン「!!!」
双竜紋の力を全開にして戦うというダイ。
今まではバランから受け継いだ紋章の力は3割〜4割ほどの力しか出ていなかった。
竜魔人になる事でフルパワーで戦える・・・だが、魔獣の様な姿に変貌するかもしれない事にダイは怯えていた。
レオナ「やめて!!ダメよ、それってダイ君がダイじゃなくなっちゃうって事なんでしょ!?」
みんなの力で勝ちたかった。でも魔獣になるよりも皆んなの平和が踏み躙られる方が嫌だというダイ。
ポップ「お前・・・バカだよ・・・本物のバカだよ・・・俺たちと・・・地上の未来を救うために、そのために自分自身の存在を捨てちまおうって言うんだからな!!」
ダイ「驚くなよ・・・ポップ。俺がどんな姿になっても・・・」
ポップ「誰が・・・!!倒せ、最後までばっちし見届けるさ!!」
ポップ「例え、どんな姿だろうがダイはダイだ!!!」
レオナ「うん、ダイ君はダイ君!!」
ダイ「ありがとう・・・」
突如地面に大穴が空いてどこかに消えてしまったポップとレオナ。
バーン「フフッ、残念だったな。勇姿を見てもらえんで。」
バーン「奴らは全て、バーンパレス深く落ちた。フハハハハハハ!!!」
バーン「怒るか!?怒れ!!怒れ!!言った様な力が本当にあるなら見てみたいわ!!ハハハハハハッ!!!!」
ダイ「だったら・・・」
バーン「・・・ん!?」
ダイ「だったら、見ろよ!!!!」
何かが吹っ切れた様に表情が変わったダイ。
ダイから放たれたこれまでに無いオーラにバーンも驚きを隠せない様子。
両手にあるダイとバランの紋章が合わさり額で一つとなった。
竜魔人となったダイ。
人間の血が入っているからか、バランの変身した時よりも容姿の変化が少ない感じである。
バーン「なんていうオーラ・・・!!化け物め!!」
ダイ「ああ、その通りだバーン。お前以上のな!!」
バーン「切り刻んでくれるわ!!!!」
バーン「カラミティエンド!!!!」
全力でカラミティエンドを繰り出したバーン・・・だが、片手だけでいとも簡単に受け止めたダイ。
ダイから感じるとてつもない殺気にバランを感じるバーン。
ダイ「力が正義、常にそう言っていたな!!」
拳だけでバーンを圧倒する竜魔人ダイ。
ダイ「これが・・・!!、これが・・・!!、これが!!正義か!!!」
ダイ「より強い力で打ちのめされればお前は満足なのか!!!」
ダイ「こんなものが・・・!!、こんなものが・・・!!、正義であってたまるか!!!!」
竜魔人となったダイの強さはバーンの想像を遥かに上回っていた。
バーン「負けぬ・・・!!負ける訳にはいかぬ・・・!!余は、大魔王バーンなり!!!!」
この腕で勝利を
バーンパレスの崩壊
ダイとの闘いでバーンパレスを維持する力を失ってしまったバーン。
そして、崩れゆくバーンパレス。
この異変にフローラ達も不安げ。
バーンが第3の眼の力を失ったことで瞳の宝玉から解き放たれたアバン達。
どうやら、バーンパレスの心臓部に落とされた模様。
このままだと心臓部ごと地上に落下して全滅という事もありえる危機的な状況だったが、誰一人絶望していなかった。
グランドクロス。使った者の命を保証できない切り札でもあり自爆技だが、これしかなかった。
ヒム「よく、覚えているぜ。俺との闘いで使おうとしたアレだろ。見様見真似だがこんな感じだったな!!」
腕をクロスして闘気をチャージするヒム。
ヒムの体がオリハルコンで出来ているといっても、技のパワーに耐えられるかは未知数。
そして彼を制止しようとするヒュンケル。
ヒム「ホント言うとな、好きになっちまったんだよな、お前ら人間たちを。そしてお前ら仲間達をな!!」
ヒム「ここにいる奴ら全員、俺は好きだぜ!!」
ヒム「絆を守るためなら、命をも捨てるバカばっかり。おれの戦友達とそっくりだ。もう誰一人悲しい顔にはさせたくないんだよ!!!」
ヒム「見損なうなって、てめえが不死身なら・・・不死身なら・・・俺もまた不死身だ!!!!」
ポップ&アバン「ルーラ!!!!」
バーンパレスの心臓部を破壊した事で全員が抜け出す事に成功した。
燃え盛るバーンパレスの心臓部。
ヒュンケル「バーンパレスの最期だ・・・!!」
チウ「ヒムちゃん、君は立派だった・・・君の活躍は永久に忘れない!!本日をもって獣王遊撃隊12号を永久欠番とする!!」
一方、崖の下では・・・
ポップ「良かったなおい、永久欠番だってさ」
ヒム「ちきしょう・・・ひでえな隊長さん。ちゃんと生きてるよ・・・」
再会
バーンパレスから脱出したポップ達に駆け寄ってきたフローラをはじめとする有志たち。
フローラ「良かったわ、皆んな無事で」
アバン「いや〜、本当によく脱出できましたよね〜」
フローラ「ええっ(ニコッ)」
フローラ「えっ!?」
そっとアバンの方に振り向くフローラ。
フローラ「アバン?」
アバン「はい?(ニコッ)」
気絶して倒れるフローラ。
アバン「うわっ、フローラ様!!!お気を確かに!!!」
デルムリン島で死んだと思っていて、まさかアバンが生きているなんて思っていなかったフローラは気が動転して卒倒した。
ダイを探すロン・ベルク。
ポップ「まだ・・・あそこだ・・・!!」
そういって、天を見上げるポップ。
ロン・ベルク「そうか・・・」
ポップ「また、最後はアイツに頼っちまった・・・俺たちの行けない手の出せない世界へ、あいつ一人で行っちまいやがってさ・・・ちくしょう!!!」
ヒュンケル「ポップ・・・もっと胸を張れ。俺たちは全員死力を尽くした、誰もが自分の持てる力以上に奇跡を起こした。だから全員ここにいられる。」
ヒュンケル「だからこそ、ダイはあそこで戦っていられるんだ。もっと誇るべきだ・・・!!」
ポップ「おおう・・・だなっ!!!」
ビーストくん「ダイ君は我々みんなの肩を蹴って天へと駆け上がっていったんだよ」
レオナ「後は皆んな待つしかないわね。信じて・・・待つしか・・・」
ラーハルト「心配いらん、ダイ様は必ず勝つ。あの方は先人バラン様の息子なのだから・・・!!」
ポップ「勝ってくれよダイ、そして戻って来い。」
ポップ「どんな姿でもいい、俺たちのところへ!!帰ってくるんだ!!!ダイ!!!」
鬼眼王バーン
崩壊が既に始まっているバーンパレスではダイとバーンの激しい攻防が繰り広げられていた。
バーン「はぁ・・・はぁ・・・勝てぬ・・・このままの身体では・・・せめて両腕があれば・・・」
バーン「いや・・・勝てぬだろうな・・・たとえ両腕があっても・・・今のあやつは魔獣・・・勝利のために全てを捨てている・・・!!」
バーン「くっ・・・余も捨てねばならぬか・・・!!!」
バーンにとって苦渋の決断だった。
第3の眼である鬼眼を潰す大魔王バーン。
バーン「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
鬼眼から流れ出る血が岩となりバーンの身体を覆っていく・・・。
魔界にて・・・
ヴェルザー「・・・!!、この強烈な波動・・・!!バーンめ、まさか!!!」
ヴェルザー「鬼眼の力を解放するつもりなのか・・・。それ程の相手か、あの竜騎士の息子は・・・!!」
ダイが見たもの・・・そこには鬼眼王となり魔獣と化したバーンの変わり果てた姿だった。
バーン「ダイよ、竜の子よ、お前の今の強さこの世のものとは思えん」
バーン「悟ったぞ、お前に勝つには余も魔獣と化さねばならんとな」
かつての鬼岩城はバーンが最強となった姿をイメージして建造されたものだった。
そして、この姿になったからにはもう二度と後戻りはできないという。
勝利のために本来の自分の姿を捨てたバーン。
バーン「ダイ!!竜騎士!!お前にさえ勝てれば、お前に勝つことが今の余の全てなのだ!!!!」
バーン「砕け散れ!!!!ダイ!!!!」
鬼眼王バーンの巨大な拳で吹き飛ばされるダイ。
ダイ「全開!!!竜闘気!!!!」
ダイ「ドルオーラ!!!!」
全力のドルオーラの直撃を受けた鬼眼王バーン。
真の力を解放した者同士の頂上決戦が始まろうとしていた。
さらば!愛する地上よ
竜騎士の正統なる武器
鬼眼王バーンから痛恨の一撃を喰らうダイ。
そのまま落下してピクリとも動かない。
バーン「どうだ!?・・・勝った・・・勝ったぞ!!余は勝った!!!ハハハハハッ!!!」
バーン「いかん・・・奇跡は起こる、何度でも。ダイの死骸を粉々にせぬ限り終わりはないのだ」
この時点でダイが本当に死んだのかは分からないが、まともに戦える状態ではないのは確かである。
バーンがトドメを刺そうとしたその時だった。
突如、バーンの攻撃を遮るかの様に天から降り突き刺さった剣。
バーン「これは!!真魔剛竜剣・・・!!」
そして、地平線から昇る太陽。
太陽の光が真魔剛竜剣を反射してダイを照らす。
ダイが目覚めると・・・そこには母ソアラの姿が。
ダイ「母さん・・・。真魔剛竜剣・・・!?」
バラン「そうだ、竜騎士の正統たる武器。今こそお前がこの剣を手にする時が来たのだ」
ダイ「太陽の光だったのか・・・なぜか一瞬、母さんが見えた」
バラン「ソアラは太陽の様な女性だった。誰よりも暖かく包み込む力があった」
バラン「ダイ、今こそお前も太陽になるのだ。仲間達を地上を輝き照らす太陽に」
ダイ「太陽に・・・」
雄叫びをあげながら迫り来るバーン。
バラン「来るぞ、ダイ!!剣を取れ!!!」
バラン「チャンスは一刀。いかに真魔剛竜剣とはいえ、今のお前の全力とバーンの肉体との激突には何度も耐えられまい」
バラン「この一撃にお前の全てを、私の魂をも込めて奴の鬼眼を叩き斬れ!!ゆけ!!ダイ!!!」
ダイ「さよなら・・・さよなら皆んな・・・この一撃で俺は太陽になる・・・!!」
ダイ「太陽になって・・・皆んなを空から照らすよ・・・!!」
ダイ「さよなら・・・皆んな・・・!!!」
竜魔人となったダイが初めて真魔剛竜剣を手にした。
そして鬼眼王バーンの腕を切り裂くダイ。
鬼眼王バーンの鬼眼から放たれた強烈なエネルギーで刀身が折れそうになる真魔剛竜剣。
それでも剣で鬼眼を切り裂こうとするダイ。
バーンの攻撃を振り切り鬼眼に刃が入った瞬間、衝撃に耐えきれずついに折れてしまった真魔剛竜剣。
大魔王バーンの最期
ドルオーラの構えを取ろうとするダイを握り潰そうとする鬼眼王バーン。
苦しみもがくダイだったが、ポップの”あの言葉”をふと思い出した。
“結果が見えてたって、もがき抜いてやる・・・!!一生懸命に生き抜いてやる・・・!!一瞬だが・・・閃光のように・・・!!!”
ダイ「(閃光のように!!)うわああああああああああ!!!!」
一瞬の隙を突いたダイはバーンの身体に突き刺さっていた「ダイの剣」を手にする。
アバンストラッシュを放つかの様に一直線にバーンの身体を切り裂くダイ。
断末魔をあげる大魔王バーン。
バーン「うああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
鬼眼ごとバーンの身体を真っ二つ。
鬼眼が切り裂かれた時点でバーンは完全に息絶えていた。
生命の源を完全に断たれたことで石化してしまうバーンの亡骸。
ダイ「さようなら・・・大魔王バーン・・・」
全てをやり終えたかの様に力が抜けるダイ。
そして、そのまま地上へと落下してしまう。
全身が石化して崩壊するバーンの身体、そして大爆発。
破片は隕石の如く地球に降り注いだ。
宇宙空間を浮遊しがら太陽の炎に飲み込まれていくバーン。
これにて魔王軍は事実上崩壊した。
勇者の凱旋
レオナ「!!」
マァム「どうしたの?レオナ?」
レオナ「今、何か見えたような気が」
ポップ「本当か?本当にダイなのか!!?」
ヒム「真っ直ぐここに落ちてくる!!」
意識が無いまま地面に向かって突き進むするダイ。
このままではダイは地面に叩きつけられて死んでしまう。
受け止めようと皆んながダイの元へ向かった。
マァム「受け止めなきゃ!!ポップ!!?」
ポップ「この役だけは・・・この役だけは誰にも渡せねえ!!!ダーーーイ!!!!」
間一髪のところでダイを受け止めるポップ。
そして意識を取り戻したダイ。
ポップ「勝ったんだな・・・?」
ダイ「バーンは・・・大魔王バーンは・・・倒れた・・・」
ポップ「そうか・・・」
ダイ「ポップ・・・」
ポップ「えっ?」
ダイ「俺、どこか変じゃ無いかな・・・?」
ポップ「変?」
ダイ「俺、竜魔人になったから・・・」
ポップ「この癖っ毛、この傷。そして、このちっちぇえ身体、どこがいつものお前の身体と違う?。俺たちのダイそのものだろ!!」
ポップ「そうさ、俺たちのダイが勝ったんだ〜!!!」
嬉しそうに泣きじゃくるポップ、そして皆んなに笑顔が戻った。
ポップ「そぉら!!勇者様の凱旋だ〜〜〜!!みんなの所へ行って来やがれ〜〜〜!!」
皆んなに手荒く祝福されるダイ。
そして、ダイもこの状況を心の底から喜んだ。
ポップ「俺たちは勝ったんだ・・・勇者ダイは勝ったんだ〜〜〜!!!!」
そう言って拳を天高く突き上げるポップ。
一同「おおう〜〜〜〜!!!!」
ダイ「(バーンにお前を倒したら地上を去るって言ったけど・・・)」
まだ、何か引っ掛かる様子。
レオナ「ダイ君、身体は大丈夫なの?どこか痛く無い?」
ダイ「あんなに揉みくちゃにしといて今更それは無いよ・・・」
一同「(笑い)」
ダイ「みんな・・・」
フローラ「レオナ、少々嫌がられてもしっかり捕まえとかないとダメよ。勇者なんて事が片付いたらすぐどこかに消えてしまうんだから・・・!!」
アバン「(ギクッ!!)」
心当たりがあるのか、アバンには突き刺さった様子。
クロコダイン「そいつは無責任ですな」
ポップ「今度こそ観念して男の責任とらなきゃね、先生〜〜」
アバン「何を言うんですか〜〜〜!!」
一同「(笑い)」
アバンを揶揄いながらも和やかな雰囲気で笑いが起こり、掴み取った平和を噛み締める皆んな。
レオナ「平気だよね?ダイ君?どこにも行かないでしょ?」
ダイ「ああ、俺はこの地上が一番好きだよ」
ダイの心配をするレオナ。
彼女も何かを予感しているのか。
フローラ「さあ、傷付いた勇者たちをいつまでも放っておいたらいけないわ。祝宴は帰ってからにしましょう!!」
一同「おおう!!」
これで全てが終わったかに思われた。
死神の祝福
「少々お待ちを女王様」
一同「???」
「僕にも一声、祝福の言葉を言わせて下さい」
何か聞き覚えのある・・・この声。
ポップ「キルバーン!!?」
ダイ「!!!」
キルバーン「あの魔界最強と呼ばれた大魔王バーンを倒し、地上破滅を食い止めた勇者たちの大健闘、大奇跡にね」
地獄の底から蘇ったキルバーン。アバンが倒したはずなのに何故?
アバン「バカな!?本当に不死身なのか!?貴様!!」
キルバーン「首が千切れて生きている生物はいないか・・・君のセリフだったねぇ、確かにそうかも知れん」
キルバーン「生物だったらね・・・」
アバン「!!」
キルバーン「僕の身体が生物で無いとしたらどうかね・・・機械仕掛けの何かでそれを操っている奴が他にいるとしたら・・・」
アバン「そうだ・・・今の言葉はお前に言ったものではない・・・」
アバン「今の言葉をあの時聞いていたのは・・・」
「そう、僕が本当のキルバーンだ」
ついに正体を表した真のキルバーン。
キルバーンと思っていた方は機械仕掛けの人形であり、真のキルバーンは使い魔の「ピロロ」を演じ人形を操っていたのだ。
人形の方を攻撃しても痛くも痒くもないのは当然。
これで”死神と思っていた男”の不死身だった秘密が明らかになった。
そしてキルバーンは言う。倒す方法は一つだけあると。
キルバーン「首を刎ねるのではなく、顔面を叩き割ればいいんだ。だがやらなくて良かったよ」
そう言うとキルバーンは人形の仮面を外す・・・。
人形の顔面には忌まわしき”あれ”が埋め込まれていた。
ダイ「黒の核晶!!!?」
キルバーン「ハハハッ、と言う訳さ!!」
ヴェルザーの命令でバーンの側に付いたというキルバーン。
表向きは協力者を演じていたが、機を見て大魔王を倒すチャンスを窺っていたのだ。
ヴェルザーはバーンと違い地上も欲しかった・・・。
キルバーン「さあ、お別れだ。大魔王は上手く君らが片付けてくれたが、逆に彼以上の強さを持つ君たちはとても危険だ。地上の人間達と共に消えてくれたまえ」
受け継がれてきた使命
レオナ「ヒャダルコ!!!」
呪文で黒の核晶を停止させようとするレオナ。
キルバーン「ああっと言い忘れたが、ヒャド系呪文では止められないよ。もう打つ手はない。」
キルバーン「では、さよなら皆さん。そして愛しい地上よ・・・」
キルバーンが魔界へ帰ろうとした、その時だった。
そうはさせまいと一斉に飛び出すダイ達。
アバンの放ったゴールドフェザーによって動きを止められたキルバーン。
これは流石に油断していたと言わざるを得ない。
上空へ昇り、黒の核晶が搭載された人形を地上から離そうとするダイとポップ。
マァムの閃華裂光拳をまともに喰らうキルバーン。
キルバーン自身は生物であるため、これが正真正銘の致命傷の一撃となった。
ザボエラが死んだ時は身体の全身が液体状になっていったが、キルバーンの場合は身体ごと蒸発。
悪魔の人形を背負って猛スピードで上空に昇るダイとポップ。
ポップ「結局こうなっちまったか。だがもう手放している時間はねえ!!」
ポップ「お前となら悪くないけどな、ダイ!!」
ダイとなら一緒にあの世に行ってもいいと思っていたポップ。
かつてバランとの戦いでメガンテを使った時の様に仲間のため、地上を救うためなら命を捨てる覚悟は出来ていた。
「ごめん、ポップ」
ポップを蹴り落とすダイ。
ポップ「何故なんだよ!!!!ダイ!!!!」
ダイ「許してくれ、ポップ。」
ダイ「こうする事が・・・こうして自分の大好きなものを庇って命をかける事が、ずっと受け継がれてきた俺の使命なんだよ」
ポップ「バッカヤローーー!!!!!!!」
レオナ「ダイ君!!!!!!!」
勇者が帰ってくる日まで
ここはデルムリン島。地上に平和が戻り数週間が経ったある日。
ポップ達は世界中を探し回ったが、ダイは見当たらなかった。
しかし、ダイは死んではいなかった。
ダイの分身である「ダイの剣」の宝玉は光っている・・・。
ダイが死んでいたならば宝玉は光を失う。
どこかで生きているのは確かだった。
マァム「でも、どこに!?」
ロン・ベルク「分からん、天界や魔界の可能性もあるしな」
マァム「そんな・・・」
ポップ「どこでもいいじゃねぇか・・・生きて、生きてさえすりゃあよ・・・また会えるって・・・!!」
ポップ「だってあいつの帰ってくる所はよ、ここしかねぇんだからさ!!!!」
Fin
最終決戦 竜魔人ダイvs鬼眼王バーン編の感想
ついに最終章が終わりました。
最後の最後にして紋章2つの竜魔人ダイはチート過ぎる強さですね。真魔剛竜剣は最後に折れてしまいましたが、竜騎士が地上にいれば復活する感じでしょうか。
最後にキルバーンが現れたシーンですが、なんでコソッと黒の核晶を起爆させなかったのかなと以前からずっと思っていました。
もし、アバンがピロロを倒していればダイは・・・とか色々思うところはあります。
まあ、それを言ったら物語が成り立たなくなりますが。
「そう、僕が本当のキルバーンだ」というセリフですが、原作を読んだ時はピロロの声のままで想像していましたが、途中で人形のキルバーンと同じ声になったのは意外でした。
これまでに何度も奇跡は起こりましたが、さすがに黒の核晶の爆発シーンでは奇跡は起こらなかった感じですね。
3年前にダイの大冒険が再放送されるという情報が流れ、そして2年前に始まった新アニメですが、あっという間というのが正直なところです。
1991年に放送された旧アニメは原作のバラン編を一部変更して終わりを迎えましたが、新アニメの方は大きな変更は無くほぼ原作に忠実に作られていたと思います。
2年前は正直どうかなと思っていましたが、新アニメを全て見終えた今では作品にも愛着が出来たので良いアニメだなと思う様になりました。
アニメもリアルタイムで見て、原作も読んだ大好きな作品を数十年後に再び見れるとは思わなかったので、途中の打ち切りがなく100話にまとめて全て放送してくれたのが嬉しいですね。