アニメキャラの作画の変化を見比べてみました。
放送期間が長いアニメの中にはキャラクターのデザインが初期の頃と比べても大きく異なっているものも存在します。
今回は国民的アニメを中心に放送期間の長いアニメの現在と昔の見た目の変化を追ってみたいと思います。
アニメキャラの見た目の変化まとめ
国民的アニメ中心に放送期間や間隔が長めのアニメキャラの変化をまとめてみました。
クレヨンしんちゃん
放送期間:1992年〜現在
・クレヨンしんちゃん(1992年〜)
・クレヨンしんちゃん(現在)
初期の頃のしんちゃんは目が小さく、みさえも今とは雰囲気が違うのが分かる。初期のキャラの顔はちびまる子ちゃんと同じく全体的に丸みがある感じ。
しんちゃんの眉毛に関しては初期は顔の輪郭の中に収まっているが、現在は髪の毛の方にはみ出て描かれている。
サザエさん
放送期間:
1969年〜現在 (日曜版)
1975年〜1997年(火曜版)
・サザエさん(1969年)
・サザエさん(現在)
初期のサザエさんは今では考えられないくらい破茶滅茶な感じだった。
波平とフネが喧嘩したり、マスオが酔っ払って帰ってきたり、カツオが全裸で玄関に出たり、サザエが酒を飲んだりタバコを吸ったりなど現在のゴールデンタイムではとても放送できそうにない描写が多かった。
スポンサーも昔は電気メーカー1社のみだったが、現在はIT企業が参入するなど時代が感じられる。
ドラえもん
放送期間:
1973年(日テレ版)
1979年〜現在(テレ朝版)
・(1973年 日テレ版)
・ドラえもん(1979年)
・ドラえもん(1992年)
・ドラえもん(現在)
1973年の日テレ版、1979年のドラえもんは鼻と口の距離が長く足も少し細い感じ。だが、1980年代後半以降からは足が太くなり次第に寸胴型なっていく。
ちなみに現在のわさドラは原作のドラえもんをモチーフにしたデザインになっている。
ちびまる子ちゃん
放送期間:
1990年〜1992年(第1期)
1995年〜現在(第2期)
・ちびまる子ちゃん(1990年〜92年)
・ちびまる子ちゃん(現在)
90年〜92年まで放送された第1期は全体的に黒目が小さく髪のボリュームがある感じがする。いかにもバブルの頃らしい作画という印象。
髪のギザギザに関しては現在の作画の方が深く描かれているのが分かる。
ドラゴンボール
放送期間:
1986年〜1989年(無印)
1989年〜1996年(Z)
1996年〜1997年(GT)
2009年〜2011年(改 第1期)
2014年〜2015年(改 第2期)
2015年〜2018年(超)
・ドラゴンボール(1986年〜1989)
・ドラゴンボールZ(1989年〜1996年)
・ドラゴンボールGT(1996年〜1997年)
・ドラゴンボール改、ドラゴンボール超(2009年〜2018年)
大きく分けて無印〜Zの途中、Zの後半〜GT、改以降で雰囲気が変わる感じがする。
悟空の子供の頃は現在の方が頭身が高い感じで描かれており、悟空の髪のボリュームは初期の方が多い。
スーパーサイヤ人の悟空に関してもフリーザ編とセル編では目の形が微妙に違い、セル編の方が目が四角っぽく描かれている。
全体的には現在の作画の方がハイライトが多い感じである。あと規制があるのか現在の作画は血の描写が存在しない気がした。
ポケットモンスター
放送期間:1997年〜現在
・ポケットモンスター(1997年)
・ポケットモンスター(現在)
初期の頃と現在では一目見て明らかに違うのが分かる。初期と現在の黒目の縦横比率が違うが、口と鼻の距離が違いが顔の印象を大きく変えている。
初期の方が顔のパーツが中に寄っているしキリッとしているが、現在のは少しマヌケな印象を受けた。
アンパンマン
放送期間:
1979年(NHK総合版)
1984年(16mmフィルム版)
1988年〜現在(日テレ版)
・アンパンマン(原作初期)
・アンパンマン(1984年)
・アンパンマン(1988年)
・アンパンマン(現在)
初期のアンパンマンはパンを配るおじさんで今の姿の面影も見られなかった。
1988年版の画像は鼻が無いのではなくアンパンマンが自分の鼻(パン)を取ってらくがき小僧に食べさせたシーンである。
初期と現在では黒目の大きさがまるで違うのと、ほっぺの赤い部分の形も現在の円形と比べると違うし大きさも少し違う。
全体的に初期の顔の方が幼く見える。ちなみに初期のアンパンマンはジャムおじさんの半分くらいの身長の時もあったが、現在ではジャムおじさんよりも背が高く描かれている。
名探偵コナン
放送期間:1996年〜現在
・名探偵コナン(1996年)
・名探偵コナン(現在)
コナンの場合は初期の作画の方が髪がハネている感じがする。全体的には現在の方がアゴが尖っている。ちなみに原作初期の蘭姉ちゃんは角がありません。
ルパン三世
放送期間:
1971年〜1972年 (第1作)
1977年〜1980年 (第2作)
1984年〜1985年 (第3作)
2015年〜1916年 (第4作)
2018年 (第5作)
2021年〜2022年(第6作)
・ルパン三世(1971年)
・ルパン三世(1977年)
・ルパン三世(1984年)
・ルパン三世(2015年)
・ルパン三世(2018年)
・ルパン三世(2021年)
作品ごとにヘアスタイルやトレードマークとなるジャケットのデザインもバラバラな印象。全体的に新作の方が渋く描かれている。
魔法使いサリー
放送期間:
1966年〜1968年(第1作)
1989年〜1991年(第2作)
・魔法使いサリー(1966年)
・魔法使いサリー(1989年)
89年版の方が全体的に顔のパーツが中に寄っているし、目のハイライトも強調されている。
サリーの前髪も89年版の方がボリュームがある感じに描かれている。
ひみつのアッコちゃん
放送期間:
1969年〜1970年(第1作)
1988年〜1989年(第2作)
1998年〜1999年(第3作)
・ひみつのアッコちゃん(1969年)
・ひみつのアッコちゃん(1988年)
・ひみつのアッコちゃん(1998年)
それぞれの時代の違いが明らかに見て取れる作画だと思う。
第1作と第2作と比べると、第3作の98年版は顔の丸みが少し取れたのと、まつ毛も横方向になったおかげで全体的に気が強そうに見える。
第1作は目が全体的に縦長だが、第2作・第3作と時代を経るにつれて目の形が円形に近い形になっていくのが分かる。
パーマン
放送期間:
1967年〜1968年(第1作)
1983年〜1985年(第2作)
・パーマン(1967年)
・パーマン(1983年)
・パーマン(2016年)
「大みそかだよ!ドラえもん1時間スペシャル」より
パッと見た感じだとほぼ同じ。第1作の方が少し黒目が大きくて、ヘルメットのつばのカーブは第2作の方が鋭利な感じがする。
パーマン2号(オレンジ色のヘルメット)は第1作の方が少し幼さがある気がする。
オバケのQ太郎
放送期間:
1965年〜1967年(第1作)
1971年〜1972年(第2作)
1985年〜1987年(第3作)
・オバケのQ太郎(1965年)
・オバケのQ太郎(1971年)
・オバケのQ太郎(1985年)
全体的なシルエットはあまり変わらないが、第1作の方が少し身体が縦長な印象。
第2作と第3作はほぼ同じ様に見えるが、Q太郎の頭に生えた3本の髪の毛は第3作の方がより強調して描かれている感じがする。
おそ松くん
放送期間:
1966年〜1967年(第1作)
1988年〜1989年(第2作)
2015年〜2016年(おそ松さん 第1期)
2017年〜2018年(おそ松さん 第2期)
2020年〜2021年(おそ松さん 第3期)
・おそ松くん(1966年)
・おそ松くん(1988年)
・おそ松さん(2015年)
おそ松さんに関しては色使いがカラフルになったのと各人物の輪郭がハッキリと描かれている。第2作とおそ松さんと比べると第1作は黒目と服のボタンが大きく描かれている。
ゲゲゲの鬼太郎
放送期間:
1968年〜1969年(第1作)
1971年〜1972年(第2作)
1985年〜1988年(第3作)
1996年〜1998年(第4作)
2007年〜2009年(第5作)
2018年〜2020年(第6作)
・ゲゲゲの鬼太郎(1968年)
・ゲゲゲの鬼太郎(1971年)
・ゲゲゲの鬼太郎(1985年)
・ゲゲゲの鬼太郎(1996年)
・ゲゲゲの鬼太郎(2007年)
・ゲゲゲの鬼太郎(2018年)
ヒロインで妖怪のねこ娘に関しては時代を経るにつれて人間っぽく描かれており、特に第6作に関しては妖怪っぽさがほぼゼロになっている。
鬼太郎に関しても微妙な違いはあるものの、第5作では黒目が少し大きく髪の毛の色が黄土色っぽくなっている。
忍者ハットリくん
放送期間:
1981年〜1987年(初代)
2012年 (忍者ハットリくん リターンズ 第1作)
2013年〜2017、2022年 (忍者ハットリくん リターンズ 第2作)
・忍者ハットリくん(1981年)
・忍者ハットリくん(2012年)
シルエットは新旧ともにほぼ同じ。新作の方が黒目が大きく、旧作の方が頬の模様が大きくなっている。
鉄人28号
放送期間:
1963年〜1965年(第1作)
2004年(第2作)
・鉄人28号(1963年)
・鉄人28号(2004年)
メカ(鉄人28号)に関しては2004年版の方が全体的に力強く描かれている。
初期の正太郎はいかにも60年代に多い作画って感じだが、2004年版よりもハイライトが少ない目になっている。
鉄腕アトム
放送期間:
1963年〜1966年(第1作)
1980年〜1981年(第2作)
2003年〜2004年(アストロボーイ・鉄腕アトム)
2019年〜2020年(GO!GO!アトム)
・鉄腕アトム(1963年)
・鉄腕アトム(1980年)
・鉄腕アトム(2003年)
1963年版と1980年版は白黒とカラーの違いぐらいであまり変わらず。
2003年版は他と比べて身体が全体的にテカっているためか、ロボットらしさが強調されている。
全体のハイライトは2003年版の方が強調されているが、目に関しては初代も現在もあまり変わらない気がする。
機動戦士ガンダム
放送期間:1979年〜1980年
・機動戦士ガンダム(1979年)
・機動戦士ガンダム(2022年)
劇場版「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」より
2022年版のアムロは主人公っぽい力強さが少し欠けている感じがある。
初代ガンダムのアムロの方は凛々しい感じなのに対し、現在のアムロは脇役と言うか、ややモブキャラっぽい印象を受けた。
各アニメキャラの見た目の変化の感想
アニメキャラの現在と昔の作画の変化を紹介しました。
国民的アニメを中心に作画をまとめてみましたが、放送終了したアニメに関してはなるべく放送時期が新しい作画で比較してみました。
個人的に一番変わったなと思ったのは、「サザエさん」と「ポケモン」です。
サトシに関しては初代の頃の様に凛々しさがなくサブキャラ感が出ている感じです。
サザエさんに登場する人物に関しては今では考えられないくらい性格までもが別人な感じでした。現在の穏やかなサザエさんと違い、昔はドタバタ劇の多いアニメでした。
逆に見た目がほとんど変わらないキャラは「パーマン」「オバケのQ太郎」「忍者ハットリくん」ぐらいでした。これらの作品のキャラは初期の時点で既に完成されていたと言えるのではないでしょうか。