機動警察パトレイバーに登場する最強のレイバーを紹介したいと思います。
1989年から90年にかけてテレビアニメで放送された「機動警察パトレイバー」はOVAや映画など様々なメディアに展開されたロボットアニメ。カッコ良い主題歌や近未来の世界観で現在でもロボットアニメファンの中で根強い人気がある作品となっています。
今回は作中で活躍した最強レイバーを3機、番外編として1機まとめてみました。
パトレイバーで最強のレイバー3選
AV-98 イングラム
登場作品:
漫画版、テレビアニメ版、旧OVA版「機動警察パトレイバー アーリーデイズ」、新OVA版「機動警察パトレイバー NEW OVA SERIES」、劇場版「機動警察パトレイバー the Movie」、劇場版「機動警察パトレイバー 2 the Movie」、劇場版「WXIII 機動警察パトレイバー」、劇場版「ミニパト」
「性能」
篠原重工が開発した次世代のレイバー。
「AV(Advanced Vehicle / 発達型車両)計画」の実験試作機で、パイロットの動きを学習する事により動きが洗練される「成長するレイバー」である。
なお、劇中では1号機と2号機のパイロットの違いにより機体の成長度合いと実戦での動きがそれぞれ異なっている。
人間の動きはほぼ再現可能となっており、オートバランスによる姿勢制御、人型のマニュピレーターによる手持ちオプションの汎用性、装甲材質に炭素繊維強化プラスチックを使用した事による軽量化や超電導モーターと超電導バッテリーで得られる高い機動性・運動性など従来のレイバーとは異なる画期的な仕様となっている。
特殊装備のライアットガンはレイバーを一撃で粉砕するほどの威力を持っており、その他にも射撃・格闘用の武装が充実している。
ちなみに「密閉式コクピット」の採用により人間的な形状をしているものの、コクピットのスペースが確保出来ない事からパイロットが不満を漏らす場面もあった。
「活躍」
テレビアニメ版では主人公「泉野明」が搭乗する主役メカとして活躍。1号機には泉野明、2号機には太田功が搭乗し多くの戦果を挙げた。
漫画版での最終決戦では最強スペックを誇るレイバー「グリフォン」と戦った際に相手のパワーに押されるものの、野明がグリフォン戦に備えて事前にシミュレーションを重ねていた事や防御に徹した戦術などこれまでの戦いの経験差を見せつけ勝利するなど性能差を感じさせない活躍をした。
スペックこそ最新鋭機に劣るものの、主人公機としての活躍とパイロット・メカともに数々の戦いで得た経験による成長もある事から最強レイバーに相応しいと言える機体である。
形式番号 | AV-98 |
全高 | 8.02m |
全幅 | 4.37m |
本体重量 | 6.00t |
全備重量 | 6.62t |
最大起重 | 2.40t |
最小回転半径 | 3.90m |
装甲材質 | 繊維強化金属、炭素繊維強化プラスチック |
動力源 | 超伝導モーター、電力供給型内蔵バッテリー |
装備 | 6連装リボルバーカノン、対レイバー用スタンスティック、シールド、リアクティブアーマー、90mmポンプアクションライアットガン、96式起重機 |
搭乗者 | 泉野明(1号機)、太田功(2号機) |
AV-X0 零式
登場作品:テレビアニメ版、劇場版「機動警察パトレイバー the Movie」
「概要」
「イングラム」の後継機種として篠原重工によってハード・ソフト共に見直しを経て開発された純警察用試作レイバー。劇中では「れいしき」と呼称されている。
次世代のOSであるH.O.S(ハイパー・オペレーティング・システム)を搭載、従来のL.O.S.(レイバー・オペレーティング・システム)と比較して機体の性能を30パーセント引き上げる事に成功している。
また、OSに合わせて各部動作の効率化が図られた結果、反応速度の向上や格闘戦でレイバーを片手で持ち上げたり、膝でレイバーを粉砕するなどイングラムと比較して総合的に高い性能を発揮している。
最大の特徴はマニュピレーターの武器化である。イングラムがリボルバーカノンを取り出す際に使用されたアーム伸縮機能を転用し、先端の先鋭化と強度を上げた事により格闘戦において有効な兵器となっている。
その他にも開閉式の頭部に搭載されている各種センサーも大幅に強化されている。
「活躍」
テレビアニメ版では第39話にて型式番号である「AV-XO」と書かれたダンボールと、1/60スケールっぽい模型のみが登場している。
劇場版では特車二課第一小隊への納入に先駆けて最終調整が行われていたものの、自衛隊でHOS搭載の試作レイバーが突如暴走。
その後、太田功のイングラム2号機を援護するべく、香貫花・クランシーがHOSをシステムから分離させた状態で出撃したが、暴走してしまい2号機を撃破。
さらに起動用ディスクを抜いて機体の停止を図るもウィルスが修復したプログラムにより暴走し続け、「最後の敵」として野明の1号機と戦う事になった。
「方舟」の倒壊に巻き込まれた影響により機体の一部が損傷していたものの、1号機に対して格闘戦で圧倒していたが、ワイヤーを用いた野明の奇策によりプラットフォームから落下。
この隙に野明が零式に乗り移りHOSの設置箇所をショットガンで打ち込みんだ事によりようやく機能が停止した。
性能の高さは勿論だが、主人公達の前に立ちはだかった強敵として、また搭載OSの凶暴さも含めて最強クラスのレイバーと一つと言える。
形式番号 | AV-X0 |
全高 | 8.32m |
全幅 | 4.51m |
本体重量 | 6.12t |
全備重量 | 6.98t |
最大起重 | 3.20t |
最小回転半径 | 3.20m |
装甲材質 | 炭素繊維強化金属、炭素繊維強化プラスチック |
動力源 | 超伝導モーター、電力供給型内蔵バッテリー |
装備 | スタンスティック、大型専用シールド |
搭乗者 | 南雲しのぶ、香貫花・クランシー |
グリフォン
登場作品:テレビアニメ版、新OVA版「機動警察パトレイバー NEW OVA SERIES」
「概要」
SEJ土浦研究所が開発した実験戦闘用の試作レイバー。劇中では「黒いレイバー」と称され、搭乗者は専用のコントロール・ヘッドを介して制御する。
膨大な研究開発費を注ぎ込んでいるためか、本作に登場するレイバーの中では最強のスペックを誇る機体となっている。
パワー・機動性・運動性などいずれも従来のレイバーを上回るなど軍用レイバーと遜色ない性能を持つものの、オーバーワークを考慮して「Bシステム」というリミッターが搭載されているため通常時は設定された限界値の範囲でのみの性能となっている。
その他にも、オーマチック式拳銃の装備やフライトユニットやアクアユニット搭載による短距離飛行能力と水中潜行能力、緊急時の脱出機能なども備える。
本機の最大の特徴である超効率オペレーティング・システム「ASURA」は生物の様な滑らかな動きを実現。
さらにイングラム同様に戦闘経験による機体の成長や、搭乗者の操縦の癖を機体の動きに反映させる事も可能となっている。
「活躍」
作中では主にバドが搭乗。
新OVA版「機動警察パトレイバー NEW OVA SERIES」では第1小隊のピースメーカーと戦い、相手のシステムの脆弱性を突き大破させた。
野明が所属する第2小隊との戦いではイングラム1号機、2号機、3号機を相手に苦戦しコクピットからバドが引きずり出されている。
漫画版では太田功の「イングラム2号機」と篠原遊馬の「イングラム・エコノミー」交戦し圧倒、野明機とは戦わず空中に飛び去り周囲の者を驚愕させている。
城門の戦いではSSS隊の妨害工作や太田機による射撃、野明機との格闘戦により空中離脱を図るもダメージの影響で海上に落下。
その後は2番機が登場しシャフト・エンタープライズ・USAの「M5エイブラハム」などを相手に勝利するもシャフト上層部を欺くため爆破されている。
最後の1機となった3番機では特車2課を襲撃し、野明の「AVR-0」とは格闘戦で勝利。
イングラムに搭乗した後の野明との戦いでは徹底した防御戦術で捕縛されてしまう。リミッターを解除して立て直そうとするも機体が耐えきれず自壊し、最後はスタンスティックで敗北した。
作中に登場するレイバーの中で史上最強のマシンスペックを持ちながらも、搭乗者のバドが本機での戦闘経験が乏しかった事もあり本来の強みを活かしきれず、結果的に野明との経験の差で敗れてしまった機体である。
形式番号 | TYPE-J9 |
全高 | 8.55m |
全幅 | 4.60m |
本体重量 | 7.15t |
全備重量 | 7.60t |
最大起重 | 3.50t |
最小回転半径 | 4.30m |
装甲材質 | 炭素繊維強化金属、繊維強化プラスチック |
動力源 | 超伝導モーター、電力供給型内蔵バッテリー |
装備 | フライトユニット、アクアユニット、その他 |
搭乗者 | バドリナート・ハルチャンド |
パトレイバーで最強のレイバー (番外編)
AV-0 ピースメーカー (ゼロ)
登場作品:テレビアニメ版、旧OVA版「機動警察パトレイバー アーリーデイズ」、新OVA版「機動警察パトレイバー NEW OVA SERIES」
「概要」
篠原重工八王子工場によって製造、「MPL97s パイソン」に代わり特車二課第一小隊に配備されたパトレイバーである。
テレビアニメ版の第46話で「イングラム」に代わる最新鋭レイバーとして登場。 特車二課では「ゼロ」の名前で呼ばれる事が多い。
センサー類・格闘性能など基本性能は全て「イングラム」を凌駕しており、さらに部品の互換性もある事からメンテナンス性にも優れている機体である。
装備もリボルバーカノンと電磁警棒などイングラムと共通点が多いものの、打撃武器としても使用できる大型シールドを装備する。
さらに本機の特徴でもある「ニュートロン・ネットワーク・システム」は機体が建造物などに接近すると自動停止するシステムで戦闘時における民間への被害を少なく出来るものである。
「活躍」
新OVA版の「機動警察パトレイバー NEW OVA SERIES」では「グリフォン」との戦いにおいて善戦していたものの、敵機を建物付近に追い詰めた瞬間にシステムにより機体が停止、これがきっかけで敗戦してしまうという事態に陥っている。
AVシリーズ史上最強の性能を持ちながらも、実戦でシステムの欠陥が露呈してしまい敗れ去ったレイバーである。
形式番号 | AV-0 |
全高 | 8.20m |
全幅 | 4.45m |
本体重量 | 6.10t |
全備重量 | 7.00t |
最大起重 | 2.80t |
最小回転半径 | 3.00m |
装甲材質 | 繊維強化プラスチック、炭素繊維強化金属 |
装備 | 37mmリボルバーカノン、スタンスティック、シールド |
搭乗者 | 五味丘務、結城 |
パトレイバーで登場する最強のレイバーの感想
「機動警察パトレイバー」の各作品で活躍した最強のレイバーを紹介しました。
今回はスペック的には決して最強とは言えないイングラムをランキングに加えました。
性能だけいうと他にも強力なレイバーはいくつか存在しますが、やはり主人公機である事と幾多の戦闘経験によって得られたデータが機体の動作に影響する事を考えるとイングラムのパフォーマンスは零式やグリフォンにも劣らないと思います。
コスト度返しで開発された零式やグリフォンも魅力的な性能ですが、学習機能によって旧型であっても新型のレイバーに対抗出来る可能性を秘めているのがイングラムの最大の強みであるという事ですね。
ゲームではスーパーロボット大戦であまり参戦機会がなく、PSPのダウンロード版の「スーパーロボット大戦OE」のみの参戦になっていますので、バリキリーに近いサイズのリアルロボット系として今後発売されるスパロボにも登場して欲しいと思っています。