昭和・平成・令和ライダーの違い15個を主観も交えて語ってみました。
1971年(昭和46年)から始まり50年以上続く仮面ライダーシリーズですが、1989年(平成元年)に「仮面ライダーBLACK RX」終了後、10年以上に渡り地上波に登場する事はありませんでした。その後、2000年(平成12年)に「仮面ライダークウガ」が地上波で放送された以降、仮面ライダーシリーズは毎年の様に放送され続けました。
昭和ライダー終了から平成ライダーの開始までしばらく間が空いた事もあり、作風も随分変わりました。今回は昭和、平成、令和の仮面ライダーの違いを独自に設定した項目で説明していきたいと思います。
「仮面ライダー年表」
「昭和ライダー」
・1971年 / 仮面ライダー
・1973年 / 仮面ライダーV3
・1974年 / 仮面ライダーX
・1974年 / 仮面ライダーアマゾン
・1975年 / 仮面ライダーストロンガー
・1979年 / 仮面ライダー (スカイライダー)
・1980年 / 仮面ライダースーパー1
・1984年 / 仮面ライダーZX
・1987年 / 仮面ライダーBLACK
・1988年 / 仮面ライダーBLACK RX
・1992年 / 真・仮面ライダー 序章 (OVA)
・1993年 / 仮面ライダーZO (OVA)
・1994年 / 仮面ライダーJ (OVA)
「平成ライダー」
・2000年 / 仮面ライダークウガ
・2001年 / 仮面ライダーアギト
・2002年 / 仮面ライダー龍騎
・2003年 / 仮面ライダー555
・2004年 / 仮面ライダー剣
・2005年 / 仮面ライダー響鬼
・2006年 / 仮面ライダーカブト
・2007年 / 仮面ライダー電王
・2008年 / 仮面ライダーキバ
・2009年 / 仮面ライダーディケイド
・2009年 / 仮面ライダーW
・2010年 / 仮面ライダーオーズ/OOO
・2011年 / 仮面ライダーフォーゼ
・2012年 / 仮面ライダーウィザード
・2013年 / 仮面ライダー鎧武/ガイム
・2014年 / 仮面ライダードライブ
・2015年 / 仮面ライダーゴースト
・2016年 / 仮面ライダーエグゼイド
・2017年 / 仮面ライダービルド
・2018年 / 仮面ライダージオウ
「令和ライダー」
・2019年 / 仮面ライダーゼロワン
・2020年 / 仮面ライダーセイバー
・2021年 / 仮面ライダーリバイス
昭和・平成・令和ライダーの違い15選
昭和・平成・令和ライダーのそれぞれの違いを15個選出して独断と偏見で解説していきたいと思います。
仮面ライダーの数
昭和ライダーといえば基本的に一人で孤軍奮闘で悪の組織と戦うのが普通でした。
途中、お助けライダーとして一人新たな仲間が加入した作品もありました。例えば初代「仮面ライダー」では1号と2号、「仮面ライダーV3」ではV3とライダーマンなどです。
それが平成ライダーになると仮面ライダーが多人数が当たり前になりました。特に仮面ライダーアギト以降から多人数ライダーが主流になり、「仮面ライダーカブト」「仮面ライダーゴースト」「仮面ライダー電王」「仮面ライダージオウ」などは10人前後、「仮面ライダー響鬼」「仮面ライダー鎧武」などは20人近くのライダーが登場します。
「仮面ライダークウガ」「仮面ライダーキバ」「仮面ライダーディケイド」などは多人数が当たり前とされる時代の中ではライダーが少ない方といえます。多人数なので昭和ライダーでは考えられないぐらいに仮面ライダーのバリエーションが存在するのです。
平成以降のライダーはとにかく沢山ライダーが出てくるので、昔のライダーを知っている人からすると昭和ライダーの様な特別感が薄れてしまったと感じる人もいるのではないでしょうか?昭和ライダーの頃は古軍奮闘で戦うのが仮面ライダーだという価値観でしたが、平成以降のライダーではそういった価値観も変わり皆んなで支え合って戦うというスタイルが主流になったと思います。
仮面ライダーのフォーム(形態)
昭和ライダー初期の作品ではライダーが別の形態に変化することはありませんでした。しかし「仮面ライダーストロンガー」では超電子人間になったり、「仮面ライダーBLACK RX」ではロボライダーやバイオライダーに姿を変えられるなど、昭和ライダーの一部の作品では既にフォームの原点となるシステムが導入されていました。
2000年に平成ライダーの最初の作品となった「仮面ライダークウガ」では10種類以上のフォームに変身する事が可能になりました。また「仮面ライダーW」の様に一人のライダーに二つのフォームを組み合わせるというアイデアが盛り込まれた作品もありました。
仮面ライダーの必殺技
昭和ライダーであれば基本的に「パンチ」「キック」「ジャンプ」が基本だったので「ライダーパンチ」「ライダーキック」が必殺技でした。
派生技として「ライダー反転キック」や「ライダーチョップ」などがありましたが、基本的に体術が主流でした。ですが昭和ライダー3作目となった「仮面ライダーX」からは「ライドルスティック」という武器が登場、「ライドル脳天割り」「ライドル風車」「X斬り」など武器を使った必殺技が多く登場し始めました。
さらに「仮面ライダーBLACK」では悪のライダー「シャドームーン」が「サタンサーベル」という武器を使用、主人公の「BLACK / ブラックサン」は大いに苦戦しました。次作「仮面ライダーBLACK RX」ではリボルケインという必殺武器で敵にトドメ刺すと設定が盛り込まれました。
平成・令和ライダーでもこの設定は引き継がれていますが、火炎や稲妻、エネルギー波など物理攻撃以外の攻撃手法が新たに登場しています。
仮面ライダーの性別
戦隊ヒーローに関しては昔から女性メンバーが1人か2人はいました。しかし仮面ライダーに関しては長い間、女性がライダーに変身する事はありませんでした。
仮面ライダーは男の子の視聴者が多いので、自然と男性俳優が主人公を演じる事になるかと思います。
昭和ライダーでは仮面ライダーは基本的に男の主人公しか変身しませんでした。しかし平成以降の作品では仮面ライダーも多人数になったという事もあり女性俳優も仮面ライダーに変身する機会ができました。
基本的に仮面ライダーは男の子が多く視聴する作品ですが、戦隊シリーズも含めてヒーローモノには女性の視聴者も必ずいるのでそういった背景もあるのかもしれません。これも時代の流れですね。
仮面ライダーの強さ
全てのライダーが強さ比べをしていないので、はっきりとした事は言えませんが、純粋に身体的な能力でいうと昭和ライダーの「仮面ライダースーパー1」のパンチ力は300t、初代1号ライダーに関してはキック力が145tでどちらも全ライダーの中で最強です。
パンチ力、キック力、ジャンプ力は総合的に昭和ライダーがスペックが高いので身体的な強さであれば昭和ライダーに軍配が上がります。
仮面ライダーの強さは必殺技を含めての強さなので平成、令和ライダーが昭和ライダーより弱いという訳ではありません。
ただ仮面ライダーファンの中には「仮面ライダーBLACK RX」に登場する「バイオライダー」が最強という人が多いです。バイオライダーは通常では絶対に移動できない所を変幻自在に姿を変えて脱出したり、敵の体内に潜んだり劇中での活躍が光りました。
なので最強ライダーは個人的にもバイオライダーだと思っています。
仮面ライダーのデザイン
昭和ライダーのデザインは特に飾り気もなくシンプルな感じですね。仮面ライダーといえば「バッタ」がモチーフだったはずですが、この頃のライダーはしっかりとバッタ感が保たれています。スーツのデザインも生物感がある感じです。
平成以降のライダーのデザインは昭和ライダーと比べると派手だしゴテゴテしている感じがします。全体的に色も明るめでカラフル、ベルトだけではなくスーツ全体が派手な感じがします。生物というよりかは「ロボット」に近いデザインという感じでしょうか。
これは時代というよりは好みの差が大きいので、個人的には昭和ライダーの様なデザインでも現代で十分に通用すると思っています。
装備とアイテムの多様性
昭和ライダーまでは改造手術を受けた主人公がベルトを装着した状態で変身ポーズをするのが主流でした。
「仮面ライダーBLACK」では主人公の体に埋め込まれたキングストーンがエネルギーとなり仮面ライダーに変身出来ました。
平成以降のライダーになるとベルト以外の変身アイテムが登場します。特にベルトにアイテムをセットしてからポーズを取って変身するという流れが印象的ですね。
変身アイテムは作品ごとに多様性があり、仮面ライダーカブトであれば昆虫型メカ「ゼクター」をベルトにセットしてから変身します。「仮面ライダー鎧武」では「戦極ドライバー」というバックルが変身時にベルトに変形、また「仮面ライダー響鬼」の様にベルトさえ登場しない作品も存在します。
専用マシンの多様性
昭和ライダーの専用マシンは「バイク」が主流でした。ですが昭和ライダーのTVシリーズとしては最後の作品となった「仮面ライダーBLACK RX」ではシリーズ初となる「ライドロン」という四輪車自動車の専用マシンが登場。これがキッカケとなりクルマの専用マシンは平成ライダー以降の作品でも登場する事になりました。
平成ライダー以降では専用マシンは「専用ビークル」と呼ばれる様になりました。
「仮面ライダーアギト」では「マシントルネイダー」というマシンが「スライダーモード」という超高速走行形態になるなどマシンが変形する作品も登場。「仮面ライダーW」では「仮面ライダーアクセル」が「バイクフォーム」に変形する事で自ら高速移動するという珍しいライダーも存在します。
出演俳優の違い
男女ともに言えますが、その時代によって流行りのファッションや髪型などはあると思います。
昭和ライダーの主人公は黒髪の好青年という感じのスタイルでしたが、平成ライダー以降の作品はジャニーズ系で少しチャラい感じの青年という感じがします。
特に2000年代の平成ライダーの俳優は髪の毛の色が明るめな印象ですね。なんとなくですが、子供だけではなく若い母親層も意識している様な印象も受けました。
最近の令和ライダーは平成ライダーに比べるとファッションや髪型が少し落ち着いてきた感じはありますね。
ストーリーの違い
昭和の仮面ライダーは孤独な改造人間である主人公が悪の組織と戦うという設定でした。
平成ライダーからは社会的な事情もあり「改造人間」という設定がなくなりました。昭和ライダーでは頻繁に登場していた「戦闘員」の存在もなくなっています。
さらに昭和ライダーよりもストーリーの整合性が重視された事で、1話(30分)に全ての内容を盛り込む事が出来なくなった事により、2話で1エピソードという手法がとられました。
昭和ライダーはシリアスな傾向
ここからは個人の主観なのですが、昭和ライダーは良くも悪くも作風自体がシリアスな傾向があり孤独なヒーローが苦悩しながらも悪と戦うという感じでした。
特に「仮面ライダーBLACK」や「仮面ライダーBLACK RX」などは主人公の南光太郎の孤独なヒーロー感が顕著でしたが、それがまたカッコ良く見えたものでした。
また当時のバブル期にありがちな演出だった要所での「回想シーン」もストーリーに緊張感を持たせる効果があったと思います。
比較すると平成・令和ライダーは全体的にストーリーが明るい印象があります。昭和ライダーと違い、多人数ライダーになった事もあり全体的に賑やかになった感じがします。
皆んなで力を合わせて戦おうというのが平成ライダーの基本路線なんだと感じました。登場人物のノリが良くも悪く軽く、台詞も「略語」が多いのが昭和ライダーとの違いだと思います。
視聴者層の違い
平成、令和の時代では「若者」のカッコいいとされる基準が昭和と変わっています。
なんとなくな感想なのですが、平成・令和以降のライダーの俳優陣を見ていると視聴者は子供だけではなく「若い母親」もターゲットに入っている様な気がします。ジャニーズの様な「イケメン」、ヘアスタイルも少し派手で若者言葉を使うのが「今風」という価値観がある様に思います。
これを平成以降の歴代ライダーの俳優陣に照らし合わせると、まさにその傾向を辿っているので、男の子を持つ若い母親層や女の子の視聴者もターゲットにしているのではと思いました。
昭和ライダーに出演している俳優陣は「チャラい」感じではなく真面目な黒髪の「好青年」という感じですよね。昭和風に言うと「ハンサム」という感じでしょうか。
ジャニーズとはまた違った感じの雰囲気ですが、当時はこれが「今風」でカッコ良いとされたのだろうと思います。
昭和ライダーも当時の女性視聴者を少し意識して作られているとは思いますが、平成以降の仮面ライダーはよりその傾向が強まったと言えるのではないでしょうか?
CGエフェクトの違い
昭和ライダーと平成・令和ライダーの大きな違いとして「CG」の使い方の違いが挙げられます。昭和ライダー後期では既にCGが使われており、主に必殺技を炸裂させる際や変身する際に使用されていました。
これが平成以降のライダーになると必殺技以外にも使用されていきます。
例えばバイクで走っている時のスピード感、剣と剣が交わった時の火花、パンチやキックをした時のエネルギー感などです。登場キャラクター自体を3DCGで再現する事もあります。
最近のCGは昭和の頃よりも映像が鮮明になっている事も時代による違いといえます。
アナログ放送とデジタル放送の違い
現代ではデジタル放送に加えて、様々な映像技術(CGも含めて)が駆使されて制作されているので、かなり鮮明に迫力のある映像が楽しめる時代だと思います。
昭和ライダーの時代には現代の様なデジタル放送はなくアナログ放送が当たり前の時代でした。撮影もフィルムでしたので、現代の様な鮮明な映像ではありませんでした。
ただそれ故に現代のデジタルとは違った趣のある映像として仕上がっており、見る人によっては昭和の味のある映像が好きという人もいるかもしれません。
原作者が手がけた作品かどうか
これが一番伝えたい事かもしれません。
「仮面ライダー」原作者の「石ノ森章太郎」先生が関わった作品は実は「昭和ライダー」までなのです。
正確には1994年の「仮面ライダーJ」が生前最後の作品で、2000年に放送された平成ライダーの最初の作品「仮面ライダークウガ」の時には石ノ森先生はこの世にいませんでした。
つまり原作者が公認した仮面ライダーは「昭和ライダー」までなのです。
平成以降の仮面ライダーは石ノ森先生が認める作品なのか、またどの様に思っているのかは誰にも分かりません。
昭和・平成・令和ライダーの違いの感想
仮面ライダーの各世代の違いを色んな視点から個人的な主観も交えて説明してきました。
今回はほぼ「昭和ライダー」と「平成・令和ライダー」に分かれたと思います。世代的にどちらかというと昭和ライダー寄りの視点だったと思います。
筆者自身作品を見ていても平成以降は作風が大きく変更されていると実感しました。
特に俳優陣の選定、ストーリー、仮面ライダーの人数、フォーム、CGの使い方は特に顕著だと思いました。ただ個人的な感覚から言うと平成ライダー以降は少しゴチャゴチャしている感じも歪めません。
ちなみに筆者は「仮面ライダーBLACK」と「仮面ライダーBLACK RX」の世代です。
この2作品は昭和ライダーの要素を基本路線としつつ平成ライダーへ繋がる新たな試みも取り入れられました。
「仮面ライダーBLACK RX」は昭和と平成を跨ぎましたが、一応1994年の「仮面ライダーJ」までは昭和ライダーという括りで今回は扱いました。
作品に関して個人的に考えている事を言うと、昭和ライダーの様に悶々としている孤独な主人公をもう一度描いて欲しいという希望があります。そういう意味では世代贔屓を除いても「仮面ライダーBLACK」「仮面ライダーBLACK RX」を超える作品は今後出てこないのでは無いかと思うくらいシリアス路線に突き進んだ作品でした。昭和ライダーという括りだけではなく、バブル期という時代に仮面ライダーの最高傑作とも言える作品が登場したのは奇跡だと思います。
初代ライダーの世代の人や、平成ライダー以降の世代の人は「仮面ライダーBLACK」「仮面ライダーBLACK RX」はどう見えるのでしょうか?
個人的には「仮面ライダーBLACK」「仮面ライダーBLACK RX」の様なスタイルは現代でも十分通用すると思うので、もう一度シンプルでシリアスな作風の仮面ライダーが見たいですね。