宇宙世紀ガンダムシリーズで登場する歴代のコアファイターを紹介したいと思います。
コアファイターといえばガンダムの中核を担う小型戦闘機で歴代シリーズでも数多く登場しています。
今回は歴代のコアファイターとコアブロックシステムについてまとめてみました。
コアファイターとは
コアファイターとは地球連邦軍がV作戦によって開発したRXタイプのモビルスーツ「ガンダム」「ガンキャノン」「ガンタンク」とドッキングした際にコクピット・ブロックとなる小型戦闘機である。
MSが損傷した際の脱出用ポッドや戦闘データ回収を目的として開発されており、コア・ファイターを「コア・ブロック」として機能させるMS用の統一規格コクピットの事を「コアブロックシステム」と呼ぶ。
宇宙世紀ガンダムシリーズの歴代作品ではこのシステムにより救われたパイロットも数多く存在している。
デメリットとしては「全天周囲モニター・リニアシート」を採用できない事であり、コア・ファイターのスペース制限によりコクピットの内装を球形に出来ないため全天周囲モニターやリニアシートを支持するためのフレキシブル・アームを設置出来ないため、イジェクション・ポッド方式の脱出機構を備えた機体と比較すると操縦時の視界に制限が発生する。
コアブロックシステムの種類
バーティカル・イン・ザ・ボディ方式
コア・ファイターを上半身・下半身パーツで包み込む様にして合体する「垂直合体方式」。
コクピットとなるコア・ファイターをMS胴体内に収める事になるため生存率は上がるが、機体に搭載されている兵装やスラスターを利用する事が出来ないためのデッドウェイト、腹部の脆弱性などの欠点が存在。主に初期のガンダムにおいて積極的に採用された合体方式である。
ガンダム、ガンキャノン、ガンタンク、G-3ガンダム、ガンダムGT-FOUR、ZZガンダム、Sガンダム、ナラティブガンダム
ホリゾンタル・イン・ザ・ボディ方式
コア・ファイターがMS本体の背面に挿入される「水平合体方式」。
この方式ではコア・ファイターに搭載されている兵装やスラスター、推進剤などをMS本体と共有する事が可能になるのがメリットである。
デメリットはMS時の稼働状態次第では脱出の時に燃料不足になったりする可能性がある他、コア・ファイターの露出面積が大きいため機体の損傷によっては脱出が不可能になるなどのリスクが伴う事である。
宇宙世紀0080年代前半の「ガンダム開発計画」で試験的に採用され、後年のガンダムもこの合体方式が積極的に採用されている。
ガンダム試作0号機、ガンダム試作1号機、ガンダム試作3号機、ガンダム・グリンブルスティ、ガンダム・ケストレル、クラスターガンダム、ネオガンダム、クロスボーンガンダム、Vガンダム、V2ガンダム
歴代のコアファイターまとめ
プロトタイプ・コア・ファイター
出典元:gunpla-beginning.com/
登場作品:MSV-R
関連機種:プロトタイプガンダム
初代「ガンダム」などで採用されている「FF-X7 コアファイター」の試作機。FF-X7とは主翼の形状が異なり、武装は装備されていない。
2機の試作機をテストした結果、エンジン出力の弱さや機体制御などの問題を検出。
エンジンは変更され1号機はプロトタイプガンダムのコアブロックとして試験的に運用されるも、後にFF-X7に換装されている。
型式番号 | FF-X5 |
全長 | 8.6m |
本体重量 | 8.15t |
武装 | なし |
コア・ファイター
出典元:gunpla-beginning.com/
登場作品:機動戦士ガンダム、その他
関連機種:ガンダム、ガンキャノン、ガンタンク、G-3ガンダム、Gファイター、ガンダムGT-FOUR
型式番号はFF-X7。
地球連邦軍のRX計画で開発された「ガンダム」「ガンキャノン」「ガンタンク」のコアブロックとして採用されているコア・ファイター。
教育型のコンピュータが搭載されており、MS本体が損傷した際には実戦データ回収やパイロットの生存率を高めるために脱出装置として機能する。
また、パイロットが操縦出来ない状態であっても自動帰還する機能も持っている。
「機動戦士ガンダム」劇中では「リュウ・ホセイ」がマゼラアタックに特攻、最終話では「アムロ・レイ」が本機でア・バオア・クーを脱出しホワイトベースのクルーの元へ帰還するなど印象的なシーンも多い。
ちなみに「ガンダムGT-FOUR」のコアファイターは本機をベースに再設計したものであり、ブースターモード(航空機形態)では機種に収まり、MS形態とフライヤーモードでは「垂直合体方式」により胴体内に収まる仕様となっている。
コア・ファイター9
出典元:twitter.com/burasu21/
登場作品:ガンダム・カバード ネメシスの天秤
関連機種:ガンダム・カバード
アナハイムの試作MS「ガンダム・カバード」のコクピット・ブロックになるコアファイター。複座の二人乗りで機種に25mm機関砲を装備する。
型式番号 | FFX-9 |
武装 | 25mm機関砲 |
搭乗者 | ダイチ・オキタ、アリス・ファーランド |
コア・ブースターII
出典元:twitter.com/MSVbot/
登場作品:GUNDAM SECRET WEAPONS PHANTOM BULLETS
関連機種:ガンダム試作0号機
型式番号はFF-X7II-Bst。
「ガンダム試作0号機」用のコアファイターとして考案された。
機体の中央にドラムフレームが配置され、ビームライフルとMPIWS(ミノフスキー粒子干渉波検索装置)を装備した状態であっても飛行が可能になっている。
試作0号機に搭載され、コアブロックシステムの機動実験を行うも機体制御の問題により廃案となった。
コア・ファイターII
出典元:gunpla-beginning.com/
登場作品:機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー
関連機種:ガンダム試作1号機 ゼフィランサス
初代ガンダムで問題となっていた腹部の脆弱な構造を補うために試験的に「水平合体方式」を採用されたコア・ファイター。
空中換装は想定されておらず、換装中は下半身の固定が条件となる。
MS形態時にはメインエンジンがメインスラスターとなり、エンジン・ブロックはバーニアブロックとして機能するなど初代ガンダムでは合体時にデッドウェイトになっていた問題も解消されている。
また、武装面ではビームガンの他に、オプション兵装として2箇所のハードポイント、空対空ミサイルを装備する事も可能。
劇中の序盤では「コウ・ウラキ」がアフリカ大陸で哨戒飛行、その後ジオン軍残党のスパイであるAE社の「ニック・オービル」が同機に搭乗して逃亡するも、基地の察知を恐れた味方のザクII F2型に撃墜されている。
型式番号 | FF-XII |
全長 | 14.7m |
全幅 | 10.5m |
全備重量 | 15.9t |
総推力 | 42000kg |
武装 | ビームガン |
搭乗者 | コウ・ウラキ、ニック・オービル、ディック・アレン |
コア・ファイターII-Fb
出典元:gunpla-beginning.com/
登場作品:機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー
関連機種:ガンダム試作1号機 フルバーニアン
フルバーニアン用に開発された宇宙仕様のコア・ファイターII。
大気圏内用の主翼類はオミットされており、プロペラント・タンクと一体化したバーニア・ポッドに変更。
当時はまだ実用段階ではなかった「ムーバブル・フレーム」を採用した事によりピッチング・ローリング・急制動など柔軟性のある動きを可能にしている。
その他、機体前部にビームサーベルのホルダーを移設、コア・ブロック・カバーの廃止とエンジンブロックの強化、熱核ロケットエンジンへの変更、リバース・スラスターの追加など変更点が多い。
劇中の最終話では「ニナ・パープルトン」が無断で搭乗し地球へ落下しようとするスペース・コロニーに向かうシーンがある。
型式番号 | FF-XII-Fb |
全長 | 15.6m |
全幅 | 14.3m |
全備重量 | 22.6t |
総推力 | 180000kg |
武装 | ビームガン |
搭乗者 | コウ・ウラキ、ニナ・パープルトン |
コア・ファイターII-Sp
出典元:コアファイター コレクション
登場作品:GUNDAM EVOLVE4、機動戦士ガンダム0083 星屑の英雄 OPERATION
関連機種:ガンダム試作3号機 ステイメン
型式番号はFF-XII-Sp。Pスペック仕様のステイメンでコア・ブロックとなる小型戦闘機。
機体の構造上からして大気圏の突入や大気圏内での飛行、ステルス性があるとされている。
「0083 星屑の英雄」ではコロニーの軌道を変えるべくニナが搭乗、またAE社が残された一機を投棄して大気圏で燃え尽きるシーンがある。
コア・スクァード
出典元:twitter.com/RAIDEN108
登場作品:ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者
関連機種:ガンダム[ガンダムケストレル]、ガンダム[グリンブルスティ]
エゥーゴに鹵獲された強化人間専用機「ガンダム・グリンブルスティ」の改修機である「ガンダム ・ガンダムケストレル」のコアブロックシステムを担う小型戦闘機。
雛鳥を意味する「コア・スクァード」というペットネームが付けられている。ちなみにガンダム[グリンブルスティ]も子豚を意味する「コア・ピグレット」というペットネームが付けられている。
「水平合体方式」を採用しており、合体時にはレーザーロケットが搭載されているエンジンブロックがバックパックになりメインスラスターとして機能する。
またコクピットはこの方式では珍しい「全天周モニター・リニアシート」を採用しているのも特徴である。
・コア・ピグレット
出典元:hobby.dengeki.com
コア・ファイター(Gディフェンサー)
出典元:twitter.com/SNRI8741
登場作品:機動戦士Zガンダム
関連機種:Gディフェンサー
ガンダムMk-IIの重戦用装備としてAE社が開発した可変戦闘機「Gディフェンサー」の脱出用コクピット。武装はミニレーザー砲を装備しており、ハイザックの頭部を破壊するほどの威力を有する。
非常時もしくは「ガンダムMk-II」と合体時にGディフェンサーから分離される。
劇中では「カツ・コバヤシ」が搭乗。
第49話でハンブラビ隊と交戦した際にガンダムMk-IIと合体し分離するものの、「ヤザン・ゲーブル」との戦闘の際に余所見をしたため隕石に衝突。
制御不能になったところをヤザンにエンジン・ブロックを撃たれサラミス改に激突し爆散している。
ネオ・コアファイター
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:機動戦士ガンダムZZ
関連機種:ZZガンダム
「ZZガンダム」の中核をなす機体で3機配備されており、そのうちの2機はAパーツ(上半身)、Bパーツ(下半身)と合体する事により「コア・トップ」「コア・ベース」として運用されている。
ZZになる時は「ジュドー・アーシタ」の搭乗機がコア・トップとコア・ベースと合体するため、他の2機は直前に分離する。
MS形態時のコクピット・ブロックは球形コクピットと同等の機能を確保、さらにAパーツ、Bパーツと同様に小型の高出力ジェネレーターを分散配置されており、合体時には従来のガンダムタイプのMSに比べ約3倍の出力を発揮する。
劇中では第7話で「ルー・ルカ」の乗機として登場。
第36話ではコロニー落としの衝撃波により2機が飛行不能になったため、以降では合体した状態で運用されている。
型式番号 | FXA-07GB |
全長 | 11.62m |
全幅 | 15.89m |
全備重量 | 11.6t |
総推力 | 20960kg |
武装 | ミサイルランチャー |
搭乗者 | ジュドー・アーシタ、ルー・ルカ |
Gコア
出典元:gundam.fandom.com
登場作品:ガンダム・センチネル
関連機種:Sガンダム
「Sガンダム」を構成するパーツの一つ。機種はRX-78 ガンダムと似た形状をしているが、エンジンブロックは2つに分かれている。
コア・ファイター「Gコア」、上半身部「Gアタッカー」、下半身部+ビームスマートガン「Gボマー」と合体する事でMS形態となる。
また強化装備を施した「Ex-S」形態時にはブースターパックを装備した「FXA-08GB-Bst コアブースター」として運用する事も可能。
型式番号 | FXA-08GB |
全長 | 7.92m |
全幅 | 7.63m |
全備重量 | 12.1t |
総推力 | 16512kg |
武装 | ミサイル・ランチャー |
コア・ファイター(ナラティブガンダム)
出典元:http://gundam-nt.net
登場作品:機動戦士ガンダムNT
関連機種:ナラティブガンダム
ナラティブガンダムのコアブロックを担う小型戦闘機で、「縦型合体方式」を採用。窓枠のあるキャノピーや双胴型のエンジンはSガンダムの「Gコア」に似ている。
「全天周囲モニター・リニアシート」を採用できず、第1世代モビルスーツ同様に三面モニターが使われているものの、操縦桿に関しては「コントロールシリンダー」を採用するなど革新的である。
劇中の終盤では「ナラティブガンダム」を撃墜された「ヨナ・バシュタ」がフェネクスに乗り換える際に使用している。
コア・ファイター (クラスターガンダム)
登場作品:機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91
関連機種:クラスターガンダム
「クラスターガンダム」のコアブロックとして機能しており、MSの管制中枢や機体データの管理などの機能を集約する。
また、モビルスーツと連動するシステムを搭載しているためMSの可動キーの役割を担う他、万が一機体を破棄して脱出をしたとしてもMS本体の制御システムなどはロックされるため、機体データの解析や鹵獲による運用を阻止する事が可能になっている。
「水平合体方式」を採用しているものの、超小型戦闘機のためMSとの合体時には胴体の中に収納。
スペースの関係上、ジェネレーターは搭載されず大容量のコンデンサで稼働する。
コア・ファイター(ネオガンダム)
登場作品:機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91
関連機種:ネオガンダム
型式番号はFF-XFN1。「水平合体方式」を採用したコアブロックシステムでMSと合体時にはバックパックを兼ねる。
コアファイター側にメインジェネレーターを搭載しているため、サブ・ジェネレーターはMS本体に搭載されている。
ちなみにコアファイターをMSの中核部にするという設計思想は後年のモビルスーツにも取り入れられている。
コア・ファイター(クロスボーンガンダムX1)
登場作品:機動戦士クロスボーン・ガンダム
関連機種:クロスボーンガンダムX1
「クロスボーン・ガンダムX1」の脱出ポッドを兼ねた戦闘機。
コアブロックシステムは「水平合体方式」となっており、コクピットはU.C.0150年代の「ヴィクトリータイプ」に通じるものがあり、操縦桿はグリップと円筒型のスロットルが一体となった「コントロール・シリンダー」を採用する。
サナリィが開発したクラスターガンダムのコアファイターの発展型であるとされるが、スラスターの共有はネオガンダムと似ている。
大型可動式スラスターを搭載しており、宇宙空間においては機動性・運動性ともに非常に高い能力を発揮し、合体時にはMS本体のメインスラスターとして機能する。
コア・ファイター (Vガンダム)
登場作品:機動戦士Vガンダム
関連機種:Vガンダム、Vガンダムヘキサ、Vダッシュガンダム
「Vガンダム」の中枢となり、頭部とジェネレーターを有するコアファイター。完全な「全天周囲・リニアシート」ではなくMS形態時にはキャノピーの透明部分がモニターとなる。
各種センサー・機体管制・メインスラスター・ジェネレーターなどが集約されているため、本機のみの整備だけで何度も出撃が可能。
「トップリム(上半身パーツ)」と「ボトムリム(下半身パーツ)」とドッキングする事で「トップファイター」「ボトムファイター」として運用できる。
空力特性を無視した形状となっているが、「ミノフスキーフライト」の搭載により大気圏内での飛行能力を有している。
また、トップリム・ボトムリムの単独飛行時には内部バッテリーとコアファイターのマイクロ波送電により稼働する方式となっている。
ちなみに本機は「インジェクションポッド」を採用しているため、緊急時にはコア部分のみ射出可能など二重の脱出機能が備えられている。
全長 | 8.6m |
装甲材質 | ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材 |
推進機関 | ミノフスキーフライト |
ジェネレーター出力 | 4780kw |
総推力 | 14780kg |
武装 | バルカン砲 |
V2コア・ファイター
登場作品:機動戦士Vガンダム
関連機種:V2ガンダム
「Vガンダム」と同様にMSの中枢機能を集めたコアファイター。
「トップ・リム」「ボトム・リム」と合体する事により「V2トップ・ファイター」「V2ボトム・ファイター」となる。
Vガンダムとの相違点としてはMSの頭部がカバーに覆われているため、頭部バルカンを旋回砲塔として使用するにはカバーを開いて頭部を露出させる必要がある。
推進システムに「ミノフスキー・ドライブ・ユニット」を採用した事でMS合体時には亜光速の加速、ドライブユニットからは「光の翼」と呼ばれるビームを発生させる事が可能である。特に光の翼は戦艦の艦橋を切り裂くほどの切断力があり、高出力ビームを弾き返すシールドとしても機能する。
また「バスターパーツ」のメガビームキャノンやスプレービームポッドなども装備可能となっており、重武装の戦闘機としても運用できる。
構造が複雑であるため2機のみ製造されているが、劇中では「オリファー・イノエ」が敵戦艦への特攻したため1機失っている。
全長 | 17.5m |
装甲材質 | ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材 |
推進機関 | ミノフスキードライブ |
ジェネレーター出力 | 7510kw |
総推力 | 9540kg |
武装 | バルカン砲 |
歴代コアファイターとコアブロックシステムの感想
宇宙世紀ガンダムシリーズに登場した歴代「コア・ファイター」を中心に、コアブロックシステムの内容などを紹介しました。
コアブロックシステムといえばガンダムのための機能と言っても過言ではなく、歴代のコアファイターを見てもガンダム関連の機種が多い事からコストの問題で通常の量産機には採用されていない事が分かります。
量産型である「Vガンダムヘキサ」に関してはコアブロックが存在しますが、これはコアブロックシステムを採用したガンダムの中でも例外と言えます。
ちなみにヘキサはVガンダムから「Vアンテナ」をオミットして「ブレードアンテナ」を設置したガンダムなので、コアファイターの見た目もVガンダムやVダッシュガンダムとは異なっています。
「Zガンダム」や「F91」などコアブロックシステムを採用していないガンダムも多いですが、全体的に見るとコアブロックがあるガンダムが多い様に思いました。