ゲーム史上で斬新かつ画期的だったゲームシステムを紹介したいと思います。
ファミコン発売以来、一般家庭にテレビゲームが普及し多くのゲームソフトが登場しました。当時は携帯ゲームもまだなく、多くのプレイヤーがファミコン雑誌やCMなどで新作ゲームの登場にワクワクしたものです。
今回はテレビゲーム誕生以来、当時はまだ目新しかった面白いゲームシステムや後の作品に影響を与えたゲームシステムをまとめてみました。
歴史を変えた斬新で画期的なゲームシステム
当時では珍しかった目新しいゲームシステムや後にゲームの歴史を変えたシステムを紹介します。
スクロール画面(縦・横)
プレイヤーの進む方向に合わせて画面が移動するゲームシステムで、アクションゲームやシューティングゲームに多く採用。
まだ2Dが主流だったファミコン、スーパーファミコンのゲームでよく見かける。
ファミコン用ソフト「スーパーマリオ」「エキサイトバイク」などが横スクロールを採用されている。
・スーパーマリオブラザーズ
「マリオブラザーズ」では固定画面なのに対し「スーパーマリオブラザーズ」ではシリーズで初めて横スクロールアクションを導入。後発のゲームに影響を与えました。
連鎖システム
「テトリス」みたいに消えたブロックの上層にあるブロックが落下して下層のブロックにはまり、ラインが揃うと再びブロック消えるシステム。
「ぷよぷよ」などの落ちものパズルゲームでも連鎖(チェーン)が採用されている。
・ぷよぷよ
ぷよの消滅により上にあったぷよが落下する。このとき再びぷよが4個以上くっつくと消滅し、連鎖が起きる。
エンカウント
マップを移動中に敵と遭遇すると戦闘画面に切り替わりモンスターと戦う状態に移行するシステム。
「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「ロマンシングサガ」「テイルズ」など様々なRPGで実装されています。後に多くのゲームにも採用され一般的になりました。
・ドラゴンクエスト
RPGの王道ともいうべきシリーズの第1弾。マップを移動中に敵と遭遇すると1対1で戦うという状況になります。
フリーシナリオ
最終目標は同じだが、選んだ主人公やプレイヤーの選択次第でゲームクリアに至るまでの過程を自由に形成できるシステム。
ゲーム開始からの経過時間や選択次第で特定のイベントの有無や内容が変化するのが魅力。
・ロマンシング・サガ
他のゲームに先駆けてフリーシナリオを採用したロールプレイングゲーム。発売当時のユーザーを沸かせた当時の「スクウェア」の傑作である。
ランダムでダンジョンを生成
ローグライクゲームに採用されています。
主人公が訪れるダンジョンの構造がランダムで変化するシステム。ダンジョンだけでなく落ちているアイテムやモンスターの数なども変化する。
スーパーファミコン用ソフト「トルネコの大冒険」「風来のシレン」などがこのシステムを採用。後に「チョコボの不思議なダンジョン」でも同システムが使われている。
・トルネコの大冒険 不思議なダンジョン
同システムを採用した第一弾。「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」に登場した「トルネコ」の後日談を描いた物語。後に「風来のシレン」も登場しシリーズ化されていった。
CDでモンスター獲得できるシステム
「モンスターファーム」シリーズで採用されている画期的なシステム。手持ちのCDをセットするだけでそのCD特有のモンスターを獲得できる。
CDであれば何でもよく、プレイステーションのソフトや音楽CDでも良い。
・モンスターファーム
CDからモンスターが誕生するというアイデアで人気となったシリーズ第1作。誕生したモンスターをファームで育てて試合に出場させて戦わせるゲーム。
敵モンスター加入システム
「ドラゴンクエスト」「ポケットモンスター」などで採用されているシステム。
敵を倒す、もしくは特殊アイテムを使ってモンスターを仲間に出来るシステム。仲間に入ったモンスターは育てる事も可能。
必ずしもお目当てのモンスターが仲間に入る訳ではないのがゲームをより面白くさせている。
・ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (DQ5)
倒したモンスターを仲間にする事が出来るシステムを採用したシリーズ最初の作品。このシステムは次作品である「ドラゴンクエストVI 幻の大地」にも引き継がれている。
モンスター育成システム (成長・強化)
「モンスターファーム」「ドラゴンクエスト」「ポケットモンスター」などで採用されているシステム。
モンスターも主人公達と同様に経験値を積み上げて成長させていくというもの。レベルが上がると能力も上がり色んな技を覚えるのはどの作品も共通。
・ポケットモンスター赤・緑・青
モンスターを育成して戦わせるゲームの先駆けと言ってもいいくらい大人気を博したゲームボーイ用ソフト。レベルアップや技マシンで戦闘で使う新たな技をを覚えさせる事もできる。
ユニットのマス目移動
元々はパソコンゲームでも採用されていたシステム。「ウォー・シミュレーションゲーム」と呼ばれる。後に一般家庭用のゲームにも登場しました。
代表的なのが「スーパーロボット大戦」「ファイアーエムブレム」。駒である各ユニットをマス目に沿って移動し、敵ユニットを倒してクリアしていくゲーム。物語性を持たせる事で「シミュレーションRPG」としてジャンルが確立している。
各ユニットはそれぞれ強化する事も可能です。(後述)
・スーパーロボット大戦
アニメで登場したロボット達が大集合、自軍のユニットを格子状のマス目に沿って移動。敵軍を倒していくゲーム。各ロボットはデフォルメされて可愛くなっている。
ユニット改造
先に紹介した「スーパーロボット大戦」で各ユニットを改造するシステム。ユニット改造は各シナリオで獲得した資金を使う事で可能。ユニット本体だけでなく、武器も改造できる。
自分のお気に入りのロボットを改造して強化する事で次のシナリオへのモチベーションにもなる。
・第4次スーパーロボット大戦
HP、EN(エネルギー)、運動性、装甲といった項目を選択して改造出来る。またそのユニットが装備する兵器(武器)を改造する事で攻撃力を強化する事が可能。
ユニット開発・生産
「ギレンの野望」シリーズで採用されているシステム。
ちなみにこのゲームは戦略シミュレーション(アナログ・ウォー・シミュレーション)というジャンルに位置付けられる。
自軍の戦術フェイズで「資金」「資源」を消費して敵攻略に必要なユニット(モビルスーツ、艦船など)を生産。
また「資金」を消費する事で開発本部から提案されたユニットを開発、新たなユニットを量産する事が可能になる。
開発プランはターンが進むと開発本部から新たなユニットの開発が提案される。イベントで開発プランを入手したり、諜報部に資金を注ぎ込んでいると敵軍から奪取する事も可能。
・機動戦士ガンダム ギレンの野望
開発・生産したユニットは自軍の戦術フェイズで敵軍のユニットと交戦する事が可能。拠点を攻略する事で国力(資金・資源)を上げていく。戦術フェイズと戦闘フェイズに別れており、戦術フェイズでは外交や内政、ユニット開発・生産、自軍の移動指示を出す事ができる。戦術フェイズ終了後、戦闘フェイズに移行する。
転職・ジョブチェンジシステム
主人公や仲間の職業を変える事でその職業でしか覚えられない魔法や技を覚える事が出来るシステム。
RPGでは「ドラゴンクエストIII (DQ3)」「ドラゴンクエストVI (DQ6)」「ファイナルファンタジー (FF1)」「ファイナルファンタジーIII (FF3)」「ファイナルファンタジーV(FF5)」などで採用されている。
各キャラをプレイヤーの好みで成長させる事が出来るのが最大の魅力。
DQでは特定のレベルに達すると転職可能。また特定の条件を満たさないと転職できない職もある。FFではクリスタルを獲得する事でチェンジ出来るジョブの数が増える。
・ドラゴンクエストIII (DQ3)
同システムで有名になったゲーム。レベル20に達するとダーマ神殿で転職が出来る。「賢者の悟り」を使うと僧侶と魔法使いの呪文が使える賢者に転職が可能になる。
ターンシステム
戦闘モード時にプレイヤーと敵が交互に行動するというもの。
「ドラゴンクエスト」「スーパーロボット大戦」「ギレンの野望」「ファイナルファンタジータクティクス」「ファイアーエムブレム」などのRPGやシミュレーションゲームにおいて採用されているシステム。
ターン制ストラテジーとも言われる。また将棋や囲碁、チェスのデジタルゲームもターン制といえる。
またファミコン時代のFF1〜FF3もターン制のバトルシステムを採用していた。
・ファイナルファンタジータクティクス
3Dマップをターンごとに自軍のユニットと敵軍のユニットが交互に行動して戦うシミュレーションRPG。FF初のシミュレーションRPGという事で大好評だった。
アクティブタイムバトルシステム
ターン制の戦闘システムとは異なり、常に時間が流れているリアルタイム制のバトルシステム。通称、ATB。
「ファイナルファンタジーIV」が初出であり、「ファイナルファンタジーV」ではATBバーが初めて表示された。
各キャラクターはATBゲージが満タンになると行動可能になる。
なお、このバトルシステムは特許を取得している。
・ファイナルファンタジーV (FF5)
ATBバーを表示した最初の作品。戦闘がリアルタイムなので緊張感のあるバトルが楽しめる。
リニアモーションバトルシステム
対戦格闘ゲームの様な戦闘システム、「テイルズシリーズ」で採用されている。同じ直線上に配置された敵・味方全てがリアルタイムで動き、行動する。
操作するキャラを手動で移動させて、攻撃・回避・防御を行う。操作キャラを変更する事も可能で、この場合プレイヤーに操作されていないキャラはAIで行動する。
・テイルズ オブ ファンタジア
初出の作品。コマンド入力で剣技や魔法を使う事が可能。
閃きシステム
「ロマンシング・サガ」シリーズで採用された技習得システムで、戦闘中にキャラ頭上の閃きエフェクトと共に新しい技を繰り出す。
ドラクエやFFなど従来のRPGでは敵を倒した後に獲得できるポイント(経験値など)を貯める事でキャラが成長するシステムが主流だった。
ロマサガでは経験値を貯めるという概念を持たず、各キャラクターが装備している武器に応じて戦闘中に技が発動。
閃いた技は以後使用可能になる。また閃く技、確率はキャラの強さ、敵の強さなど様々な条件でも変わる。
・ロマンシング・サガ2
閃きシステムは本作から採用された。以後のシリーズ作品でも同システムが採用されている。
オープンワールド
ゲーム内の仮想世界をプレイヤーが自由に移動して探索、目的に到達できるシステム。
定義は曖昧だが、プレイヤーが自由に行動出来てエンディングまでの順番が決まっていないゲームのこと。またフィールド移動時に画面の切り替えがないのも特徴。
「ゼルダの伝説シリーズ」「ファイナルファンタジーXV」「ゼノブレイドクロス」などアクションアドベンチャーやロールプレイングで多く採用されている。
ほぼ自由に移動できて攻略の順番がほぼ決まっていないという意味では「ドラクエIII」もオープンワールドに入るといえる。
・ゼルダの伝説シリーズ
30年以上シリーズ作が発売されているアクションアドベンチャー。オープンワールドの世界で隠された謎を解き、冒険を進めてくゲーム。
時代変化システム
「クロノトリガー」「ドラゴンクエストVI 幻の大地」などで採用されたシステム。
同じ世界であってもそれぞれの時代ごとに町や景観、イベントなどが変わっているのが特徴。時代ごとに文化が異なっていたりするので同じ世界を別の視点で楽しめる要素が魅力。
・クロノトリガー
タイムマシンを使って原始・古代・中世・現代・未来などの時代に行く事が可能。立体的な広さだけでなく、時代ごとに世界観が変わるのが魅力。
マルチエンディング
プレイヤーの選択次第でストーリーや結末が異なるシステム。「弟切草」「かまいたちの夜」などサウンドノベル系のゲームに採用されている事が多い。
・かまいたちの夜
スキー旅行に出かけた主人公とガールフレンドが滞在先のペンションで殺人事件に巻き込まれたという場面から始まる。選択次第で結末が変わる他、推理システムも導入されており犯人名の文字入力、ミスリードを誘う選択肢などが導入されている。
ミートカーソル
「実況パワフルプロ野球」「プロ野球スピリッツ」など野球ゲームで採用されている打撃システム。投手が投げたボールを「ミートカーソル」という打撃範囲を移動させて狙いを付けるシステム。
ボールが当たったカーソルの位置次第でボールが飛ぶ速さや方向が変わる。
・実況パワフルプロ野球’94
パワプロシリーズの記念すべき第1作。ファミスタと違ったプレイ感で人気を博した。
サクセスモード
「実況パワフルプロ野球」で採用されているストーリー性のある選手育成システム。
主人公が練習したり、試合で活躍することによって経験点を稼ぎ、各能力に割り振るというもの。試合で大活躍すると経験点が増加する。
まれに「ダイジョーブ博士」が登場し手術で大幅に能力を上げることができるが成功率が低く、失敗すると大幅に能力が下がる。
育成した選手は試合で使う事が可能。
・実況パワフルプロ野球3
パワプロシリーズ第3作にして大人気システムであるサクセスが登場。以後のパワプロシリーズでも欠かせない要素となっている。
現代では当たり前になった基本システム
現代のゲームではごく当たり前に採用されている基本的なゲームシステムをまとめてみました。
パラメータ
RPG、シミュレーションRPGなどでなお馴染みのシステム。各キャラクターの状態を数値で把握するのに有効。
武器、防具
RPG、シミュレーションRPGではお馴染み。キャラクターを強化するための手段の一つ。
攻撃力と防御力を強化する事で戦闘能力を上げゲーム攻略を後押しします。
アクションRPGなどでも採用されています。
呪文・魔法、技・スキル
RPG、シミュレーションRPGではお馴染みの概念。武器による直接攻撃ではなく呪文・魔法や技、スキルといったファンタジーかつ非現実要素を取り入れる事でプレーヤーの快感や物語の世界観を演出します。
道具・アイテム
様々なジャンルのゲームで見る事のあるシステムです。キャラクターを癒したり、イベントで必要になったりする事が多いです。
RPGなどのゲームでは当然の如く出てきますが、アクションゲーム、レースゲーム、アドベンチャーゲームなどでも採用されています。
マップ
プレイヤーの現在地を知るのに必要な地図。
RPG、シミュレーション、アクション、アドベンチャーゲーム、レースゲームなど幅広く採用されています。
モード選択
ほぼ全てのゲームで採用されている不可欠なシステム。
「ニューゲーム」「コンテニュー」「設定」などこれなしにはゲームは語れません。
ダッシュ
アクションゲームやレースゲームなどで採用されています。
スーパーマリオの「Bダッシュ」やマリオカートの「ロケットスタート」などがその代表です。
RPGの中にもキャラ移動を早くさせるためにダッシュ機能が実装されている作品も存在します。
スキップ機能
あらすじの字幕が流れている途中でスキップして飛ばしたりするシステムです。どのジャンルのゲームにも実装されています。
リセット機能
ゲーム途中にコントローラの複数のボタンを同時に押す事でタイトル画面に戻る機能の事いいます。対戦型格闘ゲームで実装されているケースが多いです。
隠しコマンドの一種です。
技コマンド
コマンド入力する事で技を繰り出す事ができるシステムです。「ストリートファイター」「ジョジョの奇妙な冒険」などの格闘ゲームでお馴染みです。
ちなみにスーファミの「ゴジラ怪獣大決戦」は個人的に大好きな格闘ゲームです。おすすめです。(かなりマニアック)
セーブ機能
プレイヤーが進めたゲーム内容を途中で記録するシステム。これも現代ではどのゲームにも実装されている不可欠な機能です。
初期のファミコンソフトではあまり実装されていませんでしたが、「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」ではバッテリーバックアップシステムを採用しセーブデータを記録する事ができました。(よく消えましたが)
その後、プレイステーションではメモリーカードでセーブデータが保存され、近年ではゲーム本体のストレージにセーブデータを記録するのが主流になっています。
カメラ切り替え
状況によってプレイヤーの視点が切り替わるシステムです。ジャンル問わず3Dゲームの多くで実装されています。
初期の「バイオハザード」では訪れたフロアによってカメラアングルが大きく変化する事がよくありました。
固定カメラ・TPS・FPSなどゲームによって採用されている視点システムが違います。
歴史を変えたゲームシステムと関連作品の感想
今回紹介したゲームシステムはゲームをプレイする上でよく見かけるシステムで、後の作品にも影響を与えたものも多いです。どれも記憶に残っていますし、印象深いシステムばかりです。
個人的に画期的なシステムを搭載したゲームを挙げるとすれば「不思議のダンジョンシリーズ」「ギレンの野望シリーズ」「モンスターファームシリーズ」になります。
「不思議のダンジョンシリーズ」はランダムでダンジョンが変化し、登場モンスターや落ちているアイテムも変わります。
エンカウントという概念がなく敵にであったら即戦闘になるのも当時は斬新でした。ドラクエ、FF、ロマサガの様なゲームを多くプレイしていたので新感覚のRPGという感じでした。
後発作品の「不思議のダンジョン2 風来のシレン」は当時かなりハマりました。
「ギレンの野望シリーズ」も初めてプレイした時は画期的なゲームと思いましたね。元々シミュレーションといえば「スーパーロボット大戦」をプレイしていたのですが、スパロボより戦略・戦術性を持たせた玄人好みのゲームだと思いました。
戦略フェイズでユニットを開発・生産、資金や資源のやりくり、外交や内政などロボットやストーリーを楽しむというより、自軍をいかに優位に持っていくかを考えるのが楽しいゲームでした。
「モンスターファームシリーズ」の最大の特徴はCDでモンスターを誕生させられるという事でしょう。
CDでモンスターを生み出すというアイデアがかなり斬新で手持ちのCDでモンスターを誕生させまくった記憶があります。CDの中にはレアモンスターがいたりしてお宝を発掘した気分になったりしていました。
モンスターを練習で育成して、冒険で技を覚えさせたり、レアアイテムを見つけたり、自分が育てたモンスターが死んでしまったり・・・など思い出が尽きないゲームです。
個人的に斬新で画期的でおすすめのシリーズを3つ紹介しましたが、他にもまだまだ面白い要素を持ったゲームがあります。