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歴代ガンダムの作画の進化と軌跡まとめ

歴代ガンダムの作画の進化と変貌まとめ

ファーストから現代のガンダムまで時代ごとの作画の違いや特徴をまとめてみました。
メカニックや登場キャラクター等の作画をそれぞれの年代ごとに分けてどの様な進化、軌跡を辿ったのかを比較検証していきます。

70年代後半 ガンダムの作画

[該当作品]
機動戦士ガンダム (1979年 〜 80年)

[70年代に放送されたロボットアニメ (スーパーロボット系)]
マジンガーZ (1972年 〜 1973年)
ゲッターロボ (1974年 〜 1975年)
勇者ライディーン (1975年 〜 1976年)
UFOロボ グレンダイザー (1975年 〜 1977年)
超電磁マシーン ボルテスV (1977年 〜 1978年)
無敵超人ザンボット3 (1977年 〜 1978年)

スーパーロボット路線の名残がある初代

70年代の最後の年に登場した機動戦士ガンダム。
記念すべき第1作目となるアニメの作画は同時期のスーパーロボット系作品の影響を所々に受けていました。

ガンダムの作画
ガンダムが走っている場面とビームサーベルで敵に斬りかかる場面。

後年のガンダムのデザインと見比べると全体的に機体の凹凸が少なくのっぺりした印象。
腕の関節がかなり適当な感じです。

70年代には数多くのスーパーロボットアニメが放送されました。
その最後の年に登場した初代「機動戦士ガンダム」の作画にはスーパーロボットアニメの面影が残っているように思います。

 

アムロ・レイの作画
アムロの作画も髪がパーマというのも70年代のアニメらしいです。

同時期放送されたマジンガーZやゲッターなど数々の主人公達の雰囲気を少し継承している感じもします。70年代当時の主流であったファッションや髪がアニメにも反映されているとも言えます。

影になっている部分が薄い線で描かれているのもこの時代の作画の特徴。

 

ガンダム作画崩壊
初期のガンダムは所々で「作画崩壊」が目立ちました。
全体の作りがチープな感じです。

80年代中頃 ガンダムの作画

[該当作品]
機動戦士Zガンダム (1985年〜86年)
機動戦士ガンダムZZ (1986年〜87年)

[80年代中頃までに放送されたロボットアニメ]
超時空要塞マクロス (1982年 〜 1983年)
装甲騎兵ボトムズ (1983年 〜 1984年)
聖戦士ダンバイン (1983年 〜 1984年)
重戦機エルガイム (1984年 〜 1985年)
蒼き流星SPTレイズナー (1985年 〜 1986年)

リアル系ロボットアニメの開幕

脱スーパーロボットの始まりとも言える1980年代のロボットアニメ。

超時空要塞マクロスや聖戦士ダンバインなどスーパー系(24m 〜 120m)よりも機体のサイズが小さく4m 〜 19mとリアルで存在しても違和感が少ない大きさになりました。

またこの時代のロボットアニメはシリアスな展開になるストーリーも多くそれが戦争のリアルな真実を映し出しているかの様な作品でもありました。

ガンダムMKⅡ
ガンダムMkⅡの画像です。
初代の頃と比べても全体的に細部の凹凸が描かれているのがわかります。

初代の様なチープではなくガンダムの重量感増した感じです。

 

Zガンダム作画
左上の画像はZガンダムの主人公カミーユ・ビダン。
初代ガンダムの時と比べても影の部分がくっきり描かれているのがわかります。

ビームのエフェクトに関してですが銃口から発射されたビームの光線が直線に描かれて初代とあまり変わらない感じです。

爆発エフェクトも同じく攻撃が命中した部分から丸く描かれているぐらいで細かい描画はこの時代ではあまり見かけません。

スラスターに関しては薄いグラデーションがかかっているぐらいでざっくり描かれている感じです。メイン噴射の周りに薄い光の様な模様が描かれていて初代の頃よりも現実味が増した感じです。

Zガンダム作画3
敵MSの爆発後のコクピット内部の様子。
ディティールの描画は少ないです。

横から見える光のエフェクトは絵ではなく特殊効果で再現されていているのがわかります。
これが70年代のアニメの技術から進化している所ではないでしょうか。

ガンダムZZ ジュドー作画
画像はガンダムZZの主人公ジュドー・アーシタ。

ZとZZの時代はニュータイプキャラや機体から光を放出して特殊能力をいかにも特殊能力という感じの描写が多いです。

80年代後半 ガンダムの作画

[該当作品]
逆襲のシャア (1988年)
機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争 (1989年)

[80年代後半のロボットアニメ]
トップをねらえ!
機動警察パトレイバー

よりリアルな描写へ進化

この時代の作画は絵だけでなく機体の動きや音がよりリアル志向になり始めた時代でもあります。

ZからZZ、そして逆襲のシャアとガンダムというブランドがより強く確立し他のロボットアニメよりも動きや攻撃シーンでリアルさに磨きがかかった時代です。

逆襲のシャア 作画1
ZやZZの頃と違いファンネルのビームの周りに青い光薄く描かれているのがわかります。
ビームライフルのエフェクトも直線ではなく粒子が飛び散ってまばらな感じです。

逆襲のシャア作画2
ビームサーベルは刀身の衝突時にビームの粒子が飛び散っている描写がリアルです。

頭部バルカンの発射時の作画も薬莢が排出されて演出がより細かくリアルっぽさを演出しています。爆発エフェクトも煙のモクモクとし表現が加えられてZやZZの頃のチープな感じよりもリアルさが上がっています。

逆襲のシャア 作画3
アムロが「νガンダムは伊達じゃない!」と有名なセリフを言った後のガンダムの様子。
スラスター噴射時の光がより強くなっています。人の画力を超越したリアルな演出になりました。

逆襲のシャア作画40080ポケ戦 作画アムロ(逆修のシャア)、バーニィとアル & クリス (ポケットの中の戦争)。

メカの描写だけではなくキャラクターの表情も豊かになりました。

またこの頃から第08MS小隊まで登場人物の顔がさっぱり、あっさりとした塩顔風が主流となりました。(宇宙世紀シリーズのみ)

逆襲のシャア作画5
RX-93 νガンダム。
ガンダムの顔が初代ののっぺり感のある作画からキリッと凛々しい表情になっています。

90年代 ガンダムの作画

[該当作品]
機動戦士ガンダムF91 (1991年)
機動戦士ガンダム0083ス ターダストメモリー (1991年 〜 1992年)
機動戦士Vガンダム (1993年 〜 1994年)
機動武道伝Gガンダム (1993年 〜 1994年)
新機動戦記ガンダムW (1995 〜 1996年)
機動新世紀ガンダムX (1996年)
機動戦士ガンダム第08MS小隊 (1996年 〜 1999年)
∀ガンダム (1999年 〜 2000年)

[90年代のロボットアニメ]
マクロス7 (1994年 〜 1995年)
マクロスプラス (1995年)
新世紀エヴェンゲリオン (1995年 〜 1996年)
機動戦艦ナデシコ (1996年 〜 1997年)
ブレンパワード (1998年)

ガンダムが多様化した時代

90年代はTVアニメ、OVA、映画などメディアごとに作画が大きく変化した時代でもあります。

80年代末までにアムロとシャアの戦いと連邦・ジオンの戦いが一通り終わり、ガンダムは新たな可能性を模索していました。

F91(映画)、Vガンダム(TVアニメ)など90年代前半までは第二次ネオジオン抗争以降の宇宙世紀ガンダム史における新時代の幕開けとなりました。

同時に平成に入ってかからは0080、0083、 第08MS小隊などOVAによるガンダム史の裏舞台を描いた作品も登場しました。

F91 作画1
画像はガンダムF91の戦闘シーン。

ビームサーベルがしなり、スラスター、爆発など逆襲のシャア以降とあまり変わりはありませんが、ヴェスバーやラフレシアの撃ったビームに関しては鮮やかな光で強調されていてより綺麗なエフェクトに仕上がっています。

F91作画2
F91のコクピットのギミック。
ポケ戦でも少しだけザクのコクピット内部の細かい描写はありました。

F91や0083では戦闘中でも計器類を操作するシーンが度々あります。

0083作画1
こちらは0083の戦闘シーン。
Iフィールドでビームを弾いて粒子が飛び散る様子がわかりやすく描かれています。

シーブック コウウラキ 作画
シーブック(F91)とコウ・ウラキ(0083)。

同時期の作品ですが絵のタッチが全然違います。
0083の作画の方が顔の表情がより人間らしい感じがします。

08MS小隊 作画
第08MS小隊に登場する陸戦型ガンダム。
F91や逆襲のシャアではそれ以前の作品に比べMSの動きの機敏さが強調されていましたが、0083と第08MS小隊ではメカとしての重厚感が感じられる作画やアニメーションになりました。

ガンダムW作画
新機動戦記ガンダムWの登場人物。
美少年・美少女が多数出てくるまるでキャラクターをアイドル化したかの様な作品でした。
女子受けを狙ったイケメン、美女が多数出てきたアニメの先駆けと言ってもいい作品ではないでしょうか。

2000年以降 ガンダムの作画

[該当作品]
機動戦士ガンダムSEED
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
機動戦士ガンダム00
機動戦士ガンダムAGE
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
機動戦士ガンダムUC
機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星
機動戦士ガンダム Twilight AXIS
機動戦士ガンダムNT
機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ

アニメ顔の流行とCGの普及

90年代中頃のガンダムW、ガンダムXあたりから主役キャラが美男(今風でいうとイケメン)が主流になりました。

21世紀に入ってからもその系譜は受け継がれ、特にSEEDとSEED DESTINYではデカ目キャラが横行しました。

最近ではUCやTHE ORIGINなどガンダムの主力とも言える宇宙世紀シリーズの作品では不自然なアニメ顔は解消されています。

また90年代では珍しかったCGアニメーションが普及したのも近年のアニメ作品の特徴です。

seed作画
ガンダムSEEDのキラとアスラン。
SEEDとSEED DESTINYのキャラデザインはガンダム史上一番デカ目だった時期だったのではないでしょうか。

ガンダムUC 作画
ガンダムUCの主人公バナージ・リンクス。
キャラデザインが1周回ってデカ目が解消。

SEEDの時はいかにもアニメ顔って感じでしたが、近年の美男・美女揃いアニメが多い中では丁度良いバランスのキャラデザインだと思います。

ガンダムUC作画2
ユニコーンガンダムがデストロイモードになったシーン。

その際の動きには従来の様な一枚絵のコマ送りではなくCGが使われています。

実は最新の技術ではなく1995年の「マクロスプラス」でもCGが使われていました。
「マクロスプラス」はOVAなのでTVアニメよりもこだわった演出が多かったのです。
ですが近年ではTVアニメでもCGアニメーションを使った演出が主流になってきました。

歴代ガンダム最強の武装ランキング
歴代ガンダム最強の武装ランキングを独断と偏見で決めてみた (宇宙世紀編)ガンダムの先戦闘シーンの醍醐味である武器で敵を撃墜シーン。 宇宙世紀の歴代ガンダムの武装を射撃系と格闘系に分けて独断と偏見でランキング形式にしてみました。 今回取り上げるのはアニメ、OVA、映画で活躍したガンダム系のモビルスーツです。 また各ガンダムの戦闘シーンで出現頻度が高い武器に焦点を当て記載しています。 ※[威力]に関してはジェネレータ出力が時代ごとに変化するため、あくまでその登場作品の時代に沿った基準になります。...