歴代ドラえもんの作画の移り変わりを年代別に紹介したいと思います。
「藤子・F・不二雄」原作で現在では国民的アニメとして幅広い世代に親しまれている「ドラえもん」ですが、放送開始以降ドラえもんの見た目も少しづつ変化しています。
今回はアニメ版を中心に歴代ドラえもんの見た目の変化を年代別に見ていきたいと思います。
年代別で見るドラえもんの作画
アニメ版のドラえもんの作画を年代順に紹介したいと思います。
1973年 (日テレ版)
1973年の4月から9月末まで約半年間に渡り放送された幻のアニメ。フィルムの所在が不明で映像ソフトも出回っていないため現在では見る事難しいとされています。
原作の初期やアニメオリジナルの設定が用いられているためか、後に放送されるテレ朝版とはキャラクター性が異なっておりギャグやコメディ色が色濃く感じられる動きをしています。
「作画について」
ドラえもんの絵柄に関しては全体的にバラつきが大きい印象を受けました。上半身よりも下半身が細く描かれているのも特徴ですね。
またこの頃は鼻が小さくて鼻と口までの距離がかなり長くなっています。
#夕暮れ懐かしアニメソング
日テレ版
ドラえもん OP pic.twitter.com/d4NMrJBgR8— 愛と正義の飯テロ部長タッチャン (@OtatuRaider) August 24, 2022
1978年 (パイロット版)
後に放送されるテレ朝版の試作アニメ。ちなみにドラえもんの声優はテレ朝版でもレギュラーとして活躍する「大山のぶ代」さんです。
「作画について」
日テレ版と比べると少し首回りや足回りが細く感じられます。丸い鼻は少し大きくなり、頭の形も縦長から少し横長の円になった印象です。
また、鼻と口までの距離も少し縮んだ様子でヒゲも少し短くなった気がします。ちなみに日テレ版ドラえもんはのび太と同じくらいの身長でしたが、本作ではのび太の身長よりも低めに描かれています。
ドラえもんといえばドラム型で寸胴なイメージがありますが、パイロット版では足が細くお腹はぼってりした感じで描かれています。
部屋の扉の模様も後のテレ朝版とは違うのが分かります。
1979年 (テレ朝版・第1期)
1979年4月からはテレ朝版の第1期がスタート。2005年3月まで26年に渡り放送され幅広い世代の人に親しまれました。
今でもドラえもんといえばこの第1期を挙げる人は多いのではないでしょうか?
ちなみに1979年4月から1981年9月までは月曜日〜土曜日で各曜日が「10分」の1話づつで放送されていました。
「作画について」
顔はパイロット版とあまり変わりなく、鼻と口の距離も同くらいでしょうか。頭から下は少し太めになり寸胴型に近くなった感じがします。
『ドラえもんのうた』
歌:大杉久美子
作詞:楠部工 補作詞:ばばすすむ
作曲:菊池俊輔
『ドラえもん』1979年版 初代OP曲#ドラえもん #ドラえもん生誕祭 #ドラえもん生誕祭2019#ドラえもんの誕生日@retoro_mode pic.twitter.com/LqFKOodPAU— ルチャグレ (@Doraque_Lv100_Z) September 3, 2019
1980年代前半
ドラえもんの映画化がスタートしたのがこの頃になります。
ちなみに1981年10月には帯番組から毎週金曜日(2話)に放送スケジュールが変更されています。
「作画について」
この時代でもまだ作画の変動は顕著に見られ、1980年〜1984年にかけて少しずつ足が太くなっているのが分かります。
また白目も少し大きくヒゲは短く外側に描かれていきます。また、ドラえもんが笑った時の口の幅が少し小さくなっていきました。
・1980年
このあたりはまだ70年代の面影が残っています。
・1981年
・1982年
ヒゲが短くなり鼻から離れて描かれる様になりました。
・1983年
足は少し太くなりましたが、胴体から足までは丸みが残っています。
・1984年
口が少し小さくなり、白目が大きくなっています。ちなみにこの年から始まった新しいオープニングは1992年まで続きました。
昔のドラえもんのOPです。 pic.twitter.com/LRqCOnxCra
— OHAGIRL FAN (@semboku7020oha1) December 15, 2018
1980年代後半
この頃は「ドラえもん夢気球スペシャル」という特番がありドラえもんのデザインを施した気球が飛ばされていました。
アニメのタイトル画面もオレンジ色だったこの頃が一番好きでした。
「作画について」
ヒゲが内側に描かれる様になり、鼻と口の距離が縮まっていきました。また白目もさらに大きくなりました。顔の青い部分の面積も徐々に増しているが分かります。
足がさらに太くなり胴体から足にかけて直線的になりました。寸胴型のドラえもんが完成したのがこのあたりです。
・1985年
このあたりはまだ顔の青い部分の面積が小さいですね。
・1986年
顔の中心の白い部分の円が潰れて四角っぽくなった事で、外側の青い部分の範囲が増えているのが分かります。
・1987年
・1988年
白目と顔の青い部分の面積がさらに増しています。
・1989年
80年代前半の作画と比べても、鼻と口の距離が短く描かれているのが分かります。
#今の小学生は知らない #知ってる人RT
ドラえもん4代目ED「青空っていいな」 pic.twitter.com/uiIVGfNEPa— フジモト (@RdA7R8L5uYhWrPr) July 18, 2017
1990年代
1995年の公開映画「2112年 ドラえもん誕生」でザ・ドラえもんズが登場。ドラえもんズはその後、ゲーム「ドラえもん 友情伝説ザ・ドラえもんズ」にも登場しています。
この時期にドラえもんを見ていた人には懐かしい派生作品ですね。個人的には「ドラえもん のび太とアニマル惑星」も好きでした。
「作画について」
この時代になると顕著な変化はありませんが、白目の範囲が少し大きくなり、笑った時の口の幅がさらに小さく描かれる様になりました。作画が全体的に安定し出した時期とも言えます。
・1990年
・1991年
・1992年
・1993年
・1994年
・1995年
・1996年
・1997年
・1998年
・1999年
2000年〜第1期ラストまで
「大山のぶ代」版ドラえもんの終盤になります。また、2002年からはデジタル制作に移行しフルデジタルアニメーションになり、2005年3月18日をもって第2期へバトンタッチする形で第1期の放送を終えました。
「作画について」
2000年〜2002年途中までは変わらず、2002年後期〜2004年あたりは80年代前半同様にヒゲが外側に描かれ、鼻と口の距離が少し長くなります。
さらに顔の青い部分の面積はさらに大きく、黒目も大きくなって場面によってはハイライトが入る様になりました。
ところが2005年に入った段階で90年代テイストの作画に逆戻りし、このまま第1期の放送を終える事になりました。
・2000年
・2001年
・2002年
この年の途中までは90年代と変わらない作画だったものの、後期からは大幅なリニューアルが実施される事になりました。
・2003年
2002年の後期から目にハイライトが入り、ヒゲが外側に描かれるなど明らかな変化を遂げました。
・2004年
・2005年3月まで
第1期の末期とも言えるこの時期は一転して90年代風の作画で描かれているのが分かります。この時期の作画は第1期の完成形・集大成と言えるのではないでしょうか。
2005年4月〜 (テレ朝版・第2期放送開始)
大幅なリニューアルに伴いレギュラーメンバーの声優陣が一新。
ドラえもんの声優も1979年から26年間に渡り声を担当した「大山のぶ代」さんに代わって「水田わさび」さんが担当する事になりました。
テレ朝版の第二期は当初は馴染めない人も多かった様ですが、あれから年数も重ねて最近では定着してきた様にも思えます。
「作画について」
第1期の初期と同じく足が若干細くなり体のラインが丸みを帯びているのが分かります。また顔の形もほぼ円形に。
全体的に見てみると原作漫画に近いデザインになったと思います。その一方で黒目のサイズはより大きくなり、真ん中あたりに白い光が描かれる様になりました。
・2005年4月〜
・2006年
・2009年
・2017年
・2022年
原作版のドラえもん
漫画本に登場するドラえもんです。デザイン的にはテレ朝版の初期のアニメとあまり変わらない感じがします。
原作版のドラえもんはアニメ版よりギャグっぽく描かれており、ところどころで毒を吐く場面がありました。
ちなみに原作初期のドラえもんは全体的にぽっちゃりした体型になって頭と胴体のバランスがアニメ版と異なっています。
・原作版
・原作版初期
歴代ドラえもんの作画の感想
歴代ドラえもんの作画をまとめてみました。
放送期間が長いほどキャラクターの見た目が昔と今でギャップが大きくなるのはどのアニメも同じだと思います。
全体的な流れとしてはアニメ初期のドラえもんは原作を少し崩した感じの見た目だったのが、年月を経て行くうちにアニメオリジナルのデザインにまとまっていき、90年代で完成形になった感じがしますね。
個人的には80年代後半から90年代初期にドラえもんを見ていた世代なのですが、見た目的に一番かわいいと思うのはアニメ版初期のドラえもんでしょうか。
なので1979年〜1984年ぐらいの完成されていないドラえもんが一番好きですね。世代ではありませんが、わさび版のドラえもん(わさドラ)も原作に近い感じでデザイン的にも好きですね。