ガンダムシリーズの歴代キュベレイとバリエーション機を紹介したいと思います。
一年戦争で登場したMA・エルメスの後継機種として開発されたキュベレイは「機動戦士Zガンダム」で初登場。
アクシズの摂政であるハマーン・カーンの専用機としてカリスマオーラを放つ特異なデザインとオールレンジ攻撃で大活躍、サイコミュを搭載したモビルスーツの元祖ともいえる存在となっています。
「機動戦士ガンダムZZ」でも2号機と3号機が登場しており、ガンダムファンの中でも人気のモビルスーツになっています。
今回はキュベレイと後の作品に登場した後継機種・派生機種の性能や活躍場面などをまとめてみました。
歴代キュベレイ全機種まとめ
ガンダムシリーズに登場した歴代キュベレイの特徴や活躍シーンなどをまとめてみました。
キュベレイ
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:機動戦士Zガンダム、機動戦士ガンダムZZ
アクシズが開発したサイコミュ搭載のニュータイプ専用モビルスーツ。
かつて一年戦争で連邦軍を恐怖に陥れた旧ジオン軍のNT専用モビルアーマー「エルメス」の小型化とMS化を目標に設計された。
一年戦争時にはサイコミュシステムの小型化が技術的に難しかった事からモビルアーマにしか搭載されなかったが、アクシズでの研究開発の結果、MSへの搭載が可能になりエルメスのオールレンジ攻撃端末「ビット」よりも小型化された「ファンネル」を装備している。
従来の「ビット」はジェネレータを内蔵していたため高出力であるものの耐用性の低さが欠点だったが、「ファンネル」ではE-CAPを内蔵しているため本機の後方部にあるコンテナでエネルギーの補充が可能になっている。
開発にはNT専用実験機「トゥッシェ・シュヴァルツ」ベースに、次世代型サイコミュシステム「バイオ・シグナル・エンハンサー」のデータが用いられた。
またNTパイロットが他に存在しなかった事でハマーン自身が被験者となっており、本機のノウハウはサイコミュを搭載した後継機に受け継がれている。
肩部の4枚設置された「フレキシブルバインダー」には各3基ずつメインスラスターを内蔵、AMBAC作動肢としても機能する。
装甲表面には耐ビームコーティングが施されているため多少のビーム攻撃であれば防御可能。
パイロットのハマーン・カーン
型式番号 | AMX-004 |
全高 | 18.9m |
頭頂高 | 18.4m |
本体重量 | 35.2t |
全備重量 | 57.2t |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
ジェネレータ出力 | 1820kw |
総推力 | 61600kg |
センサー有効半径 | 10900m |
姿勢制御バーニア | 12基 |
武装 | ファンネル ビームガン ビームサーベル 大型ビームサーベル |
搭乗者 | ハマーン・カーン |
「機動戦士Zガンダム」のキュベレイ
「機動戦士Zガンダム」では地球圏にやってきた「ハマーン・カーン」の専用機として第43話「ハマーンの嘲笑」で初登場。
ニュータイプパイロットが搭乗するエゥーゴのZガンダムや百式、ティターンズのジ・O相手に一歩も引けを取らない活躍を見せた。
vs Zガンダム
本作の主人公「カミーユ・ビダン」のZガンダムとの直接対決ではファンネルを駆使して戦いを優勢に進めていたが、「メタス」や「Gディフェンサー」を攻撃された事に怒ったカミーユによってフレキシブルバインダーをビームサーベルで切断されてしまい退却を余儀なくされている。
Zガンダムと戦闘シーン
vs ジ・O
「パプティマス・シロッコ」のジ・Oとの戦いではファンネルで追い詰め、ジ・Oに付き添っていたパラス・アテネの2連ビームガンがファンネルで破壊している。
後にファンネルをビームライフルで破壊されるものの、互角の戦いを演じている。
ファンネルでジ・Oを攻撃
vs 百式
最終決戦となったグリプス攻防戦では「クワトロ・バジーナ」の百式と一騎討ちに、廃棄された戦艦内では体当たりによってファンネルコンテナを封じられるものの、既に射出していたファンネルで百式両脚を破壊。
ハマーンは「これで終わりにするか続けるか、シャア!」と問うも、シャアが戦艦の損傷部に目掛けてバルカン砲を発射。これを見てトドメを刺そうとするハマーンだったが、その後に戦艦が大爆発。キュベレイは脱出したものの百式は爆発の渦に巻き込まれてしまった。
ファンネルで百式の脚部を破壊するシーン
ファンネルを射出するシーン
グリプス2に潜入したシーン
上腕からビームガンを発射するシーン
出典元:zero-note.net/
キュベレイ(永野護版)
「機動戦士ガンダムZZ」のキュベレイ
本作の最終話となる第47話「戦士、再び・・・」で登場、「ジュドー・アーシタ」のZZガンダムと一騎討ちを演じた。
ZZガンダムのハイメガキャノンの直撃を受けるもサイコフィールドで防御、装甲が一部損傷したものの戦闘は続行。
ファンネルを囮に使いながら両手に持ったビームサーベルで斬りかかりZZガンダムの片腕と片足を切断するが、本機も両腕と下半身を切断された。
ハマーン自身は敗北を認め、その後は本機を隕石に衝突させて爆散、ハマーンも死亡した。
ノーマルスーツを着用した決戦前のハマーン
ジュドーと初めて会ったコア3で戦いが繰り広げられた
サイコフィールドでハイメガキャノンを防御
ハイメガキャノンを受けた後のキュベレイ
・AMX-004 先行量産型キュベレイ
出典元:gunpla-beginning.com
ゲームぎゃざ企画「機動戦士ガンダム G-STRATEGY」には本機の量産に先駆けて開発された先行量産機が登場する。
プロトタイプ・キュベレイ
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:SDガンダム GGENERATION-F
エルメスのMS化をコンセプトに宇宙世紀0080年代前半にアクシズで開発された機体。
NT専用モビルスーツとしてはまだ発展段階であり、サイコミュの小型化が難航した事もあって機体のサイズが大型化されたが、AMBAC作動肢によって高機動は確保している。
また、キュベレイと同じく再充電可能なE-CAP内蔵型のファンネルを装備するも、あまり小型化されていないため6基しか搭載されていない。
この機体をベースにNT専用機としての完成形を追求し続け、後継機へコンセプトが受け継がれた。
型式番号 | AMX-001 |
頭頂高 | 約25.0m |
重量 | 不明 |
装甲材質 | 不明 |
武装 | ファンネル メガ粒子砲 ビームライフル ビームサーベル |
キュベレイMk-II
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:機動戦士ガンダムZZ
アクシズで遂行されていたニュータイプのクローン育成計画の一環で開発された「キュベレイ」のマイナーチェンジ機。
基本性能はキュベレイと同じだが、ビームサーベルが三又になっており3方向にビームを展開させる事で攻撃力が向上した。
3号機はヘッドギア型のサイコミュ・コントローラーで遠隔操作が可能になっている。
2機の試作機が生産され、ベースカラーが黒っぽい紫色の2号機は「エルピー・プル」が搭乗、赤色の3号機は「プルツー」が搭乗した。
・プル機
第17話「奪回! コア・トップ」で初登場。ファンネルを使ったオールレンジ攻撃でジュドー達が苦戦。
その後、妹の「リィナ」を取り戻すためにアクシズに潜入したジュドーと出会ったプルだったが、リィナに嫉妬した事で暴走、本機でアクシズの街を破壊する。
以降もプルがグレミーに洗脳され本機とガンダムチームが戦う事もあったが、ジュドーのZガンダムと大気圏突入した際にはファンネルで肩部のバインダーを落としている。
アーガマに収容された以降はしばらく登場機会が無かったが、ダブリンへのコロニー落としの直後に現れた「サイコガンダムMk-II」に応戦するために出撃。
サイコフィールドでリフレクタービットの攻撃を防ぐも、サイコガンダムに特攻をかけ爆散、プルも死亡した。
パイロットのエルピー・プル
ウェイブライダーの上に乗って大気圏突入するもはみ出た肩のバインダーが熱に耐えられなかったためファンネルで落とすことに
・プルツー機
第42話で初登場。
ハマーン暗殺のためにコア3へ潜入した際にはサイコミュ・コントローラーによる遠隔操作を行うシーンがある。
その後、ジュドーと戦闘を繰り広げるなどしたが、ネェル・アーガマのハイパーメガ粒子砲によって撃墜。プルツーは脱出ポッドにより一命を取り留めている。
サイコミュ・コントローラーを装着したプルツー
ファンネルを射出してゲーマルクとロイヤルガードを攻撃するプルツー機
コア3に潜入しがハマーンの住居を破壊しようとした
型式番号 | AMX-004-2 (2号機)、AMX-004-3 (3号機) |
全高 | 20.6m |
頭頂高 | 18.4m |
本体重量 | 35.2t |
全備重量 | 57.2t |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
ジェネレータ出力 | 1820kw |
総推力 | 61600kg |
センサー有効半径 | 10900m |
姿勢制御バーニア | 12基 |
武装 | ファンネル ビームガン ビームサーベル 大型ビームサーベル |
搭乗者 | エルピー・プル(2号機) プルツー (3号機) |
量産型キュベレイ
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:機動戦士ガンダムZZ、機動戦士ガンダムUC(小説、OVA)、ガンダムビルドダイバーズ
キュベレイMk-IIのコンセプトを引き継いだ量産機。ネオジオンのグレミー派が開発した。
頭頂部にはアンテナを搭載した補助センサー、上腕部は伸縮可能になった事でバインダーに収納可能になっている。
武装面では背部にアクティブカノンを装備するなど火力を強化、また30基のファンネルを搭載しているが性能をフルに発揮する事は無かったとされる。
「活躍」
劇中では「グレミー・トト」率いる反乱軍のニュータイプ部隊で運用され、プルシリーズが搭乗した機体が最終決戦で投入されている。
エゥーゴのガンダムチームやハマーン軍相手に戦闘力を見せつけた。だが、グレミー亡き後の最終話では「キャラ・スーン」のゲーマルク、「ニー・ギーレン」のガズアルと交戦。
大量のファンネルでガズアルを撃墜するも、多数の機体がゲーマルクによって撃墜された。
残った機体もゲーマルクとの相打ちで爆散したこともあり、殆どの機体をこの戦いで失っている。
型式番号 | AMX-004G |
全高 | 18.8m |
頭頂高 | 18.4m |
本体重量 | 35.2t |
全備重量 | 62.1t |
装甲材質 | 不明 |
ジェネレータ出力 | 1820kw |
センサー有効半径 | 10900m |
姿勢制御用バーニア | 12基 |
武装 | ハンドランチャー ビームサーベル アクティブカノン ファンネル |
搭乗者 | プルシリーズ (エルピー・プル、プルツーを除く) |
クィン・マンサに随伴するグレミー軍の量産型キュベレイ
グレミー亡き後に登場した機体。機体カラーが変更されている。ジュドーには「黒いキュベレイ」と呼ばれていた。
キュベレイパピヨン
出典元:gunpla-beginning.com
登場作品:ガンダムビルドファイターズ
「アイラ・ユルキアイネン」が操るガンプラ。第8話で初登場。
搭載された「エンボディシステム」はプラフスキー粒子の流れが見えるアイラの能力を引き上げる特殊機能である。
着用したヘルメットのディスプレイに粒子の流れが映し出されるが、本来はレギュレーション違反に当たる。
しかし、オールレンジ攻撃端末と同じくアイラのコンディションが悪いと正常に機能しない。
「活躍」
世界大会のフィンランド予選で現れ、前回大会で優勝した「カルロス・カイザー」の「αアジール」を撃破した。
以降もファンネルを駆使して勝ち進み、決勝トーナメントでは「スタービルドストライクガンダム」と戦うもアイラはレイジとの痴話喧嘩で戦いに集中できず。
その後、プラフスキー粒子に能力を封じられ相手の必殺技で機体を貫かれ敗北した。
キュベレイを改造して製作されているが、”パピヨン”という名前の通り、フェイス部分やバインダー、機体カラーは大きく変更され蝶をイメージした形態になっている。
メインの武装であるクリアファンネル以外にも複数のビット系の遠隔兵器を搭載する。
型式番号 | NMX-004 |
全高 | 18.9m |
重量 | 40.1t |
武装 | クリアファンネル ランスビット ビームガン ビームサーベル |
操縦者 | アイラ・ユルキアイネン |
キュベレイダムド
出典元:http://uc-timeline.com/
登場作品:ガンダムビルドダイバーズ GIMM&BALL’S WORLD CHALLENG
「MG キュベレイ」の改造機でノズが製作したガンプラである。
型式番号はAMX-004DMD。
マニュピレーターが大型化されたことで近接格闘戦ではクローとして使用出来る反面、ビームサーベルを握れなくなっている。
そのため、サーベルのグリップを上腕部に収納したままビーム刃を発生させている。
「活躍」
Episode.2ではシモダの倉庫を襲撃、制止しようとしたポリポッドボールの180mmキャノンを破壊。
Episode.5ではゴールデン・ポリキャップを強奪するためにジム達を遊園地ディメンションに誘い襲撃するもボールによって持ち歌を再生された事でアイドル精神が燃えたノズ達はライブに遅れまいとその場を去っていった。
キュベレイアンベリール
出典元:ameblo.jp/saitaniyaumetaro/
キュベレイダムドのカラーリングを原型機であるキュベレイと同じ色彩にしたガンプラ。物語には登場しない。
キュベレイダムドと同じくデザインはNAOKI氏によるもの。
キュベレイよりもマニュピレーターが大きくなった事で、より悪役っぽいデザインになっている。
クィンテット・キュベレイ
出典元:twitter.com/derupura/
登場作品:機動戦士ガンダムZZ vol.3「エニグマ始動」
「量産型キュベレイ」を改修したネオジオンが保有するニュータイプ専用モビルスーツ。
本機の特徴である「シュベール・サイコミュ・システム」はパイロット単独で複数のMSをコントロールする事が可能。
本機をマスターユニットとし、4機の量産型キュベレイをオールレンジ攻撃のごとく思念操作により遠隔誘導する。
搭乗者には多大な負荷がかかるため暴走事故は絶えなかった。そのため事故の影響で搭乗者が廃人となった事から本格的な開発は白紙になっている。
また、試作機と誘導機はネオジオンの崩壊とティターンズ残党によるクーデターの渦中で行方を失っている。
ゲー・ドライ(G-3)
出典元:twitter.com/derupura/
登場作品:機動戦士Ζガンダム(漫画)、ガンダムウォーズ・プロジェクトゼータ、新MS戦記 機動戦士ガンダム短編集
アニメ製作側からハマーン・カーンが搭乗するキュベレイのデザインが届かなかった事から、近藤和久が代わりに届いたラフがを元に独自のアレンジを行った機体。
アニメ版の機種と違い「トランスフォームシステム」を実装している。
「ガンダムウォーズ・プロジェクトゼータ」では「G-3」という名称でアレンジされた機体が、「新MS戦記 機動戦士ガンダム短編集」ではキュベレイとは別機種としてさらにアレンジを加えられた「G-3」が登場している。
型式番号 | MAN-07G (MAN-010、MSN010 G-3) |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
武装 | ファンネル 肩部メガ粒子砲 球状メガ粒子砲 ビームガン ビームサーベル |
搭乗者 | ハマーン・カーン |
ディマーテル
出典元:twitter.com/derupura/
登場作品:機動戦士ガンダム ヴァルプルギス
ネオジオンの残存部隊に所属する機体で「赤のグリモア」と呼ばれており、サイド2の「オリンボス」を襲撃した。
パイロットの女性は「ハマーン・カーン」を名乗るものの、ハマーン自身は半年前に戦死している。
キュベレイの様に肩のバインダーは無く、背部にはファンネル・コンテナを兼用する推進機を3基搭載する。
型式番号 | AMX-114 |
全高 | 28.5m |
頭頂高 | 21.4m |
本体重量 | 42.72t |
全備重量 | 77.7t |
装甲材質 | ガンダリウム・コンポジット |
ジェネレータ出力 | 2370kw |
総推力 | 92400kg |
武装 | ファンネル ビームガン ビームサーベル |
キュベレイのバリエーションの感想
ガンダムシリーズの各作品で登場したキュベレイと派生機を紹介しました。
ハマーンという最強クラスのニュータイプと絶大なカリスマ性に相応しい優雅なデザインをしたキュベレイですが、機体からもカリスマオーラが感じられると思います。
エルメスの後継機種とされていますが、Zガンダムでキュベレイが登場した時はそんな事を感じさせない異質さがありましたね。
戦闘力においてもグリプス戦争時にはまだ無線でのオールレンジ攻撃を使う機体が少なかった事もあり、ファンネルの存在はエゥーゴやティターンズにとっても脅威だったと思います。
最後はジュドーと激しい戦いを繰り広げましたがキュベレイ自体はこの時点で旧式になっており、火力も機動性もZZガンダムに劣っていながらも互角の戦いを演じたのはハマーンの操縦技術があってこそだと思います。
キュベレイの後継機や派生機で有名な機体といえば、「キュベレイMk-II」「量産型キュベレイ」だと思いますが、プルのキュベレイMk-IIに至っては性能はオリジナルと同じながらも、能力をフルに発揮していなかった感じがあります。
初登場時は驚異的な戦闘力を見せつけたのはいいのですが、物語中盤で早々と肩部のバインダーを破壊してしまったために、その後の登場機会がなくプルツーとの戦いで散っていったイメージがあります。
量産型キュベレイに関してはゲーマルクとの戦いでほぼ全滅状態になりましたが、唯一生き残った機体に 乗っていたプルシリーズの一人が「機動戦士ガンダムUC」に登場する「マリーダ・クルス」となります。