コラム

関西三都とはどこなのか? 都(みやこ)と都市で考えてみる。

関西三都

みなさんは関西三都はどこだと思いますか?

三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山と近畿地方は個性豊かな地域が多いですが、近畿勢同士でお互いを貶し合う文化みたいなものもあります。

個人的には最近気になってたテーマなので自分なりの結論を出してみました。

そもそも関西三都の定義とは何なのか?

そもそも関西三都の”都” にはどの様な意味があるのか?

近畿には歴史的にかつて都が置かれた地域や現代になり繁華街として発展している都市など他の地方に比べて特徴的な地域が多いので、都の意味によって関西三都の地域が変わってくるでしょう。

“都”について調べてみると二つの意味がある事がわかります。

・繁華街を指す”都市”という意味。
・皇居がある場所を指す”都(みやこ)”と言う意味。

この二つ違いから関西三都について考えてみたいと思います。

都市としての関西三都について

結論から言うと総合的な判断で大阪・兵庫・京都です。
以下理由を説明します。

近畿の各都市の数値データ

街の発展具合をどの指標で判断するかです。
鉄道に関しては新幹線が通っているのが大阪、兵庫、京都、滋賀です。

人口のベスト3は大阪、兵庫、京都になります。大阪が880万、兵庫が540万、京都が250万です。(2020年)

可住地あたりの人口密度 (1㎢当たり人口)は大阪 6,677.0人、京都 2,275.6人、兵庫 2,024.4人です。(2008年)

訪日観光客のベスト3は大阪、京都、奈良になります。大阪1150万人、京都が830万人、奈良が350万人です。(2018年)

100メートル以上の高層ビルの練数大阪が211練、兵庫が60練
大阪は9割の高層ビルが大阪市に集中しています。(2018年)

奈良と京都は歴史的な景観保全のため、建築物の高さに規制があるので除外。

滋賀、和歌山、三重は兵庫と圧倒的に差をつけられているので比較対象にはならないでしょう。

それぞれの街を見ていく

それぞれの街を見ていきたいと思います。

大阪府

大阪で一番発展している街は大阪市

北部は梅田、中之島、大阪ビジネスパークを中心に高層ビルが立ち並びオフィスが集中、南部は難波周辺に高層ビルが多く、阿倍野区には300メートルのビル ”あべのハルカス” があります。

大手企業も大阪市に拠点を多く置いている様です。

兵庫県

兵庫県は神戸市が一番発展しているが、姫路市、西宮市、尼崎市も発展しているので瀬戸内海に隣接する都市は満遍なく発展しているようです。

100メートル以上の高層ビルの数も大阪に次いで多く港町として栄えています。

京都府

京都は京都市とその他の市町村とで差があります。

人口の2/3が京都市に集中し、中心には京都駅と京都タワーがあります。

ビルの高さは景観保全により物足りないですが、街として発展しているのでオフィスビルも多く企業も集まっています。

奈良県

奈良は近畿の他の都市と違い都市化とは別の価値観を大切にしている事、古代に都として栄えていたため地面を掘れば遺跡が見つかる事が多い。

一番栄えている都市は奈良市。

景観保全による規制により一番高い建築物が興福寺の五重塔、歴史と街全体の一体感・眺望を重要視しているのが分かります。

狭い奈良盆地にビルと住宅地が建ち並び人口の9割以上が集中しているのが特徴です。

滋賀県

滋賀はここ最近人口が増えている地域の一つです。
一番栄えている都市は大津市

大阪や京都にも近いながらも土地の値段が安いので住宅の需要が高い。

和歌山県

和歌山は和歌山市が発展していて大阪へのアクセスが良いがその他の地域は大都市圏とは疎遠になるようです。

三重県

三重は近畿に所属していながらも大阪への通勤アクセスというよりは名古屋寄り

一番発展しているのが名古屋に近い四日市市。

関西三都を名乗るにはちょっと遠いかなと。

結果

人口、人口密度、ビルの高さなどの数値や都市としての街の景観、鉄道インフラなど総合的な判断で関西三都は大阪・兵庫・京都になるかなと思います。

都(みやこ)としての関西三都について

都(みやこ)、つまりかつて天皇による皇居が存在した地域、都市、現在でいう首都東京の事です。

近畿地方にはかつての都と呼ばれる場所がいくつも存在しているのですがその中でも歴史的に大きく影響を与えた都市が三都に選ばれるべきであると思います。

奈良・京都の二大古都はすぐに決まりました。

都が置かれ歴史的にも重要な役割を持った都市として関西三都は奈良・京都・大阪に決定。
滋賀も捨てがたいが、畿内に滋賀が入っていない事から除外。

残りの一都がなかなか決まらないのですが、都としては滋賀と比べてあまり変わらないのですが、五畿七道に入っている事が決め手となり大阪に決定。

兵庫県は都としての実績がほとんどなく、和歌山と三重は都になっていないので除外。

奈良、京都の二都は外せない

古都奈良、古都京都

日本を代表する二大古都です。

奈良と京都のそれぞれの特徴を見ていきたいと思います。

奈良(大和国)

奈良は日本という国の始まりの地であり、また天皇発祥の地、そして日本で最初に都が置かれた古都

大和国として古墳時代、飛鳥時代、奈良時代と奈良盆地の各地にが置かれ栄えていました。

まさに日本の源流を作った地であると言えるでしょう。

都が京都に遷都した後は寺院勢力が大和を支配し、南都と呼ばれていました。

歴史都市であり寺社仏閣は飛鳥時代・奈良時代のものが多く京都よりも古いのが多いです。

京都(山城国 / 丹波国 / 丹後国)

京都はかつての山背国と言われていたが奈良から遷都以降に山城国へ改名。

平安京を築き平安時代から江戸時代までだった場所。

歴史都市であり奈良からの遷都の時に寺院を持って行かなかったので寺社仏閣も奈良より新しいものが多いのが特徴。

古都でありながら近代では都市化が進んでいるので街としては発展している場所でもあります。

残りの一都は大阪、滋賀、兵庫から決める

残りは1都ですが近畿の中で奈良・京都を除いて都が置かれたことのある地域は以下です。

・大阪?
・滋賀?
・兵庫?

その中でも歴史的に古いのは大阪と滋賀です。

兵庫県は福原京、現在の神戸市に平安時代遷都していますが、すぐに平安京へ戻っています。

大阪と滋賀古墳〜奈良時代までの中で何回か遷都された事がありましたが、時の日本の中心が大和だった事もあり古都としてのイメージを持つ人は少ないでしょう。

なので本来であれば二都で終わってしまうのですが、無理やり三都にするならば大阪になると思います。

“都”としては主導権を握れなかった大阪ですが、滋賀に比べると古くからになっていたのと期間や遷都回数の多さ等から判断。

大阪の陣など戦国時代の舞台になった場所、江戸時代以降に水の都と呼ばれ栄えた地でもあります。

律令制時代の五畿七道では、畿内(大和、山城、摂津、河内、和泉)は奈良、京都、大阪、兵庫の一部なので、これをみると大阪なのかなと思います。

結果

都として日本の中心を担い歴史的に貢献した二大古都、歴史上重要な役割を果たした大阪を加えて関西三都は奈良・京都・大阪になりました。

地域による関西三都の認識の違い

関西三都については地域によって認識の差がある様です。

色んな人との会話やテレビ、ネットで見てみると、近畿の人からすれば関西三都は大阪・兵庫・京都答える人が多いです。

近畿の人から見れば街の発展具合や利便性を考えれば都市として発展している兵庫の方が良いと思うのは自然なのでしょう。

ただ近畿以外の全国の意見に耳を傾けると奈良が都として発展していたというイメージが強いみたいです。

日本史などの歴史の授業で地名を目にする機会が多いので知名度が高いのでしょう。

関東にも横浜があるので港町神戸には特別感は無いという意見もありました。

個人的に思う関西三都

個人的には歴史に興味があるという事と奈良は関西三都という枠を超えて奈良・京都・東京で日本の三都物語、そして日本の別称・雅称は大和であるという事から奈良は外せないという思いがあります。

なので関西三都は奈良・京都・大阪になると思います。

皆さんは関西三都はどこだと思いますか?